Facebookでニュースを読む人は多いが内容を信用する人は少ない

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画像クレジット:Jon SCC BY 2.0ライセンスによるFlickr

Facebookは、今月にも「ニュースタブ」を導入する準備を整えている。人手によってキュレーションしたニュースストーリーを表示するもの。友達だちがシェアした記事、有料のプロモーション、アルゴリズムによって選ばれた記事が表示されるニュースフィードを補うものとなる。しかし、ソーシャルメディアが、今日のニュースのプラットフォームとして、どのように見られているかを示す分の悪いレポートが登場した。

ソーシャルメディアごとのニュース消費量(Pew調べ)

Pew Research Center(ピューリサーチセンター)の調査によれば、この7月の調査の対象となった米国の成人の半数以上(約52%)は、すでにFacebookでニュースを読んでいるという。その結果、Facebookが、ソーシャルメディアの中でもっとも人気のあるニュースソースとなっている。ちなみに、2位はYouTubeで28%、3位はTwitterの17%となっている。Instagram、LinkedIn、Reddit、Snapchat、といった他のさまざまなプラットフォームも、数字は小さいながら、それなりの存在感を示している。

全体として、調査対象となった人の88%は、ソーシャルメディアがユーザーに見せるニュースは「少なくとも多少は統制」されていると考えていた。

しかし、そうした統制についての感情はさほど極端なものではない。

回答者の過半数(62%)は、ソーシャルメディア各社が、それぞれのプラットフォームに表示するニュースの選択について「統制し過ぎ」だと考えている。そして、55%の人は、その結果ニュースの取り合わせが偏っていると思う、と答えている。全体の53%は、一方的な視点で書かれたニュースの存在に気付き、51%は、不正確なニュースはソーシャルメディアの「非常に大きな問題」だと捉えている。

このような調査結果は不安をかきたてる。Facebookなどのメディアは、すでにニュースの配信に関しても、大きな力を握っていることを明確に示している。それと同時に、そうしたことが好ましくない影響を及ぼすと、すでに多くの人が判断していることも示している。

そうした不穏な話に続いて、ソーシャルメディアのプラットフォームが、悪意によってどの程度操作されているのか、ということも、今回の調査結果には含まれている。政治団体や政府が、身分を隠し、ソーシャルメディア上で人心を惑わすような話をばらまいているという話は、数年前から今日に至るまで囁かれてきた。しかし、いくらプラットフォーム側が、そうしたアカウントを特定して削除しようとしたところで、むしろおおっぴらな悪用は増え続けているのだ。

つい先月には、有料チャンネル(つまり広告)でストーリーを掲示する人は、自分の政治的な意図に合わせてニュースの見出しを書き換えられることが明らかになった。大多数の人に、ニュースの論調を偏向させて見せるためだ。多くの人は、友だちの子供の最新の写真をチェックしたりするためにスクロールする際、ストーリーをクリックして中身を読むことなく、表示されている要約を読んでいるだけなのだ。

そして、それは消費者にとってのみ悪いことなのではない。ニュースの発行元は、自分たちのストーリーをソーシャルメディアがシェアし、収益化可能なトラフィックに変換することで得ている収入の分け前を受け取っていないことを、長い間嘆いてきた。そして規制が強化されることで、こうした状況もじきに変わるだろうと考える人もいた。ところが、今週のWSJのレポートは、それもすぐには変わりそうもないことを示唆していた。Facebookは、人手でキュレーションされる新たなニュースタブでシェアされる記事についても、ごく一部の発行元にしか使用料を支払うつもりがないというのだ。

さらに興味をそそる詳細まで掘り下げてみると、共和党支持者は民主党支持者に比べて、ソーシャルメディアがニュースに及ぼす影響を問題視していることを、Pewは突き止めた。右寄りの人の75%が、ソーシャルメディアはニュースを統制しすぎだと考えているのに対し、左寄りの人は53%だけが、そう感じている。皮肉なことに、ソーシャルメディアが自分の考えを反映したものになっているか、という質問になると、これらの数字は逆転する。

またPewは、ソーシャルメディアでニュースを読む人の48%が、ニュースは「リベラル、または、かなりリベラル」と信じていることも示している。これは、共和党支持者は民主党支持者よりも、ソーシャルメディアがニュースを統制し過ぎていると考えていることと符合する。逆に、ニュースが保守的、または、かなり保守的だと信じている人は14%だった。これは、右寄りの人が、メディアはあまりにもリベラルだと感じていることを裏付けているのかもしれない。そして彼らは、彼ら自身の政治的信条にそぐわないニュースを見せられていると感じているのだろう。

また今回の調査は、Facebookから支払いを受けているのはごく一部のニュース発行元だけ、という最近の報告に沿った結果も示している。回答者の82%は、すべてのニュースソースが、現状ではFacebookから対等に扱われていないのではないかと感じている。つまり、一部のニュースソースが他よりも目立つような扱いを受けているということ。ほぼ88%の人は、「注目度の高い」、言い換えれば「クリックベイト」と呼ばれるような記事を発行している会社の記事が、フィードに表示されやすいと信じているのだ。そして84%が、ソーシャルメディア内でのフォローという行為が重要な役割を演じていると考えている。79%は、ストーリーの政治的傾向が、自分のフィードに表示される頻度に影響していると信じている。

男性と女性の読者の差異については、このレポートの調査結果も驚くに値しない。最近の他のソーシャルメディアに関する調査と似たりよったりとなっている。たとえば、Redditのようなメディアは、かなり男性の読者に偏っているが、Facebookでは逆に女性が多い。

最後に、このレポートは主にニュースの偏りと、それに対する感じ方についてのものだが、ここに登場しているプラットフォームの種類と、それぞれの傾向に注目して見てみるのも興味深い。たとえばTikTokは、ソーシャルメディアの世界では、やがて支配的な力を持つようになると多くの人が考えているものの、ニュースを読むためのプラットフォームだと考えている人は、1%にも満たない。一方Snapchatも、ニュース配信となると、たった6%でしかない。

これらのプラットフォームには、若いユーザーが多いことを考えると、これは、若い人たちが、ソーシャルメディアをニュースを読むためには使っていないことを示していると考えられる。さらに言えば、そもそもニュースには興味がないということなのだろう。ソーシャルメディアのプラットフォームは、今のところニュースの世界ではのけ者と位置付けられているのかもしれない。しかし、そうと決めつける必要はない。会話の種類を変えることもできるはずだ。そうして、これまでは会話に加わってこなかったような人を、引き込むこともできるだろう。

この調査は、Pewが、7月8日から7月21日にかけて、American Trendsのリサーチパネルに属する回答者5107人に対して実施したもの。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)