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スマート家電メーカーは見聞きした情報を政府に開示するのか?

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1年前、TechCrunchは名の通ったスマートホーム機器のメーカーに対して、ユーザーの個人データを政府に提供するか否かを質問した。その結果はさまざまだった。Amazon(アマゾン)、Facebook(フェイスブック)、Google/Nest(グーグル/ネスト)のビッグ3はみな、政府がユーザーの個人データを求めてきたときの対処法を透明性報告書で公表した。Apple(アップル)は収集したデータは匿名化されるので報告書は必要ないと話していた。残りのメーカーは、政府からの個人データ提出の要求への対応を公表しなかった。

あれから1年が経過し、スマートホーム市場は急成長したが、その残りのメーカーの対応に関する情報公開は、ほとんど、あるいはまったく進展していない。中には以前より悪くなったケースもある。スマートホーム機器に限らず、インターネットに接続できる機器は便利で、どこでも売られているが、それらは私たち自身や私たちの家庭の情報を大量に収集している。スマートロックは、いつ人が家に入ったかを知っている。

スマートドアホンは訪問者の顔をキャプチャーする。スマートTVは、どんなテレビ番組を見たかを知っている。一部のスマートスピーカーは、私たちが何に興味を持っているかを知っている。使われていない間は、スマートホーム機器の多くはデータを集め、メーカーに転送している(なかには、無線ネットワークの情報のような、こちらが思いも寄らない要素のデータ点を収集するものもある)。製品や私たちの家をよりスマートにするためというのが表向きの理由だ。

そのデータはメーカーによってクラウドに保存されるため、警察や政府の役人が犯罪捜査のためにそのデータを提供せよと要求できる。しかし、収集したデータの量が膨大になると、企業の、データの提出要求に関する透明性が低下する。私たちに届くのは事例報告だけだが、その数は非常に多い。警察はAmazon Echoのデータを入手して殺人事件を解決。Fitbitがデータを提出したことにより男を殺人罪で起訴。Samsung(サムスン)は児童虐待画像を見ていた性犯罪者の逮捕に協力。Nestは監視映像を提出してギャングのメンバーの逮捕に協力。そしてAmazon傘下のRingの最近の事例報告では、スマートホーム機器メーカーと警察との密接な関係が露わになった。

各メーカーの回答は次のとおりだ。スマートロックとスマートドアホンのメーカーであるAugustは、去年とまったく同じ声明を返してきた。「現在は透明性報告書を作成していませんが、外国諜報活動偵察法(FISA)に基づくユーザーコンテンツまたは非コンテンツの提供を求める国家安全保障書簡(訳注:FBIからの令状を必要としない情報提供命令書)も命令も受け取たことがありません」というものだ。しかし、Augustの広報担当者Stephanie Ng(ステファニー・エン)氏は、裁判所の召喚状、捜査令状、裁判所命令などの国家安全保障関係以外の要求を同社がどれほど受け取ったかは明らかにしていない。法的な要求があった場合には「あらゆる法律」に準拠するとだけ話している。

ロボット掃除機のRoomba(ルンバ)のメーカーであるiRobotは、去年と同じく、政府からのデータ提出要求は「受け取っていない」と答えた。「現在iRobotでは、透明性報告書を発表する予定はない」が「政府から顧客データの提出を要求された場合」には報告書の公表を検討するとのことだ。

Netgearのスマートホーム部門から2018年に独立したArloは、コメントの求めに応じなかった。今でもスマートホーム技術を所有しているNetgearは「透明性報告書の一般公開はしない」と話している。

Amazonの子会社であるRingは、警察との協力関係が国会議員たちの怒りを買い、ユーザーのプライバシーを守る能力に疑問を持たれているが、去年、時期は明言しないものの、将来的に透明性報告書を公開するつもりだと話していた。今年、Ringの広報担当者Yassi Shahmiri(ヤッシ・シャミリ)氏はコメントを出さず、その後繰り返し送った電子メールへの返信も止まってしまった。

Honeywellの広報担当者Megan McGovern(ミーガン・マクガバン)氏はコメントせず、元Honeywellのスマートホーム部門で1年前に独立したResideoに私たちの質問を投げたが、ResideoのBruce Anderson(ブルース・アンダーソン)氏もコメントしなかった。

また、スマートホーム機器やインターネットに接続できるテレビや家電のメーカーであるサムスンも、昨年とまったく変わらず、コメントの依頼に応答しなかった。

全体として、これらの企業の反応はほぼ去年どおりの回答だった。さらに昨年、「2018年末」の透明化報告書の公開を約束していたスマートスイッチとセンサーのメーカーのEcobeeは、約束を果たさないままだ。理由を尋ね再三コメントを求めたが、Ecobeeの広報担当者Kristen Johnson(クリステン・ジョンソン)氏は応答しなかった。

入手可能な範囲で最も信頼できる情報から判断するに、August、iRobot、Ringそしてその他のスマートホーム機器メーカーは、貴重な個人データが政府に差し出される可能性を秘めたまま、全世界に数億人のユーザーや顧客を擁しているが、ユーザーも顧客も、それに関して一切説明を受けていない。

透明性報告書は完全ではないかも知れない。透明度が他より低いものもある。しかし、メディアで叩かれたり、監視国家への協力を要求された後であっても、大企業がその情報を開示したなら、小さな企業も言い逃れができなくなる。

今年は、ライバルよりもややマシな企業がいくつかあった。しかし、プライバシーに関心の高い人間なら(誰もが高くあるべきなのだが)これでは満足できない。

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(翻訳:金井哲夫)