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Instagramの発見タブから広告収入を絞り取るFacebook

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Instagram(インスタグラム)の10億人を超えるユーザーの半数は、新しいコンテンツやクリエイターを見つけるため、月に一度は発見タブを開いている。今やFacebookの傘下に収まるInstagramは、その責務を果たすため、初めて発見タブに広告を入れることにした。しかし、発見タブ内のグリッドに対して、いわばマーケティング権限を持つユーザーに、いきなり広告を投下するのではなく、ユーザーが投稿をタップした後、同様の画像を見るためにスクロールを開始した時点で、初めて広告を表示することにしている。

このやり方なら、ユーザーに嫌がられたり、その場の上品な雰囲気を壊すことなく、発見タブを収益化できる、謙虚な方法と言えるだろう。Instagramのビジネスプロダクトマーケティング部門の責任者であるSusan Bucker Rose氏によれば、ユーザーはそもそも「何かを見つけるつもり」で発見タブを開いているので、広告も自然なものに感じられるのではないかと信じているという。「ユーザーは、新しいアカウント、人々、そしてブランドに触れてみたいと思っているのです」というのだ。

Instagramは、この広告枠をテストするために、まずは鳴かず飛ばずの自身のIGTV機能を宣伝してみることにしている。その後「数週間で、いくつかのブランドに開放することになるでしょう」と、Rose氏は説明する。その中には、大手企業も含まれているが、コンバージョンやビデオの視聴率、リーチの拡大を狙っている小さめの広告会社も名を連ねている。Instagramは今後数カ月の間に、この広告手法を広く一般に展開することをもくろんでいる。

広告主は、Instagramのフィードやストーリーズのスペースを購入するのに使うFacebookの広告マネージャやAPIを通じて広告枠を購入する。最初、広告主はInstagramの発見タブを指定して広告を掲載する必要があるが、そのうちにそれがデフォルトとなる。もちろん、そのオプションを解除することも可能だ。

Instagramの発見タブの広告は、以下のようにして表示される。まずユーザーが発見タブを開けば、いつものように、エンゲージメントの高い投稿が、スクロール可能なグリッドとして表示される。それらはユーザーの興味に基づいてパーソナライズされたものだ。ここでユーザーが写真やビデオをタップすると、まずその投稿がフルスクリーンで表示される。しかし、そこから下にスクロールし続けると、最初に選んだ投稿に似たコンテキストの投稿が次々と表示される。広告は写真やビデオとして、その中に紛れ込まされる。また、テーマを設定したビデオのチャンネルをタップして、クリップを視聴した後に、同様のビデオを求めてスクロールしたときも、Instagramのビデオ広告が表示されることがある。

Instagramは、今回の広告の導入を「ゆっくりと、かつ思慮深く」行うと表現している。これは、時間が経つに連れて、広告の露出がだんだん多くなっていくと言っているようにも聞こえる。

発見タブは、2012年から使えるようになっている。Instagram自体が登場してからほぼ2年後のことだ。これは、アプリの検索機能と「人気」タブを合わせたようなものだった。ユーザーのこれまでの行動から、アルゴリズムに従って分析した興味に合わせ、新たな人やテーマを見つけてフォローできる新しい方法を提案することを目的としていた。それにより、既存のつながりにとらわれない、新しい出会いを提供しようというわけだ。発見タブは、何度かの改良を経て、トピックチャンネルやハッシュタグを追加してきた。さらにInstagramの中で大成功となったストーリーズのようなフォーマットも追加された。ちなみに、最近発見タブに表示されるようになったストーリーズには、広告が掲載される予定はない。

しかし興味深いことに、こうした状況にもかかわらず、Instagramはこれまで発見タブ上の広告表示には手を出してこなかった。発見タブ内に表示される内容は、個人ごと異なる、というのが基本的なアイディアだ。アルゴリズムによって、ユーザーの好きそうな写真、ビデオ、あるいは何らかのテーマが選ばれて表示される。おそらくInstagramは、こうした発見タブのコンテンツの閲覧をじゃましたくなかったのだろう。

別の角度から見れば、これまでのところ、個人だろうがブランドだろうが、誰か特定の人の発見タブの中に、何かを表示することを積極的にリクエストしたり、その権利を購入するようなことはできなかったわけだ。とはいえ、だからといって、これを打破しようとした人がいなかったわけではない。試しに「how to get on Instagram Explore」などとググってみれば、その方法を解説するページがいくつも見つかる。

発見タブに広告を表示するという動きには、それなりの必然性がある。Instagram上でフィード広告による収益化が始まる前から、インフルエンサーやブランド、その他の企業は、直接買い物ができるリンクや、スポンサー付きのコンテンツを投稿することで、このプラットフォームを製品のプロモーションや、顧客とのコミュニケーションのツールとして利用してきた。Instagramによれば、今日では全ユーザーの80%が、Instagram上で少なくとも1つの企業をフォローしているという。ようやく、発見タブのアルゴリズムと必死に騙し合いをしなくても、企業はInstagramから、発見タブの中に自分のスペースを購入できるようになったのだ。

Facebookのニュースフィードの利用が危機に瀕している状況の中、Instagramのストリーズに注目が集まっている。それを収益化する方法はまだ研究中だが、Facebookは収益を増加し続けるため、ますますInstagramに頼ろうとしているようだ。しかしInstagramは、多過ぎる広告によって金のガチョウを絞め殺してしまうことがないよう、よくよく注意しなければならない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)