【中国ニュースまとめ】アリババ傘下のAnt Financialの新トップとテンセントの新アプリ

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こんにちは。TechCrunchによるまとめ中国ニュースにようこそ。これは中国の技術情勢を伝える最新情報と、それが世界中の人々にとって何を意味するのかをお知らせするダイジェストだ。今週は、Ant Financial(アント・フィナンシャル)の経営層の交代がAkibaba(アリババ)の金融施策に与える影響と、なぜTencent(テンセント()がアプリを大量に発表したのかを見ていくことにする。

古いボスの帰還

今週、アリババが33%の株式を握り、Jack Ma(ジャック・マー)氏が経営している、オンライン金融サービス会社のAnt Finantialは、Hu Xiaoming(フー・シャオミン)氏を新しい最高経営責任者として発表した。アリババで経営の交代は珍しくない。アリババ自身も競争環境の中で、新鮮で機敏な状態を保つために、数カ月ごとに幹部を交代させることを誇りにしている。最新の交代は、世界で最も評価額の高い未公開フィンテック企業であるAntが、今後数年間でどこに向かうのかを示す手掛かりを提供している。

フー氏はこの先、Antの国内決済および金融サービス部門の成長を牽引し、前任者で現在会長を務めるEric Jing(エリック・ジン)氏が新技術の海外展開と開発を管理することになる。中国のいくつかの大手銀行で働いた経験を持つフー氏は、2005年にアリババの新しい金融サービスを拡大するために同社に入社し、それ以来Ant Financialがマネタイズへの道を切り拓く手助けをしたことで有名だ。

2009年頃、フー氏はアリババの電子商取引プラットフォーム上で中小の販売店を対象としたマイクロローンサービス を開始するという大胆な施策を行った。これは、銀行との取引履歴がなかったために従来の金融機関から借り入れを行うことができなかった何百万もの業者たちにとっては有り難い施策だった。アリババは、取引履歴の代わりにオンラインセールスや顧客評価などのデジタル記録に基づいて信用力を評価した。現在、小規模ローンは、拡大を続けるAnt金融帝国の多数の提供物の1つに過ぎない。この帝国は、10億ユーザーを誇るAlipay支払いアプリや、世界最大のマネーマーケットファンド、そして信用格付けシステムSesame Creditなどの運用も行っている。

2014年、同氏はアリババのクラウドビジネスをリードするように任命され、やがてそれを同社の最も急成長しているセグメントの1つとして成長させ、アマゾンウェブサービスに対する真の競争相手とすることに成功した。フー氏は当時、アリババクラウドとは無縁ではなかった。フィンテックユニットの既存の(中国語)IT環境にクラウドコンピューティングの導入に すでに取り組んでいたからだ。実際、アリババクラウドの初期のアプリケーションのほとんどはアリババ社内で開発されていた、これは同社が、大規模なほとんどの国際ベンダーが提供できるものよりも、スケーラブルでカスタマイズ可能なITシステムを開発する緊急性を感じていたためだ。

フー氏の指揮の下、クラウド部門は、中国東部のアリババの故郷である杭州政府と、データ分析とクラウドコンピューティングソリューションを利用して交通渋滞を緩和する大規模な契約を結んだ。政府との契約は、コストのかかる最新技術を開発する企業にとって重要な手段だ。イノベーションが実際に実証されればすぐに、民間の需要もやがて上向くことになる。

アリババの金融関連会社Ant Financialの新CEOフー・シャオミン氏

新しいテクノロジーの商業化と州機関との協力の経験をもつフー氏の経験は、彼を重要な時期にAntの理想的なリーダーの地位に押し上げた。伝えられるところでは、北京政府が民間企業があまりにも大きな影響力を持つことを心配したために、昨年期待されていたAnt FinancialのIPO計画が延期されたという。規制当局と大手銀行からの懸念を和らげるために同社は最近、金融サービスそのものではなく、テクノロジーソリューションの販売により重点を置くようになった。

ソーシャルネットワーキングへの不安

テンセントは、2019年の初めから、少なくとも7つの新しいソーシャルネットワーキングアプリをリリースしている。大学生をターゲットにしている場合でも、ビデオベースのチャットを専門にしている場合でも、それぞれの狙いはわずかに異なっている。業界のオブザーバーたちは、テンセントのこの動きは、挑戦者たち、特にTikTok、中国では抖音(Douyin)で世界を席巻したByteDance(バイトダンス)と戦うために行ったものだ述べている。(TikTokの)短い動画は、テンセントのメッセンジャーWeChatと直接競合することはないが、確実に人びとのスクリーン時間をより多く消費している。また、ByteDanceが ビデオゲームメッセージングに参入することで、テンセントのコア市場に侵入しつつある兆候が現れている。

テンセントはまた、WeChatの成長の鈍化についても心配しているのかもしれない。この減速の一因は、アプリが既に膨大な利用者ベースに到達した(毎月10億人以上のユーザー)からであり、成長は必然的に落ち着いてきていたのだ。中国のPC時代を席巻した、テンセントのメッセンジャーであるQQの最盛期に始まった、モバイルインターネット革命のスタート時に、WeChatはテンセントへタイムリーな後押しを与えた。現在テンセントは、WeChatアプリを若返らせるための画期的な機能や、WeChatとQQの成功を再現する新しいソーシャルネットワークといった、新しい成長エンジンを必要としているようだ。

テンセントは、中国の他のすべての大手インターネット企業と同様に、ハイテク業界の変化する環境に対応するために、常に新製品をテストしていることに留意する必要がある。テンセントは社内で「競馬」と呼ばれている手段によって、各部門を競わせることで有名だ。WeChatもおよそ10年前にこの動きから生み出されたものだ。こうしたプロジェクトのほとんどは成功しないが、開発プロセスの大部分が標準化されているため、テンセントのような巨人にとっては、新しいアプリの作成コストは無視することが可能だ。必要なのは、WeChatのAllen Zhang(アレン・チャン)氏のような先見の明を持つ人が率いる、10人余りの従業員からなるスカンクワーク(革新技術開発)チームなのだ。

その他の注目情報

GPUで知られるチップメーカーのNvidia(エヌビディア)はすでに、自動運転の分野で約370の自動車メーカー、ティア1サプライヤー、開発者、そして研究者たちと協力している。今週、そのパートナー集団に中国最大の配車企業であるDidi Chuxingが加わった。両社は共同で、Didiのレベル4自動運転車(基本的な状況下で、人間の介入なしに動作することができる)用のGPUの開発に取り組むことを、声明で述べている。8月に自動運転部門を別の会社に分離したDidiは、先月の業界会議の中で、上海の路上で自動運転車のテストをもうすぐ開始する計画があると発表している。

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(翻訳:sako)