クラウドロボティクスプラットフォーム開発のRapyuta Roboticsは“物流ロボのサブスク化”を目指す

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Rapyuta開発の倉庫用の“協働型”ピッキングロボット

クラウドロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」を提供するRapyuta Robotics(ラピュタ・ロボティクス、以下Rapyuta)は2月17日、物流倉庫大手の日本GLPのグループ会社で配車支援サービス「配車プラス」提供のモノフル、ならびに産業用ロボットなどの製造を行う安川電機と資本業務提携を締結したことを発表した。リードインベスターはモノフル。また、Rapyuta Roboticsは同日、物流施設の自動化に向けた「RaaS(Robot as a Service)」提供のプラスオートメーションとのパートナーシップ構築についても併せて発表している。

Rapyutaはチューリッヒ工科大学からスピンオフした大学発ベンチャー。2014年7月設立の同社はEU出資の研究プロジェクト「RoboEarth」出身チームにより日本で創業された。

もともとはドローンのプラットフォームを開発していたが、市場が未成熟だったため、ピボット。現在の主軸は物流だ。Rapyutaの代表取締COO、クリシナムルティ・アルドチェルワン氏は、EC市場が急成長、物流の仕組みが複雑化、そして慢性的な人手不足から、「ロボットによるオートメーションのニーズが非常に高まってきている」と話す。「だが、現場のニーズにオートメーションの技術が追いついていないというのが現状」(アルドチェルワン氏)

同氏いわく、既存のソリューションは、「スケーラビリティ」と「柔軟性」が欠けている。そのような課題の解決のためにRapyutaが開発しているのが、rapyuta.ioだ。

rapyuta.ioを使えば、自律移動ロボットや自動フォークリフト、ロボットアームなど、多種多様、かつ複数のロボットを、クラウドから一括管理し、協調制御や、ロボットナビゲーションなどを行うことができる。その他、ロボットソリューションの効果計測シミュレーションや、ソフトウェア・アップデートを含めたリモートメンテナンス機能もある。

rapyuta.ioの最大の利点は、インフラ構築の手間が省けることにより、すぐにロボティクスソリューションの開発を始められること。そして、サービスやデバイスのカタログが用意されていることにより、オープンエコシステムによるソリューション開発が可能で、「ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中出来る」ことも強みだ。その件に関して、アルドチェルワン氏は「今後はエコシステム構築に注力していきたい」と言う。

「ロボットは、様々なハードウェアやソフトウェアの組み合わせでできる塊。1社で全て作ることは難しい。だから、色々な人が参加して、交換できるようなエコシステムは大事。ハードウェアの開発者やソフトウェアの開発者が、自分のハードウェアやアプリを入れる。それをエンドユーザーが使えるようにしていきたい」(アルドチェルワン氏)

Rapyutaでは倉庫用の“協働型”ピッキングロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)の開発も行い、商用化を進めている。同社いわく、既存倉庫に何も手を加えなくても導入できる点が特徴だ。

本日発表されたモノフルとの提携、そしてプラスオートメーションとのパートナーシップ構築の狙いは、大きな初期投資が必要とするため大企業しか利用することが出来なかったロボティクスによるオートメーションを、サブスク化し、提供すること。「将来的にはAMRのみならず、フォークリフト、アーム、AGV(無人搬送車:Automated Guided Vehicle)などの幅広いタイプのロボットを扱うレンタルサービスを提供することを視野に入れています」(Rapyuta)

また、安川電機の提携では、プラットフォームに接続されるロボットの種類を増やし、「複数ロボットの連携ソリューションなどの新たな付加価値を生み出すこと」を目指す。加えて「両社の提携により、柔軟性が高く優れたソリューションを人的資源及び財務的な余力が限られている中小企業も含めた幅広いお客様に利用されることを期待しています」(Rapyuta)

Rapyutaは2015年1月にCYBERDYNE、フジクリエイティブコーポレーション、ブイキューブ、そしてSBIインベストメントを引受先とするシードラウンドで3.51億円、2016年9月にSBIインベストメントと社名非公表の事業会社1社を引受先とするシリーズAラウンドで10億円を調達したことを明かしている。