米国食品医薬品局が新プログラム導入で新型コロナ治療法の開発を加速

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米国時間3月31日、米国食品医薬品局(FDA)は「新型コロナウイルス治療法をできるだけ早く市場に出す」ために公共・民間組織の密接な協同作業を支援する新しいプログラムを発表した。米国保健福祉省のAlex Azar(アレックス・アザー)長官がプレスリリースで語っている。「新型コロナウイルス治療加速プログラム」(CTAP)と呼ばれるそのプログラムは、FDAが資源や人材を再投入するために、民間企業の研究者、科学者に「規制に関する助言、ガイダンス、技術支援を最速で与える」ことを目的にしている。

同局の提供した情報によると、CTAPは、新しい治療方法をFDAが認可するために必要な臨床試験や手続きを行う企業や研究者にかかる負担を軽減するために、すでにFDA内部で行われていた多くの作業を正式にするということのようだ。

一般社会の言葉で表現すると、FDAはさまざまな手続きを迅速化するために、臨床試験結果の評価を24時間以内に行い、一部の治療方法を患者単位に適用する例外的あるいは研究目的の利用に関する申請を「原則として3時間以内」に処理する。またFDAは、さまざまな組織やプログラムに適用できる合理的な手順を作り、テンプレート化された戦略によって処理時間をさらに短縮することも考えている。

FDAは内部組織の再編成によってこれを可能にした。別の仕事をしていた医療と規制の担当者を新型コロナ関連の承認専門にしている。

この種のプログラム導入の意味については何らかの議論が出てくるに違いない。一方でこのプログラムは新しい手法や、立証されていないが有望な技術を開発しているバイオテックのスタートアップを、FDAの密な協力によって支援できるようにする。しかしもう一方では、FDAは新型コロナ治療に関する強引とも思わえる決定に対してすでに批判を受けており、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンの緊急使用許可もその1つとなっている。

小規模な試験の結果は、この薬品が新型コロナ患者に一定の効果がありうるとしているが、問題は「ありうる」という部分であり、別の小規模な試験では一般的な抗ウイルス治療も同程度に効果的であることを示している。つまるところ、決定的なことをいうだけのデータはいずれにせよまだ存在していないということであり、この緊急使用許可に関していえば、新型コロナ治療のために備蓄することは、この薬品の一般的利用方法である関節リウマチの治療への利用が難しくなることを意味しており、患者の重篤度を進める恐れがある。

現在の新型コロナウイルスのパンデミックは、感染拡大と影響力において、少なくとも近代医療時代におけるウイルス蔓延という意味で前例のないものである。FDAは独自の方法でこの状況に対処する必要があるが、お役所仕事の効率化に対するプレッシャーがどんな結果を生むのか、批評家や識者が目を光らせていることは間違いない。

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook