Instagramが「親しい友達」専用チャットアプリ「Threads」を世界でスタート

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Instagramが親しい友達に今やっていることを自動的に送信できるとしたらどうだろう?例えば、🏠 (家にいる)、 🤓(仕事中) 🚗(移動中)、🛋️(リラックスしている)といった具合だ。これがInstagramの新アプリ「Threads」の狙いだ。Instagramの「親しい友達」専用のチャットツールで、ワンタッチでカメラを起動するショートカットが用意され、写真やビデオを簡単に送信できる。

ThreadsにはStatus(マニュアル送信)とAuto Status(自動送信)というこれまでなかったまったく新しい機能が用意される。ユーザーはここに好みの絵文字をメッセージとして設定し、親しい友達に自分のステータスをワンタッチで知らせることができる。また位置情報をベースにしてInstagramが自動的に各種機能にアクセスできるようオプトインすること可能だ。

Instagram Threads Auto Status

米国時間10月4日、ThreadsアプリはiOS版とAndroid版が世界で公開される予定だ。 FacebookによるInstagramのメジャーアップデートはSnapchat最大のユースケース、つまり親しい友達に対する写真とテキストの連続送信をターゲットとしている。

どこの誰ともわからない相手からのどうでもいい着信には皆飽き飽きしている。チャットアプリのユーザーにとって興味があるのは「親しい友達」リストにあるメンバーの動静だが、Threadsに表示されるのはまさにこの「親しい友達」だ。もちろんInstagram本体からダイレクトメッセージ機能を使ってもいいし、併用することもできる。

ただしThreadsがユニークなのはわれわれが1年半前に発見したカスタム絵文字指定によるステータス送信機能をとうとう正式機能に組み込んだことだろう。

ThreadsのStatusとAuto Statusはユーザーがいまどういう状態にあるか、そのコンテキストをワンタッチで伝えることができるので会話を始めるきっかけに好適だ。「移動中」のアイコンが表示されていればなぜ返事がないのかわかるし、「仕事中」ならオフィスを訪問すれば会えるだろう。ただしプライバシーを考慮してマップ表示などの正確な位置情報は表示されない。重要なのは友達がどこにいるかではなくどんな状態にあるかだ。それがわかれば会話を始める、しばらく控えるなどの判斷の材料になる。

Instagramのコンシューマ・プロダクト・デザインの責任者であるRobby Stein(ロビー・ステイン)氏は私のインタビューに対してこう説明した。

Threadsは「恒常的なつながり」を提供するのが目的だ。基本的な狙いは「自分にアクセスできる相手を正確に管理できるようにする」ことだ。 自分が日頃メッセージをやり取りする相手が特定の数人に限られているなら、そのような行動を簡単にするアプリを作ってもいいではないか? また文章をタイプしてメッセージを送る時間がなくても(ワンタッチで絵文字を送ることで)「つながっている」ことができるならたいへん便利だろう。

ThreadsをInstagram本体とは別のアプリとしてリリースしたのは、ひとつには万一不評だった場合でも本体に被害を及ばさないためもある。しかし成功すれば、Threadsは家族その他親しい友達の動静を常に知ることができる魔法ののぞき窓となる。SMS、WeChat、Snapchatその他のチャットアプリの雑音に悩まされているユーザーにとっては大きな朗報となるかもしれない。

「親しい友達」専用

ソーシャルネットワークの厄介な点は、どうでもいい相手を偶然や礼儀などが原因で友達に追加してしまうことだ。こうした友達の投稿でタイムラインが占領されると全体として興味を引かないものとなってしまう。特にFacebook本体アプリは「万能型ネットワーク」であるため家族、恋人から上司、同僚まであらゆる人々が見ている場所だ。そのためプライベートなことがらはFacebookに投稿しにくいと感じるユーザーが増えている。

Instagram Close Friends Threads

Instagramが「親しい友達」を発表したのは昨年11月ベルリンで開催されたTechCrunch Disruptだった。これは特定のメンバーを「親しい友達」として設定できる機能で、このグループにだけストーリーズを投稿することができる。Facebookは何度もリスト設定に新しい機能を追加してきたがいずれも設定の手間がメリットに見合わず、広く使われるようにならなかった。

「親しい友達」は設定も簡単だし、相手は自分がリストに載っているかどうか分からない。大変便利な機能で、ベルリンで初めて見たとき、Instagramがまだこれを実装していなかったのに驚いたほどだ。【中略】

Auto Statusは受動的情報共有

3年前に私はソーシャルネットワークには「友達がいまどんな状態にあるかいちいち尋ねないでもわかる仕組みが必要だ」と書いた。

InstagramのThreadsはこうしたニーズに応えるアプリだ。プライバシー上の懸念があるため、情報共有の設定が微妙となるが、Threadsでは共有相手を限定すると同時に正確な位置情報などが表示されないようにしている。

Instagram threads Status

Statusによる共有では絵文字でメッセージを送信する。これは1時間から4時間で消滅する。事前に短文を送信メッセージとして用意することもできるし、無数の絵文字から選択することも可能だ。
設定できるメッセージ絵文字には👍(空いてる)、🚫(忙しい)、📚(勉強中)、 😈(トラブっている)など.がある。

いっぽうAuto Statusgはデフォルトではオフになっている。この機能をオンにすると、Instagramは収集したデータによって自動的に適切な絵文字を選択して親しい友達に送信する。例えば、ロケーション情報から家、勤務先、カフェ、バー、旅行中などを判断し、それに合った絵文字を選び出す。加速度センサーの情報から自転車に乗っていると判断することもできる。またバッテリーが減っている、充電中であるなどの情報も送信される。

しかしなぜバッテリー情報を送信する必要があるのだろう?これについてInstagramのステイン氏は「バッテリーが充電中だとユーザーがデバイスの近くにいない可能性ある。すぐに返事ができないかもしれない。バッテリー残量がわずかだとステータス送信を止めるかもしれない」からだという。なるほど親しい友達のバッテリーの状況を知っていれば便利なこともありそうだ。【中略】

Instagram threads logo

いまのところ、InstagramはThreadsを商業的に利用する予定はないという。つまり広告が表示されることはない。実際、Facebookはデバイスから得た正確な位置情報を広告その他に利用することはしていない。位置情報は映画館にいる、レストランにいるなどユーザーの状況を知るためだけに用いているという。またFacebookは得られたロケーション情報を一定期間を超えて保存することしないという。

そうではあってもFacebookやInstagramが個人情報を収集し過ぎると考える人々にとってAuto Status機能は反感を呼ぶかもしれない。しかし親しい友達が「ヒマにしている」か「忙しくしている」か知ることができるのは反Facebook派の懸念以上にメリットがあると思う。ThreadsがきっかけとなってInstagramは新しいソーシャルなつながりのハブとなる可能性がある。【中略】

ソーシャルな自慢は情報共有を萎縮させる。Snapchatその他のチャットアプリはこれを排除しようとあれこれ試みたが結局うまくいっていない。Instagramは逆にソーシャルネットワークがさまざまな事情で膨れ上がってしまうのは止むを得ないと認め、逆に本当に親しい友達間のチャットアプリを作ることにした。これはよい考えではないだろうか。

【Japan編集部追記】日本でもThreads From Instagramとしてアプリ公開ずみ。Google Play Storeの場合は以下のようなインストール画面となる。
 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook