請求管理
INVOY

無料で使える請求管理サービス「INVOY」が正式公開、運営はクラウドファクタリングのOLTA

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つい先日、新生銀行と10億円規模の出資会社を共同で設立して新たな座組みでクラウドファクタリングサービスの提供を始めたOLTA。昨年以降25億円の調達や金融機関・スタートアップ企業との連携などを次々と発表し、急ピッチで事業を拡大してきた同社から今度は別の切り口のニュースだ。

OLTAは2月18日、これまで2年間に渡ってベータ版として提供してきたクラウド請求管理サービス「INVOY(インボイ)」を正式ローンチした。

INVOYはOLTAの子会社であるFINUXが2018年2月にスタートしたプロダクトだ。もともとOLTAでは中小事業者の資金繰りの課題を改善するべく、2017年10月にクラウドファクタリングサービスを開始。その中で多くのユーザーが請求書作業に対して「非効率」「分かりにくい」「有料」などの課題感を抱えていることを知り、解決策として子会社を立ち上げINVOYの提供を始めた。

同サービスは2年間で約4万ユーザーを獲得し、請求書の累計発行枚数は約16.2万枚、累計発行金額は約480億円に及ぶ。

請求書に加えて見積書/納品書/領収書を作成する機能のほか、INVOY上から取引先にメールで請求書を送信する機能やワンクリック郵送機能、取引先管理機能などを搭載。特に請求書の作成に関しては、画面に沿って上から順に項目を埋めていくだけで簡単に請求書が完成する仕組みなど、慣れていないユーザーでも使いやすい設計になっている。

とはいえ、機能面自体はかなりシンプルなものだ。この領域では「Misoca」や「board」、「MakeLeaps」を始めすでに複数のプロダクトが存在するほか、マネーフォワードやfreeeが展開するクラウド会計ソフトにも請求書の発行・管理サービスが備わっている。

細かい違いはあれど、少し触ってみた限りでは他のプロダクトにはないクリティカルな機能がINVOYに搭載されているわけではないように思えた。

むしろユーザーにとっては価格面の違いが大きい。クラウド請求管理サービスの多くはそもそも有料でないと使えないか、無料だと機能や作成できる請求書の数が限定される。たとえば僕は数年前からMisocaユーザーだけれど、無料プランだと1ヶ月間に作成できる請求書は5通まで。6通以上作成したい場合やチームで使いたい場合は月額数百円からの有料プラン(15通作成できるプランが月契約で800円 / 年契約で8000円)に加入する必要がある。

一方でINVOYの場合はほとんどのユーザーが基本機能を全て無料で使える。厳密には1ヶ月間の発行額が10億円を超えたり、発行枚数が5000枚を超える場合はエンタープライズプランとなるので例外だが、フリーランスや少人数のチームでこれに該当するケースは稀だろう。

実際のところ無料で利用できる点に魅力を感じてINVOYを使い始めたユーザーも多いそう。これが実現できるのはOLTAがクラウドファクタリングという別のマネタイズポイントを持っているからだ。

「請求管理サービスにおいての1番の対抗馬はExcelだ。特に日本の場合、ExcelがプリインストールされているPCも多いため(Excelを)お金を払って使っているという感覚が少ない。だからこそExcelで請求書を作るのも無料であり、請求管理サービスに対してお金を払うことに抵抗がある人もいる」

「INVOYはOLTAにおいて“入り口”のような位置付けでもあり、GoogleにおけるGmailなどにも近いかもしれない。(請求書の管理を通じて)経営の実態を把握できるツールとして使ってもらう中で、運転資金を調達するニーズが出てくればファクタリングの仕組みを提供することもできる。INVOYの基本的な機能単体でマネタイズすることは考えていない」(OLTA取締役CSOの武田修一氏)

これまでOLTAでは事業の軸となる「クラウドファクタリングの社会実装」を重要テーマに掲げてきた。そのために積極的に他社と連携してきたわけだけれど、他社に依存しすぎるのではなく自分たちでも関連するプロダクト群を作りたいという考えは当初からあったという。

INVOYはその第一弾と捉えることもできるだろう。当面は「請求書発行ツールとしていかに便利に使ってもらうか」を重視し、収支管理ダッシュボードや品質管理マスタ、口座連携などの仕組みを取り入れていく計画。ゆくゆくはOLTAのクラウドファクタリングとの連携も視野に入っている。

OLTAとしてはINVOYに続くようなプロダクトを今後自社で開発していく可能性もありえるとしつつ、引き続き他社サービスとの連携も積極的に実施していくとのこと。それはINVOY以外の請求書管理ツールとの連携においても同様のスタンスだ。

ちなみにあえて子会社経由で運営している理由については、INVOYの立ち上げ時はOLTA自体もまだステルスでひっそりとサービス提供していたため、“得体の知れない金融事業者”と見られる可能性があったことが大きく影響しているそう。当初から子会社として切り分け、着々とプロダクトを磨いてきた。

なお同サービスはフリーランスユーザーの利用も見込んでいたこともあり、業務委託のフリーランスメンバーが中心となって開発。「フリーランスがフリーランスのために作ってきた」側面もあるとのことだった。