対外直接投資

インドが中国からの投資に政府承認を義務付け、新型コロナ渦中での敵対的買収を予防

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過去2年間に中国の投資家がインドのスタートアップに注ぎ込んだ金額は約60億ドル(約6500億円)に上ったが、今後中国から世界2番目のインターネット市場であるインドへの投資は、より厳しい審査の対象となる。

インド政府は4月18日に対外直接投資政策を変更し、国境を接する国からの将来のすべての取引に政府の承認を必要とする。以前は、パキスタンとバングラデシュのみが対象だった。

インド産業・国内通商振興局は、新型コロナウイルス危機による課題に取り組むインド企業に対する「この機に乗じた買収を防ぐ」ために措置を講じるとコメントした。

「政府は現在の新型コロナのパンデミックに乗じたインド企業の乗っ取りや買収を防ぐため、現在の外国直接投資政策を見直した」と同局は通達で述べている。新規制は「直接・間接保有を問わず、インド企業の現在または将来の外国直接投資の所有権移転」にも適用されると付け加えた。

規制変更前は、インド政府はほとんどの国と同様、現在禁止されている原子力、防衛、宇宙産業の取引にのみ介入していた。国によっては、当局が介入する典型的な取引として、特定産業の自国のプレーヤーに競争上の不利益をもたらすような海外からの大型投資が対象になる。

ネパール、アフガニスタン、ブータン、スリランカはインド企業への投資にほとんど関心を示さないため、投資家やアナリストらは中国狙いの動きだと見ている。

「中国企業が安く、経営不振に陥っている会社を買収しているという懸念が世界中で高まっている」。バンガロールの弁護士であるNikhil Narendran(ニキル・ナレンドラン)氏はTechCrunchに語った。

インドは、ここ数週間で外国直接投資規制を強化したり似たような対策を検討している豪州やドイツなどの国々に続こうとしているようだと同氏は述べた。

中国の巨大企業であるAlibaba(アリババ)とTencent(テンセント)は近年、インドのスタートアップにとって最大の投資家として存在感を高めている。中国ではさらに12を超える企業やベンチャーファンドが、インドでのスカウト活動を強化している。

金融サービス会社のPaytm(ペイティーエム)、eコマースの大手Flipkart(フリップカート)、ソーシャルメディアオペレーターのShareChat(シェアチャット)、フードデリバリー会社のZomato(ゾモト)など、インドの大型スタートアップのいくつかは中国のベンチャーキャピタルの投資を受けている。

インド最大の銀行であり、住宅ローンの貸し手でもあるHDFCは今月初め、中国銀行が同行の保有持分を1%以上引き上げたと述べた。インド国民会議の元党首であるRahul Gandhi(ラフル・ガンジー)は今月初め、与党政府に「国家危機のこの時期に外国企業がインド企業を支配すること」を防ぐ措置を講じるよう要請した。

政策の変更は、インドの主要な投資家らがスタートアップに対し厳しい時期を迎える準備をするよう警告したのと同じタイミングで行われた。投資家らは今月初めスタートアップの創業者達に、今後数カ月間はこれまで以上に資金調達が難しくなる可能性が高いと話した。

調査会社Tracxnの最近のデータは、インドのスタートアップがすでにプレッシャーに直面し始めていることを示している。

Tracxnによれば、インドのスタートアップは3月に79件で4億9600万ドル(約540億円)を調達したが、2月は104件で28億6000万ドル(約3080億円)、1月は93件で12億4000万ドル(約1330億円)だった。また、昨年3月は153件の取引で21億ドル(約2270億円)を調達していた。

インドは新型コロナの拡大を抑えるために先月、全土にロックダウンを命じた。だが他国と同様に、この施策にはコストがかかる。何百万もの企業やスタートアップが深刻な混乱に直面している。

先月末、100を超える著名なスタートアップ、VCファンド、業界団体が政府に対し、混乱に対処するため救済基金を設けるよう求めた

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi