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Delphiaはユーザー全体の振る舞いに関するデータを投資資本に変える

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多くの企業が個人データの価値について語り、データを誰かに共有するなら管理は当社に任せてほしいと言う。トロントに拠点を置くDelphia(デルフィア)は、個人データを真の金銭的利益に変える方法の開発を目指す。開発しているのは、実効性があり持続的な成長が可能な手法だ。Delphiaは、ソーシャルグラフ(ウェブ上の人間関係やその情報)に値札をつけるのではなく、人を集めて資源として蓄え、集団の振る舞いから真の経済力を引き出したいと考えている。

「データから価値を効果的に生み出す仕組みを作るには、データをまとめ、集合体として機能させなければならない」と、DelphiaのCEOであるAndrew Peek(アンドリュー・ピーク)氏がインタビューで答えた。

ピーク氏によると、一般的には広告主にとっての価値という観点から個々のデータに焦点が当てられることが多く、それぞれの個人データの価値は非常に低い。 Delphiaは対照的に資本市場に目を向けており、機能し続ける仕組みを複製・改善したいと考えている。ヘッジファンドなどの大規模機関投資家は、ユーザーのデータに基づいた機械学習アルゴリズムを常に使っているが、ユーザー自身は報酬や提供するデータいずれの点からも、機関投資家の投資プロセスに積極的に関わっているわけではない。

Delphiaはアプリを開発してこの状況を変えたいと思っている。ユーザーがデータを駆使した投資に積極的に関わり、他のユーザーとも協力できるアプリだ。ユーザーはもっと情報を提供することで、ヘッジファンドにもできないことができるようになる。従来、個人投資家はオンラインで得た売買のシグナルに基づき受動的に投資の判断をしていたが、新しいアプリによって、投資判断で優位に立てる。

「当社からユーザーに毎日いくつか質問を送る。だいたいはユーザーが今何をしているかに関するものだ」とピーク氏は言う。「Appleが新しいAirPodsを発表する。NikeがColin Kaepernick(コリン・カペルニック)の広告を出す。毎日何かが起こっている。ここに当社が関与する。当社はユーザーを知るための質問をいくつか投げ、ユーザーは回答するとポイントが付与される。他のサービスのアカウントに接続して付与されるポイントもある。Twitterのプロフィール、Venmoのアカウント、携帯電話の位置情報履歴、Amazonの購入履歴、YouTube、Redditなどだ」。

集めたデータに基づいて、Delphiaはユーザー全員に代わって、株式市場で戦略的に銘柄選択を行う。手数料を徴収するが、データを投資(提供)するユーザーには半分を再分配する。ピーク氏によると、この仕組みによりユーザーは資金なしでも参加できる。もちろん従来の投資手段と同様に、資金を預けることもできる。Delphiaは当面リテール(個人投資家向け)のみを取り扱う。機関投資家向けの商品は複雑な問題を伴うため、規制当局と協議中だ。今のところリテール投資環境で運用されるということは、あらゆるユーザーが特別な要件なしで参加できることを意味する。

前述のように、Delphiaの仕組みがデータサイエンティストの設計通りに機能するには、プラットフォームに一定数のユーザーが必要だ。正式にアプリの運用を開始する前に、10万人の事前登録ユーザーのクリティカルマスを達成すべく、サインアップページで12月3日に募集を開始した。同社は下にあるような計算機も開発し、従来のリテールの投資アドバイザーやロボアドバイザーと比較して、同社の仕組みが登録ユーザー数に応じてどう機能するかを表示している。


Delphiaの仕組みは間違いなく野心的であり、ピーク氏が全面的に認めているように、ユーザーにしっかりと信頼してもらう必要がある。同社の仕組みはユーザーの信頼を獲得し続ける限り機能し、ユーザーがこの仕組みの優位性を維持するためには参加し続ける必要がある点が新しい。これは断っておく価値があると思うが、データの生成と共有に関して魔神をランプに戻す現実的な方法はないように思われるものの、Delphiaのビジョンは、情報管理の概念をまた取り入れたのみならず、 従来株式市場への投資から締め出されてきた人々に真の経済力を生み出す機会を提供したことは確かだ。

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(翻訳:Mizoguchi)