AIでソフトウェアテストを自動化する「Autify」が約2.6億円の資金調達、公式グローバルローンチへ

次の記事

誰でも30日で何かのエキスパートになれるオンラインクラスMonthly

中央がAutifyのCEO、近澤良氏

AIを用いてソフトウェアテストを自動化するプラットフォーム「Autify(オーティファイ)」を提供するAutifyは10月2日、グローバル・ブレイン、Salesforce Ventures、Archetype Ventures、そして複数名の匿名の個人投資家から約250万ドル(約2.6億円)をシードラウンドで調達したことを明かした。

同社はプレシードラウンドでは、East Ventures、KVP、ジェネシア・ベンチャーズ、GW Ventures、そして、柴田陽氏、丹羽健二氏、山田進太郎氏、吉田浩一郎氏より、約51万ドルを調達している。

CEOの近澤良氏が率いるAutifyは2019年2月、日本人を含むチームとしては初めてB2B領域に特化したアクセラレーターのAlchemist Acceleratorを卒業。(先日紹介したLEADは2組目の卒業生としてAutifyに続いた)。

Autifyは3月にクローズドベータ版が公開されている。以後、上場企業、スタートアップを含む150社以上がデモをリクエストしたそうだ。そして10月、Autifyはグローバルローンチされる運びとなった。日本だけに留まらず、国外企業へのサービス提供を本格的に開始する。

前述の通り、AutifyはAIを用いることでソフトウェアテストを自動化するプラットフォームだ。近年、市場の急速な変化に対応すべく、「アジャイル開発」という開発サイクルを素早く回す手法が一般的となってきた。Autifyによると「既に92%がアジャイル開発を採用。そのうち71%が週1回以上のリリースを希望。だが、そのようなサイクルでは、ソフトウェアの検証作業(QA)を人手に頼ると時間が掛かりすぎ、早期リリースのボトルネックとなってしまう。そのため、アジャイル開発を推進する企業では検証作業の自動化が急務となっている」。

 

  1. image3

  2. image4

  3. image5

同社によると、検証作業の自動化においてソフトウェア企業が抱えている問題は大きく2つ。1、エンジニア人材の圧倒的な不足。2、自動化コードの高いメンテナンスコスト。エンジニアが自動化コードを構築することで検証作業を自動化したとしても、アジャイル開発ではUIや仕様が素早く変化していく。そのため、自動化コードがすぐに動かなくなり、継続的なメンテナンスが必須となってしまうそうだ。

「世界的に見ても、アジャイル開発化の大きな波が来ている。ソフトウェア開発の高速化がビジネスの競争力の源泉になってきている。というのも、市場の変化が激しい時代になってきているので、例えばiPhoneが登場してから10年くらいしか経っていないのに業界が様変わりしている。今までみたいにウォーターフォール型の開発で、1年などの期間をかけて設計、開発、テスト、そしてリリースをしても、『出したらユーザーは使いませんでした』となるリスクが高くなっている。細かく区切ってどんどんリリースして試していくというアジャイル開発に、スタートアップだけではなくSIerや大手企業も移行してきている。そんな中、よく聞くのが、QAに時間が掛かりすぎるということ。週1などの頻度でデプロイするとなると、毎回、全てを網羅的に検証することはできない。そうすると、切り捨てなければならない部分が出てきてしまい、バグが残ってしまう」(近澤氏)。

このような課題に目を付け開発されたのがAutifyだ。非エンジニアでも簡単にウェブアプリの検証作業を自動化でき、また、AIがアプリケーションコードの変更を監視し、検証シナリオの修正を自動で行うため、メンテナンスコストを大幅にカットすることができたという。従来のテスト自動化サービスでは困難だったJavaScriptを多用した複雑なアプリケーションの検証自動化も可能で、Slack、Circle CI、TestRailなどとの連携も可。今後は連携可能なサービスを増やしていく予定だ。そして「自動化範囲の拡張、テスト実行環境の内製化、Chrome Extensionの機能改善、AIでの要素の発見ロジックなどを中心に、ユーザーのテスト体験を充実させていく」(Autify)。他社にはない強みに関して、近澤氏は「非エンジニアでも使いやすい設計に徹底的にこだわった」と話していた。