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Gnarbox 2.0
写真ストレージ

Gnarbox 2.0バックアップSSDは現場でも自宅でも写真家の力強い味方

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プロの写真家はもちろん、大量の写真を撮るのが好きな愛好家は、たとえ最大サイズのSDカードを使っていても、すぐに満杯になってしまうことを知っている。特にJPEGとRAW形式の両方や、そして4Kビデオなどの大きなファイルサイズでの撮影しているときには。

この問題の解決策は、やはり優れたモバイルバックアップドライブだろう。要件に見合う製品は多数あるが、中でも新しくリリースされたGnarbox 2.0は最も優れたものかもしれない。高速のSSDストレージを搭載していることに加えて、小型の独立した写真コンピューターのように動作するからだ。

これはGnarbox(ナーボックス)のバックアップソリューションの第2世代である。私は第1世代のHDDベースのバージョンを長年愛用してきたが、このバージョン2.0は便利な機能を山のように追加している。例えば、256GBから1TBの選択肢がある超高速SSD、野外での利用をさらに便利にする新しいOLEDディスプレイ、そしてスペアのバッテリーを用意することで電池切れのリスクを軽減できるリムーバブルバッテリー機構などだ。

シンプルで簡単なバックアップ

まずSDカードの迅速で簡単なバックアップだ。これはGnarbox 2.0が提供する最も素晴らしい機能ではないものの、最もよく使われる機能だろう。デバイス自体には最大75MB/秒で転送できるSDスロットを備えており、転送能力に応じて最大350MB/秒でカメラまたはカードリーダーから直接転送できるUSB-Cポートを搭載している。SDカードまたはカメラを接続すると、画面にオプションが表示され、接続したドライブの内容をワンクリックで完全にバックアップできる。これによって、撮影を続けるための保存、削除、スペースの確保がとても簡単になる。

Gnarbox 2.0 6

私は2つのイベントと撮影目的の休暇を含む9日間の旅行で、この機能を頻繁に利用した。新しいソニーの一眼カメラ「α7R IV」を使い、RAWとJPEGの両フォーマットで撮影すると私の128GB SD+64GB SDのバックアップカードでも、あっという間に空き容量が埋まってしまう。そんな時でも、場所を変える前に、カードの1枚をGnarboxのスロットに挿してバックアップボタンをひと押しすれば、数分で完全なバックアップが完了する。

経験上、このプロセスは堅実で信頼性が高く、単にカードに頼っていたときに比べて実質的に撮影に対して10倍のスペースを与えてくれる(私は通常、10GBのものは除いて、同じサイズのバックアップSDカードを出張には持っていかないのだ)。Gnarbox 2.0は、初期設定ですべてのデータを撮影日ごとのフォルダーに整理してくれるので、撮影後に作業場所などで写真を整理・加工する際に便利だ。

モバイルで使えるレビュー&レーティングマシン

素晴らしい撮影コンテンツが揃ったらGnarboxのモバイルアプリを使用してドライブを接続し、撮影したものを確認したり、写真を素早くレーティングしたりできる。これで後ほどPC上で行う作業量を減らせるだろう。

現在、Gnarbox SafekeepとGnarbox Selectsという2つのアプリが、Gnarboxから提供されている。Safekeepを使用すれば、デバイスのすべてのデータにアクセスすることが可能で、アプリ間で写真を移動するためのファイルブラウザーとして使える。とはいえ、おそらく最も頻繁に利用するのはSelectsのほうだ。主要なカメラのRAWフォーマットに対応しており、RAW画像を高速プレビューできるだけでなく、素早くレーティングやタグを加えたりできるので、デスクトップPCでのコレクション編集の準備をスマートフォン上で整えられる。

Selectsを使用することで、Gnarbox SSD自身のファイル、または接続されたメモリカードやストレージメディア上のすべてのファイルを確認できる。従って、例えば外付けSSDのSamsung T5のようなものを、すでにバックアップソリューションとして使用している場合はその中身を見ることもできる。こうした情報はすべて、Adobe Lightroomなどのアプリケーションに表示され、ワークフローが円滑になる。

すなわち、すべてをインポートするのを待つことなく、そして現場でその撮影で何をしようとしていたのかを後で思い出そうとするのでもなく、事前にレーティングとレビューを済ませておくことで、写真を整理するプロセスにかける時間を大幅に削減できるのだ。

現場から簡単に共有

時間の節約について言えば、Gnarbox 2.0は撮影から共有を迅速にこなす手助けもしてくれる。これはライブイベントで作業しているときや、いま目の前で起きていることに対する報道写真を撮影するときにとても便利だ。このデバイスは、開封時からモバイル版のLightroomが使えるようになっている。つまり携帯電話やタブレットに接続することで、新しいコレクションのソースとしてデバイスを使えるし、直接ファイルを転送できるのだ。これにより、RAWファイルに素早く編集を加えたり、完成したJPEGをエクスポートしたり、ソーシャルアプリやウェブサイトに直接共有したりすることができる。

アップルはiOS 13で新しいファイルシステムを採用したが、Gnarbox 2.0はiPhoneの大容量ストレージデバイスとしても利用できる。Gnarbox 2.0は写真だけでなく、ビデオも同様に保存・管理できるので、モバイルビデオワークフローにも最適だ。

ホームワークステーションコンパニオン

Gnarbox 2.0 3Gnarbox 2.0は外出先で活躍するが、撮影から戻ったあとの自宅の仕事用ドライブとしても完璧だ。この記事では1TBバージョンをレビューしているが、使用可能な内蔵容量が大きいことはかなりの利点だ。なぜなら、すべての作業ファイルを1カ所で扱うために必要なすべてのスペースを提供できるからだ。

前述のように、高速転送が可能なUSB-Cを搭載しているので、メインワークステーションからドライブ上のファイルを直接快適に操作できる。またそれは、仕事をするためにファイルを必ずしもローカルに移動する必要がないことを意味している。ひと手間を減らし、コンピューターのディスクスペースを節約してくれる。

Gnarbox 2.0は、オンボードOLEDメニューシステムを使用することで、大容量USBストレージモードに簡単に切り替えられる。ただし、このスイッチ操作は手動だ。なぜなら初期状態ではコンピューターに接続されるUSB-CポートはGnarboxの充電に使われるからだ。とはいえ、一度モードを切り替えてしまえば、Gnarbox 2.0をコンピューターに接続してその中にアクセスすることは、他の大容量デバイスを接続した場合と同じくらい容易だ。

前述のように、ドライブ上の写真はキャプチャした日付で整理されるほか、必要に応じてフォルダー構造の作成方法をカスタマイズできる。そして、LightroomやCapture Oneなどの写真編集ソフトウェアでインポートする対象に選べる。

結論

Gnarbox 2.0 5Gnarboxは、従来モデルの完全な後継製品とするため開発に時間をかけてGnarbox 2.0を生み出した。これは、現場用写真サーバーとミニコンピューターのユニークな組み合わせであり、取り外し可能なバッテリーパックや防塵・防滴といった気の利いた機能の採用によって、使い勝手が向上している。結局のところ、Gnarbox 2.0と完全に競合できるものは市場に存在していない。まあ求めるものによっては、WD(Western digital、ウェスタンデジタル)のMy Passport Wireless ProやLaCie(ラシー)のRugged Boss SSDなどが、一部の機能をより低価格で提供してはくれるのだが。

私がレビューした1TBバージョンは899ドル(約9万7000円)。256GBと512GBバージョンはそれぞれ499ドル(約5万4000円)と599ドル(約6万4000円)であることを考えると、Gnarbox 2.0は明らかに万人向けのプロダクトではない。プロフェッショナルなワークフローのためのプロフェッショナルなツールであり、価格もそれなりに高価だ。とはいえ、自宅や外出先で作業するために、最大限の柔軟性を備えたコンパニオンストレージソリューションを必要としている忙しい写真家は、このデバイスは間違いなく対価を支払う価値のあるものだ。

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(翻訳:sako)