アップルがiPhoneの常時接続化に向けて通信衛星の技術を開発中か

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Bloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、Apple(アップル)は、数名の航空宇宙技術者を雇用してチームを作り、衛星やアンテナの設計者らとともに人工衛星技術の開発を行っている。それは、廃棄される可能性もある初期的段階の秘密プロジェクトだが、チームの目的はデータをiPhoneなどのユーザーに直接送受する通信衛星の技術開発であり、アップルのデバイスをサードパーティのネットワークを必要とせずにインターネットに接続することを目的にしている。

さらにブルームバーグによると、必ずしもアップルは人工衛星そのものを内製しようとしているのではない。むしろ、開発しているのは送信機や地上局が軌道上の通信装置へのデータ送信に用いる機器装置類のようだ。それによりアップルからのデータがアップルのデバイスへ直接送られるようになったり、デバイス同士の接続が携帯電話キャリアのデータネットワークを使わずに実現する。位置サービスもより正確になり、地図や案内情報が改善されるという。

アップルは航空宇宙および人工衛星の業界から技術者と役員を雇用したと言われている。その中にはかつてSkybox ImagingにいたMichael Trela(マイケル・トレラ)氏とJohn Fenwic(ジョン・フェンウィック)氏も含まれ、両人がチームを引っ張る。2人は以前Google(グーグル)の人工衛星と宇宙船部門を率いたことがある。新たな被雇用者の中には、Aerospace Corporation(エアロスペース・コーポレーション)の役員Ashley Moore Williams(アシュリー・ムーア・ウィリアムズ)氏や、ワイヤレスネットワーキングとCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の業界における重要人物がいる。

データネットワークを宇宙からデバイスへ直接提供するという考え方は、一見すると馬鹿げているようにも思える。データ通信衛星の多くは、情報をエンドポイントのデバイスにリレーする地上局との通信を要する。でもそれは初耳のコンセプトではない。例えば、今年、2019年に本誌が取り上げたUbiquitilink(現Lynk)は、電話機と直接通信する新しい種類の低地球軌道通信衛星コンステレーションを作ろうとしている。

Lynkの初期目標は、衛星通信ネットワークによる直接接続のほうがiPhoneが通常利用するキャリアサービスよりも優れていると主張している。同社はユーザーが利用している地上局ベースのネットワークよりも、圧倒的に速い接続が可能なグローバルローミングを提供したいと考えている。しかもそれは、ローカルなインフラに依存しない。また、予備機としても機能するので、メインのネットワークが落ちたときでも、テキストメッセージのやり取りや通話といったデータ集約的な使い方でなければ十分に使用できる。

アップルが現在行っていることには未知の要素が多すぎるが、それがiPhoneに事故や災害に強い常時接続の能力を持たせるものなら非常に興味深い。どんなときでもiMessageや音声通話やナビが使えて、何もない平常時にはキャリアのデータプランでストリーミングなどを楽しむというモバイルライフが想像される。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa