Facebook新製品実験チームの最初のアプリは学生のおしゃべりと音楽用

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今年の7月、Facebook(フェイスブック)はNPE(新製品実験)チームと称される、一般消費者向けの実験的なアプリを開発する新部門の創設を発表した。新しいアイデアや機能を試して、人々がどう反応するかを見極めることが目的だ。

創設間もなく、Vine(バイン)のジェネラル・マネージャーであったJason Toff(ジェイソン・トーフ)氏をプロダクト・マネージャーとして同チームに招き入れた。そして今、このNPEチームから誕生した最初のアプリが静かにローンチされた。ひとつはBump(バンプ)。見た目ではなく会話を通じて新しい友だち作りを支援するおしゃべりアプリだ。もうひとつは、ソーシャル音楽アプリAux(エイユーエックス)だ。

Auxは、2013年にサービスを終了したスタートアップであるTurntable.fmのウェブサイトを少しだけ思い出させる。Turntable.fmと同じように、Auxのアイデアも、アルゴリズムではなく人が音楽をプログラムする仮想DJ体験が楽しめるというものだ。クラウドソーシングによるDJごっこというコンセプトは、この数年間、モバイルアプリを使ってリスナーにプレイリストを決めさせるラジオ番組に引き継がれていた。

その後、Sporify(スポティファイ)などのストリーミング音楽アプリがパーティー用プレイリストなどの実験を行い、いくつものスタートアップによって、ゲストがプレイリストを決められる独自のアプリが世に送り出された。

NPEチームのAuxは、みんなでプレイリストを作るという一般的なアイデアを、やや違うかたちで取り入れている。このアプリは、毎晩午後9時にアプリ内で開かれるパーティーに集まる学生やティーンエイジャーを対象にしている。参加者は、自分が好き曲を選び、それが最初にかけられるよう“AUX端子”を競い合う。パーティーの最後に、拍手の多さによって勝者が選ばれる。

アプリの解説にも書かれているが、Auxは「あなたの学校のDJ」と銘打たれている。このタイトルは、学校の放送設備から音楽が流されるような印象を与えるが、実際は、学校に通う子どもたちが夜に楽しむソーシャルアプリだ。

Auxは、2019年8月8日にカナダでローンチされた。Sensor Towerのデータによれば、iOSでダウンロードされた回数は500回以下だ。Android版はない。10月22日には、カナダのApp Storeですべての音楽アプリの中で短期間だけ38位にランクされた。ダウンロード数を増やすための、なんらかのキャンペーンが行われたことを示唆している。

もうひとつのNPEチームのアプリはBumpだ。これは、「新しい友だちを作る」ことを目的としている。基本的には匿名のチャットアプリなのだが、テキストで応答することで打ち解け合い、つながりを持つというアイデアに基づいている。Bumpには画像も動画もリンクもない。おしゃべりだけだ。

App Storeのスクリーンショットから察するに、このアプリは大学生をターゲットにしているようだ。スクリーンショットでは、大学のキャンパスでthe coolest place(最高の場所)や安く食事ができるところを尋ねる質問が見られる。さらにこのサンプルの写真からは、クラスやルームメイトとのトラブルに関する話も見受けられる。

Bumpは、人と人のつながりを「外見ではなく会話で」構築するものだと強調していることから、出会い系の要素も盛り込まれる可能性もある。そうすることで、最高の写真で目を惹こうとするユーザーに人気が集まる他のソーシャルアプリ(そしてもちろん出会い系アプリ)と、少しだけ肩を並べることができる。

Bumpの会話はリアルタイムで行われる。一度にひとつの会話にしかメッセージが送れない。また、返事をするまでに30秒の制限時間がある。そうすることで、会話を活性化させる狙いだ。会話を終わらせるときに、今の相手との関係を続けたいかをアプリに尋ねられる。双方がイエスと答えた場合に限り、また同じ相手との会話が楽しめる。

BumpにはiOS版Android版があり、現在はカナダとフィリピンでサービスが提供されている。Sensor Towerによれば、Bumpは、2019年9月1日、カナダのApp Storeにてソーシャルネットワーク部門の第252位までランクアップしたが、現在はランク外となっている。

面白いことに、NPEチームのこれらのアプリのうち、Bumpだけが、NPEチームはFacebookの一部門であることを解説で明かしている。もうひとつのAuxは、それには触れていない。だがどちらも、詳しく知りたい人のために、Facebook.comに掲載されているアプリのプライバシーポリシーへのリンクがある。

これは、グーグルの社内アプリインキュベーターArea 120の場合とそう変わりがない。そのアプリには、グーグルの子会社が制作したことを明らかにしていないものがあるが、どれもグーグルのプライバシー・ポリシーへのリンクがある。どちらの企業も、そららのアプリが、親会社の知名度によってではなく、各々の実力でもって成功するか失敗するかを見極めようとしているのだろう。

Facebookは、NPEチームの将来については、コミュニティーを構築するための新い方法を探るということ、そして必要がなくなればすぐに解散するということ以外、多くを語っていない。

Facebookは、この2つのアプリの存在について、The Informationで認めている。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)