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【更新あり】卵巣年齢チェックキット「F check」発売開始、約2万円で10日後に結果がわかる

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F Treatmentは7月10日、卵巣年齢チェックキット「F check」の販売を開始した。卵巣に残っている卵子の数が何歳相当であるを示す「卵巣年齢」を調べられる。これによって、妊娠に向けた活動(妊活)や不妊治療のタイミングを判断できる。税別価格は1万9880円。同社は2015年11月設立の医療系スタートアップだ。

製品に含まれる専用ツールを使って自分で0.1mlの血液を採血後、血液を検査センターに送ると投函後10日程度で結果がわかる。同社代表取締役の白 正寛氏によると、2年をかけて同キットを開発したとのこと。血液中のAMH(アンチミューラリアホルモン)の値を見ることで卵巣年齢を判別できるそうだが、指先採血では通常採血とはデータのブレなどがあり、これらを調整するために1年半ほどの研究が必要だったという。

検査結果はスマートフォンやPCで専用のウェブサイトにアクセスすることで確認可能だ。

サイトでは、病院の検索、19項目の設問に回答することで不妊の兆候を把握できる自己診断ツールといったコンテンツも用意される。今秋には、専門家への相談サービスも開始するとのこと。

採血ツールは、指先に針を刺して出た血を専用の容器で吸い取ることができるもので、一般的な自宅採血ツールと同様だ。採決後は専用の返信用封筒に入れて検査センターに郵送すればいい。なお、検査センターはCDC(米国疾病予防対策センター)の承認を受けているとのこと。

代表取締役の白氏によると、不妊の女性が増えているのは、晩婚化で第一子を妊娠する年齢が上がっていることが一因と言及。40年前と比べると、初婚年齢と第一子の出生時年齢は平均で5歳程度上がっている。そして、40歳を超えると妊孕製(妊娠する力)が急激に低下するというデータもある。

不妊症というのは妊活を始めて1年以上妊娠しない状態のことを指すが、同社の調査では1年が経過しても専門の医療機関に相談しない人の割合は5割程度とのこと。30〜34歳では妊活開始後に妊娠しなくても、3年以上も治療を受けない割合が24%と高い。35〜39歳でも半数ほどが医療機関で不妊治療を始める時期が妊活後1年以上となっている。

卵巣に残っている卵子の数は母親の中にいるときが最も多く、思春期には約20万〜30万個に減少していく。その後増えることはなく、閉経時にはゼロに近づく。平均の閉経年齢は50歳程度と言われており、医学的には10年前の40歳前後から妊娠しづらくなってくるという。

卵巣年齢については、実際には個人差が非常に大きいとのこと。25歳でも49歳と同じ卵子量の人がいたり、その逆もある。妊娠を希望するカップルは、卵巣年齢を知ることで自然妊娠を選ぶのか、人工授精、体外受精を選ぶのかを判断できるようになる。また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性も判断できる。PCOSとは、卵巣での男性のホルモン生産量が多いことが原因で排卵しにくくなる疾患だ。肥満や過剰な皮脂の分泌によるニキビなどが原因の場合が多い。

自分や自分のパートナーが不妊症かどうかを判断するのは難しい。前述のように、特に30代前半では専門の医療機関で診断を受けるのを躊躇する人が多いという調査結果もある。しかも、本格的な不妊治療を始めると平日の昼間などに急遽病院に行くことも増えるので、自分自身やパートナーの仕事などにも支障が出る。そして、こういった複数の要因によって不妊治療の開始が遅れがちになる。

基礎体温の計測や排卵検査薬などを使って妊活を進めてもなかなか子宝に恵まれないカップルは、F checkのような簡易的な検査キットで卵巣年齢をまずは確認するか、年齢を問わず専門の医療機関で早めに診断を受けるという考えを持つことも必要だろう。

【2019.07.11追記】
AMH(アンチミューラリアホルモン)検査は、専門の医療機関であれば5000〜9000円ほどで受けられる。ただし、医療機関によっては感染症検査などが必要となり合計2万円近くなることもある。なお検査結果は、F checkを使った場合と医療機関で受けた場合で差異はない。

F checkが割高になる点を白氏に聞いたところ「自宅で誰にも知られず、病院に行く必要がないのがポイントです。さらにスマホやPCで結果画面を見られること、自己診断ツールといった各種サービスが付帯することなどにメリットを感じてもらえば」とのこと。