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イーロン・マスクが英国人ダイバーへの暴言に法的責任はないと裁定

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米国時間12月7日、ロサンゼルス連邦裁判所は3日間の裁判を終え、Elon Musk(イーロン・マスク)氏に名誉毀損の法的責任はないと評決を下した。マスク氏はロサンゼルス近郊に住宅6戸を所有していると言われており、SpaceXとTeslaの両社をここで経営している。

英国のダイバーであるVernon Unsworth(ヴァーノン・ウンズワース)氏は、2018年にマスク氏が同氏について、小児愛好者を意味する「ペド野郎」とツイートしたことに対して裁判を起こした。何がおきたのか?2018年7月にタイの洞窟で洪水に取り残された少年サッカーチームを救うために、マスク氏と社員がミニ潜水艦/脱出カプセルを作った後、マスク氏と面識のないダイバーで洞窟に関して特に知識を有するウンズワース氏が、CNNのインタビューでマスク氏の行動について聞かれ「売名行為だ」と発言した。

ウンズワース氏は記者に対して、マスク氏は「その潜水艦を自分の痛い部分に差し込むといい」と話した。その直後にマスク氏は「ツイート」ボタンを押し、今や悪名高いあの侮辱的言動を発信した。
マスク氏が自らの行動に輪をかけるように、2018年にBuzzFeed宛てのメールでウンズワース氏を「小児強姦魔」と評したことで、ウンズワース氏は裁判を起こした。同氏は今週法廷で、マスク氏に「小児愛好者の烙印を押されて」以来、「傷つけられ、英国にいても孤独を感じる」と訴えた。

ウンズワース氏はダイバーであると共に英国とタイの両国で金融コンサルタントとして活動しており、この裁判で実際の損害に加えて想定および懲罰賠償金としてマスク氏に1.9億ドル(200億円)を要求していた。実際、原告側は今週の裁判中にマスク氏の純資産をTeslaとSpaceXの持ち株から約200億ドル(約2兆1700億円)と推計し、要求している額はマスク氏にとって雀の涙ほどであることを指摘した。

裁判中マスク氏は自身の「ベド野郎」(Pedo Guy)ツイートについて謝罪を繰り返し、本当は「気味の悪いじいさん」と言いたかったのだと語った。マスク氏の弁護人はマスク氏の短気を擁護し、ある時ウンズワース氏に向かって「あなたはマスク氏がこの潜水艦を子供たちの命のことを考えずに送るほど冷徹な人間だと本当に思いますか?これが単なる売名行為だったと言ったことをマスク氏に謝罪する気持ちはありますか?」と話した。ウンズワース氏はこれを拒絶し、彼の侮辱は「潜水艦に対してでありマスク氏個人ではない」と語った。

最終的に法廷は、マスク氏の爆発は事実の表明ではなかったと結論を下した。CNBCは別の記事で、この裁定はツイートに対する一般個人による初めての訴訟であり「オンラインでの誹謗中傷に関する先例」となる可能性があると報じた。これがマスク氏をつけ上がらせるかどうかは別の問題だ。マスク氏は熱烈なTwitterユーザーであり、自身のツイートで窮地に陥ったのはこれが初めてではない。

昨年の証券取引委員会(SEC)とのツイートに関わる戦いで、マスク氏は2000万ドル(約21億7100万円)とTeslaの会長職を最低3年間を失うことになった。

当時の示談の一環としてマスク氏は、Tesla投資家にとって「重要な」情報を含むソーシャルメディア投稿を発信する前に、事前承諾をとることを規定する条件にも同意した。そして今年4月に両者は条件を改定し、マスク氏が外部の承認を得ることなくツイートしてはならない内容の範囲を狭めた。

ウンズワース氏は裁判中には泣かないよう努めたと報じられており、「事実上、執行猶予のない終身刑を言い渡されたようなもの」だと語った。「非常につらい。屈辱的で恥ずかしく汚された思いだ」。同氏は地図を作成し、最終的に英国のダイバーチームが少年サッカーチームを救出するのに役立った。同氏の栄誉はタイ政府および186名の人々から讃えられた。イーロン・マスク氏もその1人だった。

【訂正】当初の記事でウンズワース氏が救出チームの一員であったと報じたが、これは別の誤報に基づいたものだった。ワシントンポスト紙によると、実際には同氏の作った地図がダイバーチームを洞窟の奥4 kmの少年たちが取り残された場所に導いた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook