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CLOUD FRANCHISE

“副業型クラウドキッチン”で飲食店のキッチン稼働率を上げる「クラウドフランチャイズ 」が資金調達

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飲食店のアイドルタイムと人気のフードデリバリーブランドを繋ぐ「クラウドフランチャイズ」事業を展開するCLOUD FRANCHISEは2月26日、THE SEED、野口圭登氏、西尾健太郎氏を引受先とする資金調達を実施したことを明らかにした。具体的な金額は非公開だが、数千万円規模の調達になるという。

ここ数年、「クラウドキッチン」と呼ばれるネット注文特化型のキッチンしか保有しない店舗や、デリバリーに注力した「ゴーストレストラン」タイプの飲食店に注目が集まっている。日本国内でもUber Eatsを含むデリバリープラットフォームの広がりに伴い、デリバリー専業ないしデリバリーを主力とした飲食店が登場し始めた。

CLOUD FRANCHISEではその中でも人気を集めるフードデリバリーブランドと、キッチンの稼働率を上げたい飲食店をフランチャイズのスキームを用いて繋ぐことで双方の成長を後押しする。

飲食店の空き時間をクラウドキッチンに変える

具体的には飲食店の空き時間にフードデリバリーブランドを導入し、飲食店スタッフがデリバリーメニューを調理した上でUber Eatsなどを通じて顧客に届ける。たとえば夜だけ営業をしている焼肉屋や居酒屋が、お昼の空き時間を使って“副業的に”ゴーストレストランを経営するようなイメージだ。

デリバリー用のメニューは冷凍もしくは冷却(チル化)された状態で飲食店に届き、電子レンジで温めたりなど簡単な調理だけで完成するため飲食店側の負担が少ないのが特徴。飲食店は空き時間で新たな収益源を作れる。

一方のデリバリーブランドにとってはフランチャイズ形式を採用しているため、自社ブランドの店舗をコストを抑えながらスピーディーに拡大できるのがメリットだ。各飲食店が自社のクラウドキッチンとしてデリバリー拠点の役割を果たすため、複数のエリアに一気に進出することもできる。

CLOUD FRANCHISEは両者をマッチングする立場だが、マッチングといってもWeb上でプラットフォームを提供している訳ではなく、現在は1つ1つの飲食店とブランドを手動で繋いでいる。販売データやUber Eatsなどのプラットフォーム上で公開されているデータを分析し、エリアごとの特性などを見極めた上で、どの飲食店にどのブランド(メニュー)を導入するかを決めているそうだ。

「キッチンスペースや冷蔵庫などの大きさなど飲食店側の設備の特徴に加えて、たとえばカレーがよく売れるエリアなどエリアごとの特性も踏まえて提案している。あくまで本業に支障が出ない範囲という前提で、最初はだいたい5つのメニューで毎日20食の注文が入るようなイメージで導入してもらっている」(CLOUD FRANCHISE代表取締役の桑原竣亮氏)

年内に100店舗以上の出店目指す

現在ベースとなっている副業キッチンプランではCLOUD FRANCHISEが仕入れ費用(ブランド側からメニューを購入する費用)を負担するため、飲食店側の初期費用や手数料などはゼロ。実際に売れた金額の内15%が飲食店に支払われ、残りの85%からデリバリープラットフォームの手数料や仕入れコストを引いた金額が同社の収益となる仕組みだ。

仮に月の売上が100万円だったとすると、飲食店に入ってくるお金は15万円になる計算。これが大きいか小さいかは飲食店ごとによっても捉え方が変わってきそうだけれど、ある店舗では撤退を検討しているタイミングでサービスを導入したところ「導入初月で100万円の売上を達成できたために運営の継続に繋がった」事例もあるとのこと。

桑原氏の話では特に小規模な飲食店や一等地から少し離れた店舗などには相性が良い反面、大規模な駅近くの一等地などの飲食店とは合わずメインターゲットにはならないという。

現時点では究極のブロッコリーと鶏胸肉など複数のブランドと都内を中心に約10店舗の飲食店が集まっている状況。今回の資金調達では主に人材採用を強化し、飲食店数を年内に100店舗以上へ拡大することを目指す。

CLOUD FRANCHISEは2018年4月の創業。代表の桑原氏が最初にビジネスに触れたのは10代の頃にライフネット生命保険創業者の出口治明氏らの講演会を企画・運営したこと。その後インスタグラマーのアパレルブランド作りを支援する事業を立ち上げ、売却を経験した。

これまでの事業を通じて人のブランドやIPを適切な形で届けることができれば多くの人に喜んでもらえることを体感したそうで、それが今回の事業にも繋がっている。「強いIPを最大限活かせる事業を考えた時に行き着いたのがフランチャイズのモデル。中でも1番参入しやすいと感じたのがフードデリバリーだったため、クラウドキッチンやゴーストレストランの文脈からスタートした」(桑原氏)