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データ移行

Facebookの写真移行ツールが欧州、中南米、アフリカ諸国で公開

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Facebook(フェイスブック)は昨年12月にアイルランドで公開したデータ移行ツールの提供範囲を広げている。このツールを使うと、Facebookサーバーに保存してある画像やビデオを別の写真ストレージサービス、たとえばGoogle Photos(Googleフォト)などに暗号化転送を通じて直接移行できる。

Facebook広報は「移行ツールは米国時間3月10日に英国、EU諸国、および中南米、アフリカの一部の国々で公開される」とTechCrunchに伝えた。広報担当者によると、先月末にFacebookは、APACおよび中南米の複数の地域でもツールを公開している。Facebookは以前、このツールを2020年上半期中に全世界で公開すると言っていた。

「transfer a copy of your photos and videos」(写真とビデオの転送)機能は、設定ページのFacebook Information(あなたのFacebook情報)タブから設定できる

このツールは、FacebookがData Transfer Project(DTP)に参加して開発したコードが基になっている。DTPは2018年に始まった協同プロジェクトで、Apple(アップル)、Facebook、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、およびTwitter(ツイッター)が参加しており、オープンソースコードを使って任意のオンラインサービス間をつなぎ「2プラットフォーム間でシームレスに直接ユーザー主導のデータ移行を行う」ための共通フレームワークを構築することを目的としている。

ここ数年、テック界の巨人たちによる寡占に対する不満が高まっており、議会や規制当局の注目を集め始めている。例えばEUでは、競争規制当局がテック巨人のデータ運用を巡ってAmazonFacebookGoogleなどに目をつけている。一方米国では、GoogleFacebookAmazon、 Apple、Microsoftらが反トラスト法の監視にさらされている。そして反トラストに関する疑問が増えるにつれ、巨大テック企業は対応にせまられる。こうしてポータビリティーに関する集合的圧力がかかっている。

昨年9月、Facebookは白書を公開してデータポータビリティーに関する同社の見解を示し、ポータビリティーをプライバシー問題への挑戦であると主張しようとした。それは同社が集めたユーザーの個人情報の移行に規制当局が制限をつけることを求めるロビー活動のようにも見えた。

同時に、ポータビリティーツールの公開は、規制当局の手が入った際の点数稼ぎにもなるかもしれない。もっともこのツールはFacebookが保持している個人データのごくわずかな部分を移行できるだけであり、こうしたツールを望むのはごく一部の技術に詳しいユーザーだけかもしれない。

さらにFacebookの移行ツールは、現在Googleのクラウドストレージへの直接転送にしか対応していない。これは、ユーザーの顔生体情報をある巨人から別の巨人にコピーするパイプを太くしているだけだ。

本誌、おらびEU在住の記者を通じて確認したところ、Facebookのドロップダウンメニューにある転送先は今の所Google Photosだけだった。

しかし広報担当者は、より広範囲な利用形態を示唆しており、DTPプロジェクトがSmugMug(スマグマグ、Flickrの親会社)の写真API用アダプターを更新したことや、音楽ストリーミングのDeezer(ディーザー)、分散型ソーシャルネットワークのMastodon(マストドン)、Tim Berners-Lee(ティム・バーナーズ・リー)の分散型プロジェクトSolid(ソリッド)などとの統合についても語った。

担当者によるとアダプターはデータタイプごとに用意され、オープンソースの協力者がさまざまなデータタイプ(写真、プレイリスト、連絡先など)のアダプターを開発している。GitHubには開発中のプロジェクト一覧もある。

上記サービスへの直接転送オプションがなぜFacebookのメニューにないのかはまだわからない。直接データ転送を実装するためにサードパーティー側の作業が必要なのかもしれない。この点について質問したところ、今はGoogle Photosが唯一の転送先であることを認め、これは「第一ステップ」で「関係者に評価できる実物のツールを見せることが目的であり、その間にもっと多くの会社がDTPプロジェクトに参加すれば、我々はもっと多くのサービスやデータタイプの移行準備を進める」と答えた。

DTPプロジェクトの目的は、「ポータビリティーツールをつくるたびに車輪を作り直す」ことがないよう、誰でも簡単に使える標準バージョンをつくることだと広報担当者は語り、「このツールは現在のDTPパートナーと協力してつくったものであり、将来さらに多くのパートナー企業が参加することを願っている」と付け加えた。

彼はコードがオープンソースであることも強調し、自社のサービスをフレームワークにプラグインしようとする会社は、公開APIさえもっていれば「スムーズに統合」できると言っていた。「公開API向けにDTPアダプターを書くだけでいい」とのこと。

「ツールが公開された今、我々はもっと多くの専門家や企業と協力して働けることを楽しみにしている。この種のサービスとつながることを目指しているスタートアップや新しいプラットフォームは特に歓迎だ」と広報担当者は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook