Harlem Capital

ダイバーシティ重視のVCファンド「Harlem Capital」がファンド規模約44億円でデビュー

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Harlem Capital(ハーレムキャピタル)は、エンジェルシンジケート(エンジェル投資家とスタートアップをつなぐ資金調達プラットフォーム)から本格的なベンチャーキャピタル(VC)ファンドにアップグレードし、初めての資金調達を応募超過の4030万ドル(約44億円)でクローズした。

2015年にニューヨークのハーレム地区でマネージングパートナーのHenri Pierre-Jacques(アンリ・ピエールジャック)氏とJarrid Tingle(ジャリッド・ティングル)氏が設立した。2人はその後、ハーバードビジネススクールを卒業し、Brandon Bryant(ブランドン・ブライアント)氏とJohn Henry(ジョン・ヘンリー)氏の2人をベンチャーパートナーに迎え、アソシエイトも2人雇い 、ポートフォリオ拡大に向け陣容を整えた。ダイバーシティを念頭に今後20年間で1000人の創業者に投資するという長期的な目標を掲げる。

「我々はインパクトファンド(社会的事業に投資するファンド)ではなく、インパクトを与えるベンチャーファンドだと思っている」とピエールジャック氏はTechCrunchに語った。「インパクトを生み出す方法は、女性とマイノリティの起業家にオーナーシップを持ってもうらうことだ」と続ける。

Harlem Capital Partners Venture Fundは、業界を問わずすでに売り上げを計上している米国企業に投資するビークル。想定する投資は、1件25万〜100万ドル(約2700万円〜1億900万円)のシードやシリーズAのリードまたは共同リード、あるいはラウンドへの単なる参加だ。これまでに、B2B女性用衛生製品のAunt Flow、ギグエコノミーマーケットプレイスのJobble、ペットウェルネスプラットフォームのWagmoなど14社を支援してきた。同ファンドからさらに22の事業に投資する予定だ。

Harlem Capitalは最初のファンドの資金調達を終え、ダイバーシティを使命とする最大のVCファンドの1つとなった。VC業界の男女間、人種間格差を露呈するばつの悪いデータが次々に明らかになっているにもかかわらず、マイノリティ出身の創業者らが調達できる資金は相変わらずごくわずかだ。

今年初めに発表されたRateMyInvestor and Diversity VCのレポートによると、ほとんどのVCマネーは大学の学位を持つ白人男性経営の会社に投資されている。最近の別のデータによると、創業者が女性のみのスタートアップが2018年に調達した金額は、VCからの調達総額のわずか2.2%で、2019年にはわずかに増加するペースだった。2018年に黒人女性創業者が調達した金額の中央値に至ってはゼロだった。

女性起業家と男性起業家、または白人女性と黒人女性創業者の間の資金調達に関する際立った対照は、VCファンドのゼネラルパートナー(GP)とVCファンドに資本を拠出するリミテッドパートナー(LP)にまん延するダイバーシティの欠如を示している。LPのダイバーシティに関する利用可能なデータはほとんどないが、2018年時点でVC企業の81%は資金を拠出する黒人投資家が1人もいなかった。

「この問題を正当化する理由はない」とティングル氏はTechCrunchに語った。「一般的にVCファンドは互いに地理的に密接し、シリコンバレー周辺に集まっているため、そうなりがちだ。VCファンド関係者は、特定のネットワークを持つ特定の学校出身の限られた人数で構成されており、頻繁に入れ替わることはない。一部のファンドは、戦略的に何人かのパートナーを異なる地域から採用したが、組織を変えるまでには至っていない。VC業界に均衡をもたらすには、我々のようなダイバーシティファンドが必要だ」。

「多くの投資家が単に機会を逃している」とティングル氏は付け加えた。新世代のリーダー人材を見出す非営利組織「明日の経営リーダーシッププログラム」で出会ったティングル氏とピエールジャック氏は、Harlem Capitalにインターンシッププログラムを設けた。毎四半期に最大6人のインターンを受け入れ、将来の有色人種投資家を育てることが目標だ。

Harlem Capital Partners Fund IのLPには、TPG Global、State of Michigan Retirement Systems、Consumer Technology Association、Dorm Room Fundなどが名を連ねている。

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(翻訳:Mizoguchi)