短編ストリーミングサブスクのQuibiがサービス開始を前に約800億円を調達

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The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙によると、正式なサービス開始まであと1カ月余りというタイミングで、短編ストリーミングの月額課金(サブスクリプション)サービスのQuibi(クイビー)が7億5000万ドル(約800億円)の新規資金調達を完了した。

同社は今回のラウンドに参加した投資家の名前を開示せず(これは常に素晴らしい兆候だ)、新しい投資が同社のバリュエーションにどう影響するかについてもコメントを避けた。

最高経営責任者のMeg Whitman(メグ・ホイットマン)氏は「今回の資金調達は長期的な事業構築のための財務的柔軟性と成長基盤を確保するために行われた」と同紙に語ったが、Brandless(ブランドレス)やWeWork(ウィーワーク)などの企業も資金調達の際に同じ目標に言及していたと思われる。

同紙によると、同社の新規投資に参加したのは、既存投資家からAlibaba Group(アリババグループ)、Hollywood Studios(ハリウッドスタジオ)、Quibiの共同創業者でありハリウッドの大御所Jeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏が立ち上げた投資会社で持株会社のWndrCoなどだ。これまでにQuibiは17億5000万ドル(約1860億円)を調達した。

同社はストーリーテリングへの独自のアプローチと、アプリで流すシリーズを開発する多数の優れた人材について宣伝している。ただ、他社も以前短編に力を入れたことがある特にTechCrunchの親会社)。だが結果は芳しくなかった。

単に一時停止ボタンを押すのではなく、短編ストーリーが必要とされているというアイデアは興味深い。YouTube(ユーチューブ)やTikTok(ティクトク)ではなく、有料でも必要とされるドラマやリアリティショースタイルのエンターテイメントとは何かを確認する実験だと言える。

おそらくQuibiはリアリティショーとドラマ(正直なところ、かなり面白そう)で勝利するだろう。カッツェンバーグ氏と共同創業者ホイットマン氏が約束したビッグネームは、同社の番組について報じた最近のEntertainment Weekly(エンターテイメント・ウイークリー)の記事で確かに挙げられている。

競合するストリーミングサービスと異なり、Quibiは過去に放映したタイトルのカタログがまだないため、1年目はなんと175番組で8500エピソードを繰り出す。1本10分以内の内容になる。

サービス開始時には50の番組が提供される予定だ。それらがどう受け止められるかに多くがかかっている。タイトルの多くは魅力的に見えるが、Quibiが期待するような、視聴者に訴求する魅力を持ち、有料でサブスクに加入してもいいと思えるタイトルは2つくらいにすぎない。

このサービスでは、ネットワークテレビやNetflix(ネットフリックス)で一般的なシーズンごとのリリースではなく、新しいエピソードを毎日配信することで差別化を図る。

アプリ自体は、他のストリーマーで利用可能なサービスとあまり差別化されていないようだ。同社は2月、アプリの事前予約を開始したときに以下のように説明した。

モバイルテクノロジーを活用した新しい方法でテレビを見直すためにQuibiではさまざまな試みが行われてきましたが、アプリ自体は他のストリーミングサービスとよく似ています。

アプリには、NetflixやPrime Video(プライムビデオ)などのストリーミングアプリに共通の暗めの画面表示を採用し、下部に4つのメインナビゲーションボタンがあります。

最初のページはパーソナライズされた「For You」ページで、アプリがユーザーの好みを推測して新しいコンテンツを提示するフィードを表示します。

「検索」タブでトレンドの番組を探すことができ、番組のタイトル、ジャンル、雰囲気で検索することができます。

「フォロー中」タブはお気に入りの番組を、「ダウンロード」タブはオフライン視聴可能にした番組を追跡するのにそれぞれ使います。

その他の点では、Quibiのインターフェースは非常にシンプルです。動画は大画面で表示され、ホームフィード上で垂直に、または「ブラウズ」セクションを移動するときに水平・垂直の両方でめくることができます。

同社はアプリストアの説明で「TurnStyle」表示テクノロジーを宣伝しているが、その名前には言及せず、自分で完全にコントロールできる視聴体験だと説明している。「スマホを持つ向きに関係なく、すべてが画面に収まるように表示される」と説明している。

垂直表示モードでは、画面の左側または右側に表示されるコントロールも導入しする。これは、左利きか右利きかに基づいて選択する。

Quibiは、アプリが事前予約できることを正式に発表しなかった。カッツェンバーグ氏が創業したこのスタートアップは、最近完了した4億ドル(約410億円)のラウンドを含め10億ドル(約1060億円)以上の資金に支えられてきた。

成功の可能性を疑う向きにもかかわらず、Quibiはサービス初年度に利用可能な広告枠1億5000万ドル(約160億円)を売り切った

ユーザーだけでなく広告主もしっかり確保できるのかは何とも言えない。このサービスはストリーミングメディアとしては、Michael Bloomberg(マイケル・ブルームバーグ)氏の選挙戦のような結果に終わる可能性がある。多額の費用をかけたが目に見える成果がまだない。

画像クレジット:CES

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(翻訳:Mizoguchi