政治的利益を狙いネット上で新型コロナウイルスに便乗する動き

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不確実な時代のテクノロジー

現在の資本主義と民主主義では、他人の苦難に付け入るのに決して早すぎるということはないようだ。新型コロナウイルス(COVID-19)がその最新の証左だ。

ワシントン・ポスト紙は2月29日、コロナウイルスの発生に関連する陰謀説を流した200万件のツイートに関して国務省内の機関が報告書をまとめたと報じた。同紙が報じた報告書が言及するデマには、ウイルスはBill & Melinda Gates Foundation(ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団)が作り出したとか、中国政府が開発した生物兵器の成果だという内容が含まれている。

同紙によると、こうしたツイートは政府が調査したツイート全体の約7%を占めていた。重要なのは同紙が報じた通り、オンラインで広まった偽情報の一部が「意図的で組織的な活動」の結果のようだと報告書が指摘している点だ。

報告書の内容は、Check Point Software(チェックポイントソフトウェア)のようなサイバーセキュリティ会社が発している警告とも整合している。同社は今月初め、コロナウイルスの発生をテーマにして新しく立ち上げられたウェブサイトを追跡するレポートを発行した

同社のGlobal Threat Index for January 2020によると、「サイバー犯罪者は悪意のある活動を広めるために、世界中で高まる新形コロナウイルス拡散への関心を悪用して、コロナウイルス発生に関連付けたスパム攻撃を展開している」。同社は、Googleの検索キーワードとウイルスに関する「悪意のある議論」と同社が判断したものを比較し、それらが密接に相関していることを示した。

一例として、日本のウェブユーザーを標的としたハッカーが日本の障がい福祉サービス業者を装い、悪意のある電子メールにファイルを添付した。この電子メールには日本の複数の都市でのコロナウイルスの拡散に関する誤った情報が含まれており、ユーザーが電子メールの添付ファイルを開くと、モジュール型の自己増殖するトロイの木馬ウイルスがコンピュータにダウンロードされる。

電子メールによる攻撃は脅威の1つだが、セキュリティ会社が捉えたもう1つの脅威は、ウイルスに関連付けたドメイン名を持つ新しいウェブサイトだ。

同社はすでに「vaccinecovid-19.com」という偽のウェブサイトを見つけた。2020年2月11日に最初に作成され、ロシアで登録された。Check Pointによると「このウェブサイトは安全ではなく『コロナウイルスを検出する最高かつ最速のテストを1万9000ロシアルーブル(約3万2000円)という素晴らしい価格で』提供するとうたっている」。

Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Twitter(ツイッター)はすべて、「この病気の治療法を提供する」とうたう広告など、コロナウイルスに関する偽情報をプラットフォームから削除する措置を講じている。

今月初め、大手テック企業はWHO(世界保健機関)の代表者と会談し、オンライン上の偽情報や詐欺に対処する計画と協力方法について協議した。

Facebookは今週初め、同サイトで偽情報を広げる動きに対する継続的な対応について次の声明を発表した。

世界各国の保健当局がコロナウイルス(COVID-19)に関する新しいガイダンスと警告を発信する中、我々は国や地域の保健機関からの情報を人々へつなぎ、ウイルスに関する偽情報と有害なコンテンツの拡散を抑えるための作業を続けています。

人々を正確な情報と役立つリソースにつなぐ

Facebookでウイルスに関連する情報を検索すると、検索結果の上部に情報提供ポップアップが表示され、世界保健機関(WHO)などの保健専門組織にアクセスすることができます。Facebook上で過去数週間にわたり、この取り組みをすべての言語でグローバルに展開し、ユーザーをWHOのサイトに誘導しました。いくつかの国では、ユーザーを当該国の保健省のサイトに誘導しました。たとえば、米国では疾病対策予防センター(米CDC)からの情報にユーザーを誘導し、シンガポールではシンガポール保健省に誘導しています。さらに、WHOが人から人への感染と死亡を報告している国では、ニュースフィードの上部に追加情報を含む追加のメッセージを表示しました。

画像クレジット:PAU BARRENA / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Tags: 新型コロナウイルス COVID-19 coronavirus