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カースタント王者が5G回線とVRでグッドウッド・ヒルクライムに挑戦

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スタントドライバーのVaughn Gittin Jr.(ボーン・ギッティン・ジュニア)氏は、リンカーンMKZを駆ってGoodwood Festival of Speedに参加し、得意のドリフトを駆使して名物のヒルクライムコースを試走した。ただし、ギッティン氏は車に乗っていなかった。

Samsung(サムスン)のVRヘッドセットを着用したギッティン氏は、会場から何千マイルも離れた場所で、オレゴン州ポートランドのスタートアップ、Designated Driverの開発した遠隔操作システムとVodafoneの5Gネットワークを使って車を操縦していた。

この特別装備されたリンカーンMKZ、通称S-Droneは、窓ガラスがすべて塗りつぶされている。車の「目」は、屋根に固定された複数のGalaxy S10 5G端末だ。ビデオはVodafoneの5Gネットワークを使ってDesignated Driver社の遠隔操作室に送られる。そこではGittin氏が椅子に座って車を制御している。

Samsung Goodwood Designated Driver

通常、Designated Driverの遠隔操作ドライバーの前には6台のスクリーンが置かれ、ハンドルとペダルのような装置を使って車を操作する。米国時間7月4日にGoodwoodイベントが正式に開会する前に行われたこのデモンストレーションでは、さらにバーチャルリアリティーと5Gネットワークを加えて次のレベルへと発展させた。

ギッティン氏は7月5日と週末を通して、Goodwood Arenaのイベントで遠隔スタントドライブをする。下のビデオでデモンストレーションを見られる。

5Gに関わるマーケティングは概してテクノロジーに無頓着だ。しかし5Gは、自動運転車と遠隔操作システムに大きな期待をもたらしている。車両を遠隔操作するためには車からのビデオと入力を遅延なく安定して送り続ける必要がある。1秒でもずれがあれば安全確実に操作することはできない。この種の操作を正しく行うためには無遅延ビデオ接続が不可欠だ。

「我々は5Gを活用して最先端遠隔操作技術のパイオニアになった」とDesignated Drive CEOのManuela Papadopal氏はコメントした。「モビリティーの限界を押し上げるていることを誇りに思う」。

Goodwoodで行われるこのデモンストレーションの目的は、5Gがさまざまな課題を解消し、車のリモートドライビングという安全が最重視されるアプリケーションに不可欠なテクノロジーであると示すことにある。これはDesignated Driverの技術を披露する最新のテストでもある。最近同社はオレゴン州ポートランドのオフィスからGoodwoodの車を遠隔操作した。海を挟む8000 kmの彼方からだ。大西洋越しの遠隔操作デモンストレーションは世界初だと同社は信じている。

テクノロジー重視のこのデモンストレーションは、人間の運転する車が干し草とレンガを並べた狭い道を走る毎年恒例のヒルクライムイベントには場違いと思われるかもしれない。この歴史的イベントには未来が垣間見える。昨年は、Roboraceがヒルクライムを完走した最初に自動運転車になった。ただ、人間より少し運転が慎重だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook