最近のiPhoneは不細工

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最初に断っておかなければならないが、私はスマホに関してはちょっと保守的だ。みんな私のiPhone SEを小バカにするが、本当はこれこそApple(アップル)がこれまでに作った最高のスマホであり、どこからどう見ても美しい、素晴らしいデザインだと信じている。それに引き換え、iPhone 11 Proは、どうしようもないくらい不細工だ。もっとも、それはiPhoneに限らない。Samsung(サムスン)やGoogle(グーグル)の最新モデルも、まったく不細工には違いない。

いったい新しいiPhoneが、なぜそんなに不細工なのか順に見ていこう。前面も背面も、そして側面もだ。まずは、ノッチから始めよう。もちろん、今回初めてそうなったわけではないが、おそらくこれは、この時代に特有の異体のようなものなのだろう。何年か後に振り返ってみれば、みんな笑ってしまうしかないようなものだと思う。しかし今はまだしぶとく残っている。

多くの人が、さまざまな理由ででノッチを正当化しているのは知っている。少しでも画面の面積を増やすためだとか、キャリアやバッテリーのアイコンを表示するのにちょうどいいとか、顔認識でスマホをアンロックするためには不可欠だとか、といったもの。

それはそうかもしれないが、やはり不細工だ。

もしノッチがないバージョンが登場すれば、絶対に誰もノッチのあるほうは選ばないはずだ。なぜなら、言うまでもなく、誰が見ても望ましいものではないからだ。もしアップルのエンジニアが、ノッチをなくす方法を見つけていたなら、とっくにそうしていたはず。しかし、まだ見つけていないからそうなっているわけで、エンジニアたちも失望を感じているに違いない。アップルは、そうすることが可能な限り、ノッチをカモフラージュする特別な壁紙で、その存在を隠そうとしている。それはまるで、「そう、これを見たくないのは僕らも同じさ」と言っているようなものだ。

ちょっとの間だけ、忘れていられることもある。しかし頭の中では、その存在が消えない。みんなそう感じている

これは、目触りで不細工な妥協の産物の代表的なもの。誰も頼んでいない機能を実現するために、そうせざるを得なくなってしまった。ユーザーは、自分がそれを気に入っているかどうかさえ、よく分からなくなってしまっている。ノッチは不愉快なものだが、それを見るたびに、デザイナーも悲嘆に暮れているのだと思うしかない。公平を期すために付け加えれば、そうしたことは実際かなり頻繁に起こり得る。私には、昔からのデザイナーの知り合いも多いが、私と同様、彼らは非常に神経質だ。

私は、画面の角が丸いのもあまり好きではないが、それにもいくつかの理由がある。ただ、将来的にはそんなことは気にならなくなると思えるので、それはまあいいとしよう。「宇宙空母ギャラクティカ」に出てくる紙の隅は、みんな切り取られていたのを覚えているだろうか。そういう世界も、そのうちやってくるだろう。

一方、画面をデバイスの端ギリギリまで拡げること自体は、それほど不細工なものではない。しかし、それも精神的には不細工なこと。今や、スマホの前面全体がインターフェイスになっている。もしこれが、ただ画面に表示されるものを見ているだけで、何か操作しようとしているのではないことを分かってくれるなら問題ない。画面の端や角の部分には、それぞれ割り当てられたジェスチャーがあったりするので、それらが起動しないように注意する必要がある。それがうるさいので、PopSocketsのように、スマホの後ろから突き出るグリップを発明してしまった人もいる。それを使えば、画面の端には触れずに持つこともできる。とはいえ、同じような形のものでも、スマホ以外のものを持つように、普通に持てるなら、そのようなアタッチメントはそもそも必要ないのだ。

背面も不細工になった。このカメラの出っ張りは何だ。出っ張りというのは、ちょっと表現が違う。iPhoneのデザインチームは、海事歴史博物館でも見学して、深海ダイビング用ヘルメットを見つけ、これだ、と思い当たり、さっそくそのデザインを採用することにしたのか。船の舷窓のようでもある。スマホを4000尋(ファゾム)=約7.3kmの深海まで潜航できそうに見せかけるものなのか。そのようなヘルメットは、大きくて、傷だらけの丈夫な真鍮製であれば、本当にクールだ。しかし、薄っぺらで壊れやすい電子部品には似合わない。そこには、大きくて厚みのある四角の枠の中に、一見不規則に配置された円が、全部で5つもある。背面の他の部分はのっぺりとしているので、そこだけが嫌でも目立ってしまう。

iPhone SEの背面は、前面を裏写ししたようなデザインだ。上端と下端には「ベゼル」もある。上の私の私物のSEの写真を見てもわかるように、上部の黒いベゼルのおかげで、カメラの存在がほぼ完全に隠れてしまう。ただ、残念なことに、フラッシュユニットだけはちょっと目立っている。このような構造によって、SE全体が切り欠きなどのないソリッドな物体に見える。これで写真が撮れるのが不思議に感じられるくらいだ。カメラのレンズ部分も、背面の表面と完全に同じ高さで、疑似ベゼル部分の色の違いはあるものの、全体が一体の平面のように見える。

iPhone 11 Proの背面は、ほぼ全域が平野だが、カメラアセンブリの部分は、ちょっと高い台地になっている。そしてその上には、3つの独立したカメラの低い火山があり、さらにそれぞれの中にレンズのカルデラがある。そして台地の端のほうは、くぼんだマイクの井戸もある。これだけでも、ざっと5種類の高さの異なる面がある。それにより、十数通りの高低差や尾根が生まれる。もちろん、それぞれの標高は、さほど高いものではないが、存在することには違いない。

これがもし、カメラ専用機や、それに類するデバイスなら、出っ張りやくぼみは、設計上不可欠のものとなる。それによって持ちやすくしたり、見ないでも操作できるようにするためだ。しかし、それとこれとは話が違う。iPhoneは滑らかで美しく、手触りも優れていなければならない。このハワイの地形図のような背面は何なんだ。火山の間の汚れを拭き取るのは楽しいだろうか。持ち換えようとして、レンズの縁をテーブルにぶつけてしまうことはないだろうか。

そのうえ、不細工だ。

iPhoneの側面は、前面と背面ほど悪くはないが、SEの時代と比べると、多くを失ってしまった。シンプルな+/−ボタンの形状、適度なグリップを生む、シャープに面取りされたエッジ、側面を左右2本の直線部分と上下2本の弓状の部分に大胆に分割する黒いベルト。これらはすべて金属製なので、何度落としても、SEは驚くほど壊れないし、むしろクールさが増す。

新しいiPhoneの側面は、安物のミニカーのバンパーのような感じに見える。あるいは、ジェリービーンズを細長く引き伸ばしたような質感だ。スイッチ部分は、そこにさらに小さいジェリービーンズが貼り付いているようで、気持ち悪い。

iPhoneについては、これくらいで十分だろう。アップルは、ずっと昔に、良いデザインとは何かを忘れてしまった。そして最新の製品は、あまりに不細工になってしまったので、こうして声を上げずにはいられなかったのだ。

サムスンの製品にも、アップルと同じような問題が多い。最近では、「エッジ・ツー・エッジ」のディスプレイが主流で、みんなこぞって採用している。もちろんGalaxy S10も例外ではない。しかし、文字どおり端から端まではディスプレイになっていない。上端と下端には、細めのベゼルがある。下端部のベゼルのほうが少し幅が広い。こんな指摘をすれば、私がいかに神経質かを公言するようなものだが、そういうものを見るとイライラせずにはいられない。もしそれが、HTCの古いモデルにあった「アゴ」のようにもっとずっと幅広いものなら、わざとそういうデザインにしているのだろうとも思える。しかし、ほんのちょっとだけ幅が広いというのは何なんだ。単に、ベゼルの幅を小さくすることができなかったというだけだろう。

ディスプレイが、側面に回り込んでいるというのも、製品写真としては見栄えがするのかもしれないが、実際に使ってみていいと思ったことは一度もない。それに何の意味があるというのか。真正面から見る場合以外、なんとなく歪んで見えるし、端に表示されているものを常に見逃しているような感じが拭えない。

さらに酷いのは、上下にはベゼル、左右にはカーブがあるだけでは飽き足らず、正面にもパンチホールが空けられていること。まったく何なんだ!

ここでノッチについて考えてみよう。スマホのデザイナーとして、前面に比較的大きな領域を確保しなければならないとしよう。その際、画面のどの部分には手を付けずに残すかを考えるだろう。アップルの場合、画面上部の左右を残すことにした。少なくともステータス情報を表示するにはぴったり、というわけだ。フロントカメラやFace IDのセンサーの回りに、多少のスペースは残るかもしれないが、そこに細い表示領域を確保してみたところで、何ができるのか。もちろん何もできない。うっとうしいだけだ。そもそも、画面上端の真ん中に表示すべきものなど何もない。それなら、その部分をそのまま切り取って、まとめてノッチにしてしまえということになる。

それに対してサムスンは、カメラを画面の右上に配置することにして、その周りに、ほとんど意味のないリング状の画面を残した。そこには何を表示すればいいのか。何か意味のあるものを表示するには小さすぎるし、無視するには大きすぎる。特にフルスクリーンのコンテンツを鑑賞するような場合には気になる。もし彼らの目標が、ノッチよりも小さく、さらに目障りなものを作ることだったとすれば、その任務は見事に達成された。パンチホールは、S10シリーズではどれも不細工だが、6.7インチのS10 5Gファブレットの幅の広いノッチホールのコンボは、中でも最も不細工だ。

アイスホッケー場のプレスボックスの窓のように、すべてのリアカメラを横長の窓の中に配置するというのは、大胆なデザインだ。3つの巨大なレンズ、フラッシュ、その他を隠すためにできることは限られている。せいぜい、それらをまとめて背面上部の真ん中に配置し、背景を黒で塗りつぶして、2009年から持ってきたようなクロームで縁取りするくらいしかできない。空港の監視カメラのような感じだ。少なくとも、その下に配置された「SAMSUNG」という大きなロゴと、サイズ的には合っている。なかなか大胆だが、やっぱり不細工だ。

GoogleのPixel 4は、それほど悪くはないが、やはりそれなりに不細工だ。これにあまり時間を割く必要はないだろう。ハロウィーン用のカボチャのオレンジを除けば、どれも似たりよったりだからだ。私は、オレンジ色はだいたい好きだが、これについてはよくわからない。ブラックフライデーの前の週に、Target(ターゲット)のクリアランスセールのワゴンの中に、格安SIM付きで、2つで99ドルで並んでいそうな感じだ。個人的には、この色も悪くないと思うが、子供がアイスキャンディーと間違えて、スマホに噛み付かないかと心配になる。

上下で不均衡なベゼルは、サムスンのものより幅の違いが大きいが、少なくとも意図的なものであることはわかる。Googleは、自分たちのスマホが本当に頭がいいことを暗に示したかったので、額の部分を広くしたのかも。

私に言わせれば、巨大で不細工なカメラアセンブリの中では、まだPixelはマシなほうだと思う。死ぬほど向こうずねを蹴られるのに比べれば、まだ顔を平手で叩かれるほうがまだマシというようなもの。それに、ダイヤモンド型の配置も気が利いている。正方形っぽい基盤を前提として、Googleのチームの誰かが、カメラモジュール全体を45度回転させるという、なかなか型破りなアイデアを思い付いたことには敬意を表する。技術的に見れば、それによって無駄なスペースが多くなるが、角の丸い大きな正方形の4隅に沿って4つの円を配置するよりは、見栄えもいいというものだ。

もちろん、ずっと大きな角の丸い正方形の中に、3つの円が三角形に並び、その余ったところに2つの円を置いてみただけのようなものより、はるかにいい。やっぱりiPhoneは不細工だ!

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(翻訳:Fumihiko Shibata)