SNS分析・運用サービスを提供するAIスタートアップのAIQが2億円調達

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AI技術を活用したSNS分析・運用サービス「AILINK(アイリンク)」などを提供するAIQ(アイキュー)は7月12日、総額約2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。調達先はand factoryほか複数の投資家と金融機関。AIQにとっては外部からの初の資金調達となる。

社会実装を重視してAIをSNS運用サービスに展開

AIQの設立は2017年7月。創業からちょうど2年になる人工知能スタートアップだ。AIQ代表取締役社長CEOの高松睦氏は前職で、大手通信キャリアを相手に先端技術を使ったソフトウェアの提案・開発を行っていた。そこでディープラーニングに出会い、「ディープラーニングを使い、自分たちのサービスとして提供できれば」と考えたことが起業のきっかけだった。

AIQ代表取締役社長CEO 高松睦氏

「先端技術を扱ってはいるが、ビジネスサイドから人工知能を手がけているのが我々の特徴。研究を深掘りしていくというよりは、社会実装することを重視している」(高松氏)

AIQでは、画像解析エンジンとSNSに特化した自然言語処理エンジンを独自に開発。2つを組み合わせることによって、SNSに投稿された写真や動画、テキストなどの情報から、投稿者の性別・年代・地域・趣味嗜好などの属性を、高い精度でプロファイリングできるという。

また、これらのエンジンを使ったサービスも展開している。その代表的なものがインスタグラムアカウントの分析・運用サービスAILINKだ。企業のインスタグラムアカウントと親和性の高いユーザーを抽出でき、相性のよいアカウントには自動でフォローや「いいね!」などのアクションを実施。フォロワー増やマーケティングに役立てることができる。2018年9月には、顧客からの要望が高かったTwitter対応版もリリースした。

AILINKはフォロワー増を目的として導入されることが多いそうだが、「ユーザー分析をした上で自動運用を行うので、効果が高い」と高松氏は話している。「マスマーケティングが頭打ちになる中で、コアなファンとのつながりを持つことができ、ケアすることも可能。購入単価増に結び付けることもできる」(高松氏)

AILINKサービス紹介サイトより

インスタグラムの自動運用ツールには、競合も数多い。どういった点で優位性があるのか高松氏に尋ねると、「独自のSNS分析に適したAIエンジンを持つことと、データを保有している点だ」との答えが返ってきた。「ハッシュタグのみでなく投稿全体を分析し、ランダムなゴーストアカウントではなく興味がありそうな人をフォローするので、フォローバックがきちんと得られて、タイムラインで情報を届けることができる」ということだそうだ。

高松氏はSNSをAI開発とサービス展開のフィールドとして選択した理由について、こう述べている。「スタートアップとして人工知能を手がけるためには、学習のためのビッグデータがなければならない。SNSは豊富に学習データがあり、着手しやすかった」(高松氏)

フォロワーのさらなる活用のために新プロダクトを準備

今回の調達資金は、現サービスの開発、販売のための人材強化に充てるというAIQ。また、8月に新サービスの立ち上げも予定しているという。

「AILINKでフォロワーは蓄積できたとして、その後のアクションに顧客は悩みを抱えている。新サービスでは、フォロワー分析に焦点を当てる。例えばスイーツに関するアカウントなら、和菓子なのかアイスクリームなのかケーキなのか、アカウントのつながりを分析する。ネットワーク分析の結果を利用して、フォロワーをインフルエンサーとしてマーケティングに生かしたり、商品開発に協力してもらったりといった、次のステップを考えるための『究極のファンベースマーケティングのためのプラットフォーム』を用意したい」(高松氏)

また、本ラウンドのリード投資家であるand factoryとは、資本業務提携も実施。and factoryが展開するユースホステル事業「&AND HOSTEL」などのIoTデータや提供するアプリで蓄積するユーザー行動のビッグデータなどを活用した、データとAIによる新プロダクトの研究開発を今後両社で検討していくという(編集部注:ここで記載しているユースホステル事業とは一般名詞としてのユースホステルのことで、日本ユースホステル協会とまったく関係はありません)。