欧州の法律家が携帯電話やノートパソコンを「修理する権利」を提案

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欧州委員会は、携帯電話、タブレット、ノートパソコンなどの電子機器の「修理する権利」を求める計画に着手した。広義には、壊れたらそれっきりの製品を制限し、「早すぎる旧式化」に対処し、売れ残ってもまだ使える製品の廃棄を禁止することを目指している。持続可能な製品を当たり前のものにすることが狙いだ。

この提案は、2050年までにEU圏内をカーボンニュートラルに移行するとの委員会の公約を実現するための循環経済行動計画の一環として提出された。

修理、再利用、リサイクルを促す製品やターゲット設計により製品寿命を延ばすという方針が、製品の売買に関連する資源の消費量を減らし環境への影響を小さくすると期待されている。

欧州委員会はまた、修理の可能性と耐久性に関する確かな情報をEUの消費者に提供し、よりグリーンな製品を選ぶよう促したいとも考えている。

「現在、私たちの経済はいまだ直線的で、再生資源や天然資源が経済に戻される割合はわずか12%です」とFrans Timmermans(フランス・ティメルマンス)執行副委員長は声明の中で述べている。「たくさんの製品が、再利用も修理もリサイクルもされずに、あまりにも簡単に壊されている。または、壊れたらそれまでの製品も多い。そこには企業と消費者の両方に利益をもたらす、非常に大きな潜在力があります。本日発表した計画により、私たちは製品の製造方法を変革し、消費者が自身の利益と環境のために持続可能な選択をするよう力を与える行動を開始します」と語る。

欧州委員会は、修理の権利を導入する最優先分野はエレクトロニクスと情報通信技術だと話している。これは、現在、洗濯機などの製品のエネルギー効率基準を定めているエコデザイン指令を拡張することで対応する。

この行動計画は「循環電子機器イニシアチブ」を設立し、再利用性や修理の可能性、さらには部品やソフトウェアの「アップグレード可能性」を通じて製品寿命を延ばし、早すぎる旧式化を防ぐよう提案している。

また欧州委員会は、携帯電話の充電器とそれに準ずる製品の新しい規制措置も計画している。同時に、EU全域での古い携帯電話、タブレット、充電器の返品や売り戻しを可能にする引き取り計画も検討中だ。

1月、欧州議会はEウェイスト(電気電子機器廃棄物)の削減へ向けた措置の強化を圧倒的な賛成多数で決め、今年の夏までに規定を策定するよう欧州委員会に求めている。ここ数年、欧州議会の議員たちは、修理の可能性を含めるようエコデザイン指令の拡大に取り組んできた。

今回の欧州委員会の提案には、バッテリーの回収率とリサイクル率を高め、稀少な原料の回収を確実に行えるようにする措置など、バッテリーと車両のための新しい規制の枠組みも含まれている。さらに、寿命を終えた車両のリサイクル効率の向上と廃油の扱いに関する規則を改訂する案も盛り込まれている。

パッケージの生産量の削減計画のための措置も計画されており、すべてのパッケージを経済性が保たれる形で再利用またはリサイクルできるよう目指す。パッケージ、建設資材、車両などの分野で使われるプラスティックの再生材料に関する必須条件については別の提案がなされている。

循環性の向上と高い消費率の低減を目指す他の優先分野は、建設、繊維、食品だ。欧州委員会は、循環経済は、EU圏内のGDPの成長と雇用創出の面で全体的にプラスの恩恵をもたらされると期待している。持続可能性を高める措置により、EUのGDPは2030年までに0.5%増加し、70万人ぶんの新しい雇用が生み出されるとのことだ。

この委員会の提案がEU全域の法律として成立するには、欧州議会議員とEU加盟国の支持が欠かせない。それが実現したときに備えて、オランダの社会的企業Fairphone(フェアフォン)は、未来の修理可能な製品はどのようなものになるかを、少しだけ見せている。

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画像クレジット:Peter Dazeley / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)