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Pepperのブラジャーは胸の小さな女性の悩みに答える

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女性に聞いてみれば、ほとんどのブラジャーがぴったりフィットしていないと答えるだろう。事実、大多数の女性が間違ったサイズを着けている。問題の大部分はサイズが標準化されていることにある。しかも年を追うごとにオンラインで買う人が増え、実際にブラジャーを試着する機会は減っている。世界中が封鎖されている今、その傾向は加速されるばかりだ。

中でも、非常によく起きるある問題は、起業家のJaclyn Fu(ジャクリン・フー)氏とLia Winograd(リア・ウィノグラッド)氏によると、ブラジャーは小さな胸の女性にとって概して大きすぎることだという。かつての同僚ふたりが手を組んでPepper(ペッパー)を設立したのはそれが理由だった。創業3年になるデンバー拠点のスタートアップは、小さなカップサイズにフィットするブラジャーを作ることに焦点を当てている。

フー氏によると、ほとんどのブラジャーメーカーは、まず36Cなどのサイズをつくり同じデザインを32Aなど別のサイズにも使用する。この手順(標準的なベースデザインを他のサイズに適用する)は論理的なようだが、実際のフィット感には結びつかない。

「これは、32Aの人が36C向けにデザインされたものを着けると、カップのギャップというフィット問題が起きることを意味している」とフー氏は言う。

ふつう女性たちはブラジャーのストラップをきつくしたりサイズを変えたりして問題を解決しようとするが、Pepperのソリューションは、独自の小さなカップの型を、ウィノグラッド氏が育ったコロンビアのメデジンの工場で作ることだった。

フー氏は最初のプロトタイプを彼女自身の胸のサイズに合わせて作った。その後フー氏は顧客の自宅を訪れてフィッティングとリサーチを続けた。カップサイズだけでなく、Pepperはアンダーワイヤーの悩みにも取り組み、胸の小さな女性の自然なサイズに合わせたカーブのゆるいワイヤーの短い商品をつくった。

顧客とのつながりを強くするために、Pepperは初めてオンラインでブラジャーを購入する顧客向けに、1対1のバーチャル・フィット・セッションを開始した。他の会社と同じように、オンラインで買う人のために「フィット・クイズ」も実施している。

現在Pepperは、30Aから38Bまでさまざまなサイズを販売していいて、価格は48ドルから54ドルまで。

ブラジャー業界にフィットしようとしているスタートアップはもちろんPepperだけではない。Kala(カラ)、SlickChicks(スリックチックス)、ThirdLove(サードラブ)などもサイズとフィッティングの心地よさと多様性を売りにしている。

上記3社のうちで最大なのがThirdLove。サンフランシスコ拠点のブラジャー・下着直販メーカーでこれまでに著名なベンチャーキャピタルから6860万ドルの資金を調達している。ThirdLoveは自らを開放的なサイズの「どんなカラダにも合うブラ」を売るブランドとして位置づけており、現在小売、海外市場、水着、アスレチックウェアまで拡大しようとしている。同社の最新会社評価額は7億5000万ドル。

この市場が何社の新ブランドを受け入れられるのか、このパンデミックを生き延びられるのかは誰にもわからない。それなりの市場シェアと豊富の資金をもつ会社でされ、人々が消費を抑える今、沈まずにいることに四苦八苦している。今月始め、ThirdLoveはスタッフの30%を解雇し、新型コロナのビジネスへの影響を理由に挙げた。

そんな中でも、Pepperのファウンダーたちは楽観的だ。PepperのKickstarter 1万ドルスタート・キャンペーン(2017年に設定)は10時間以下で目標を達成した、とフー氏は言う。

このKickstarterキャンペーンの成功は、同社がニューヨーク大学イノベーション・ファンドやDenver Angels(デンバー・エンジェルズ)などの投資家から200万ドルのシード資金を調達する後押しになった。MyFitnessPal(マイフィットネスパル)の共同ファウンダーであるAlbert Lee(アルバート・リー)氏も出資した。

フー氏は、現在3名を雇っている同社が年間売上予測300万ドルで「黒字に近い」ことを付け加えた。2019年の売上はほとんどが同社サイトでの消費者への直販から生まれた。成長をパートナーや小売店に依存するのではなく、ユーザーとの結びつきに求めているのは良い兆候だ。

ブラジャーを買うという微妙な感覚は長年、人間と1対1のつらい体験だった。しかし、新型コロナの流行で多くの実店舗が閉じる中、新しいブラジャーが必要な人たちは初めてオンラインで買わなくてはならない。これはPepperのような会社にとって、巻き尺と試着室がなくても完璧なフィットを実現できることを証明する絶好の機会だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook