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ピアボーナスを用いた新たな“従業員寄付体験”でSDGs推進企業を後押し、UniposとREADYFORがタッグ

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ピアボーナスサービスを展開するUniposとクラウドファンディング事業を運営するREADYFORは2月18日、従業員が「Unipos」上で獲得したピアボーナスをSDGs活動を行う団体へ寄付できる「SDGsプラン」の提供をスタートした。

知っている人も多いかもしれないがUniposについて簡単に説明しておくと、同サービスでは業務中の良い行動に対して従業員間で感謝のメッセージとともに「ポイント」を送り合う。もらったポイントはピアボーナスとして給与などの報酬に変換できるのが特徴だ。

たとえば資料作りを手伝ってもらったり、企画の相談に乗ってもらったり。そんな時にタイムライン上で“ありがとう”というメッセージと合わせて、ポイントを送る。もしくはタイムラインに流れてきた別のメンバーの投稿に対して“拍手(いいね!のような仕組み)”をすることでポイントを送ることも可能だ。

メッセージとポイントの送付はタイムラインを介して行われるため、メンバーの影での貢献が可視化されやすくなり、メンバー間・部門間の連携強化やバリューの浸透にも繋がる。そんな効果を見込んで、スタートアップから大手企業まで340社以上がUniposを活用している。

さて、ここからが今回スタートしたSDGsプランの話だ。今までのUniposではもらったポイントは報酬に変換する仕組みだったが、SDGsプランを活用するとそのポイントを自分が選んだ寄付先へ寄付することができるようになる。

Uniposを導入する企業は最初にポイントの配当方法をインセンティブプラン(従来のプラン)とSDGsプランから選ぶ。SDGsプランの場合はあらかじめ自社に最適な寄付先をいくつかピックアップしておき、各メンバーはその候補の中から自分の共感した団体へ寄付をする仕組みだ。寄付先の団体からは活動レポートが送られてくるため、自分が届けたピアボーナスのインパクトもわかる。

企業ごとの寄付先の選定については、これまで1万件以上のクラウドファンディングプロジェクトを支援してきたREADYFORが同社のデータベースやノウハウを活用してサポート。これによって企業は自社の事業や理念にマッチした寄付先をスムーズに見つけられるだけでなく、Uniposを使って従業員を巻き込みながらSDGs活動を推進できる。

寄付先についてはジャパンハートやカタリバ、フローレンス、Learning for Allなどの特定非営利活動法人をはじめ、さまざまな領域の団体から選べるとのことだ。

ピアボーナスを用いた新しい従業員寄付体験の創出へ

Unipos代表取締役社長の斉藤知明氏(写真左)とREADYFOR代表取締役CEOの米良はるか氏(写真右)

2016年1月に持続可能な開発目標(SDGs)が発表されてから4年、日本国内でもSDGsへの取り組みに関する話をよく耳にするようになった。

SDGsに対する考え方や取り組み方は企業ごとにも異なるが、UniposとしてはSDGsを「単に社会にとって善い行いをする」ことではなく、それが「組織の成長」にも繋がる状態、最終的に社会と組織と個人全ての成長を促進するような取り組みだと捉えているそうだ。

「今までUniposでは自分の頑張りがチームや会社への貢献に繋がっていくことが実感できることで、互いの信頼関係が向上する仕組みを提供してきた。今回はそこに社会が加わり、『個人の貢献がチームへの貢献、会社への貢献だけでなく社会への貢献にも繋がる』仕組みを作っていきたいと考えている」(Unipos代表取締役社長の斉藤知明氏)

Uniposでは昨年11月からドイツで先行してSDGsプランの試験導入を進めてきた。たとえばドイツのコンクリート会社では、従業員がピアボーナスを使って植林団体へ寄付をした事例がある。この会社の事業は成長していて社会の役にも立っている反面、CO2の排出量が多くサステナビリティの点を気にするメンバーもいたそう。Uniposがメンバーの日頃の行動が企業・社会それぞれへの貢献に結びつくことを示した一例と言えるだろう。

この仕組みを広げていく上で重要になるのが「従業員が支援したいと思えて、なおかつ会社の成長にも繋がるような団体が寄付先として選定されていること」(斉藤氏)であり、今回UniposがREADYFORとタッグを組んだ理由もまさにそこだ。

日本には膨大な数のNPO団体が存在するため、各団体の活動や実績を見極めた上で、企業ごとに適切な団体をピックアップすることは簡単ではない。クラウドファンディングの支援を通じて様々な団体と付き合ってきたREADYFORが“企業と団体の橋渡し役”を担うことで、企業の負担を増やすことなく、ピアボーナスを軸とした新しい従業員寄付体験を実現することができるという。

そのREADYFORは昨年7月に始めた「READYFOR SDGs」によって、企業とSDGs活動のマッチングを進めてきた。同社代表取締役CEOの米良はるか氏の話では、企業の担当者とやりとりをしている過程で「従業員の中でのSDGsの認知が低い」という課題を聞く機会が何度もあったようだ。

特に大企業では社内の理解を得ることが物事を上手く進めていく上でも不可欠なため、「SDGsや社会課題を知るための取り組みに社員全体を巻き込みたい」という要望が強いという。

「(Uniposのピアボーナスの仕組みによって)チームへの貢献やメンバーへの感謝が寄付に繋がるといったように、個人の負担が少ない形の寄付体験を作ることで、従業員に社会課題や社会貢献を身近に感じてもらうきっかけになる。企業にとっても、入りやすいSDGsの取り組みになると考えている」(米良氏)

両社によると欧米諸国では従業員寄付の仕組みを導入する企業が増えているそう。従業員が自分で興味のある団体を選び、主体的に寄付できるサービスも「Yourcause」、「Catalyzer」、「Smartsimple」、「Salesforce Philanthropy Cloud」を始め続々と台頭しているという。

日本ではまだこれといったサービスがないだけに、UniposのピアボーナスとREADYFORのネットワークをミックスさせた新しい寄付体験がどのように広まっていくのか、今後に注目だ。