NFLとAWSが機械学習の活用で頭部のケガを減らす取り組みを開始

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米国ラスベガスで開催されたAWS re:Inventで、NFLのRoger Goodell(ロジャー・グッデル)コミッショナーはAWSのAndy Jassy(アンディ・ジャシー)CEOとともに登壇し、今後両者は機械学習を活用して頭部のケガの減少に取り組むことで協力していくと発表した。

画像:Ron Miller/TechCrunch

ジャシー氏はこの発表について「新たな戦略的パートナーシップを発表でき、たいへん嬉しく思う。このパートナーシップは、クラウドコンピューティング、機械学習、データサイエンスを組み合わせて、選手の健康と安全に寄与するものだ」と述べた。

NFLフットボールは大柄な選手たちがプレイする、スピードがあり危険なスポーツだ。ケガは日常茶飯事だが、NFLは特に大きな問題である頭部のケガを減らしたいと考えている。2017年の研究で、死亡した111人のNFLプレイヤー経験者のうち110人は慢性外傷性脳症(CTE)と診断されていたことがわかっている。

NFLにはプレイヤーに関する膨大なデータがあり、機械学習を行いやすい。数十年分のプレイを収めたビデオもあり、頭部を守るヘルメットの設計に役立つ有意義なシミュレーションができるだろう。また、アメフトにつきものである脳しんとうのリスクを減らせるようにルールの変更も進められる。

グッデル氏は、NFLにはデータは十分にあるがそれを生かす専門知識が不足していると認めている。そこでこのパートナーシップの出番だ。同氏は「パートナーとNFLとでゲームを変えていくような関係を結べることはほとんどない。このパートナーシップにとても期待している」と語る。

NFLの健康・安全イノベーション担当エグゼクティブVPのJeff Miller(ジェフ・ミラー)氏は、NFLはここ数年、試合中の頭部のケガを減らすさまざまな取り組みをしており、このパートナーシップはそのひとつだと語る。ミラー氏は今回の発表に関して「およそ3年半前、NFLは『エンジニアリング・ロードマップ』というプロジェクトを始めた。これはオーナーたちから数十億ドルの支援を受けて、フィールドで起こる脳しんとうの影響を研究し、頭部のケガを減らしたり、ヘルメット業界を進化させたりする取り組みだ」と述べた。

NFLエンジニアリング委員会のJeff Crandall(ジェフ・クランドル)委員長は、この取り組みには3つの柱があると述べている。1つ目は、フィールドで何が起きるのか、とりわけ誰がなぜケガをするかを把握すること。2つ目はそのデータをヘルメット業界と共有して、より安全性の高いヘルメットを作ること。そして3つ目はヘルメット業界に安全性の高いヘルメットを作るよう奨励することで、そのためにNFLは300万ドル(約3億2600万円)のヘルメットチャレンジ賞金を設けた。

AWSは、機械学習のツールセットとNFLが持つデータを連携させることで協力していく。AWSのAI担当バイスプレジデントであるMatt Wood(マット・ウッド)氏は、データがそろっていることは大きなアドバンテージであり、これらをデータレイクに入れAWS SageMakerのツールセットを使うことで、NFLが持つデータが理解でき、安全策を生み出せると語る。

頭部のケガがどのように発生するのか、激しい競技で可能な限りケガを防ぐにはどうすればいいのかを知ることに加えて、すべてのケガを減らせる安全性の高い器具をデザインし、ルールを変えるのが狙いだ。データを活用し機械学習のツールと組み合わせることで、こうした狙いを実現できるかもしれない。

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(翻訳:Kaori Koyama)