FCCが軌道デブリ規則を2004年以来初めて更新

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FCC(米国連邦通信委員会)は、15年前に登場した軌道デブリ規則をようやく更新し、新しい要件を追加して承認プロセスを合理化した。毎年沢山の衛星が、ますます混雑する軌道に上がっていく中で、こうした規則はこれまで以上に重要になっている。

FCCは、軌道上に蓄積されたデブリ(軌道上のゴミ)の削減を行う必要性を述べる中で、問題を軽視したがる人はいるものの、すでに重大な危険が存在していると指摘している。

調査によれば、低軌道(LEO)の一部の領域では、衝突によって生成される新しいオブジェクトとフラグメントの数が、自然の空気抵抗によって取り除かれる数を超えている。他の地域では、軌道破片の密度が十分に高くなっているために、デブリオブジェクト間の衝突により、デブリの数が無期限に増加する「暴走」状態に近いか、すでにその状態に達していると結論付けているアナリストも存在する。

はっきりさせておきたいが、ここで言う規則とは「宇宙船は20個以上の破片に分解されてはいけない」というようなものではない。それらは、衛星事業者に対して、安全で持続可能な方法で運用していることを示すことを要求するというもので、問題が発生した場合には衛星を追跡または軌道から取り除く能力などを証明させるものだ。

新しい規則は、これまでのものと大きく異なるものではなく、むしろ、技術や打ち上げ方法の改善に起因する変化と、膨大な数の衛星配置の新しい現実を反映したものだ(2004年の規則はあちこちが微調整されてきたが、これは初めての「包括的な」更新なのだ)。

たとえば、SpaceXのStarlink衛星などの、複数の宇宙船の打ち上げでは、各衛星を一意に識別できて、地上レーダーやその他のテレメトリ方法などで追跡可能であることが重要だ。新しい規則では、衛星運用者は、そうした追跡が、どのようにどの程度行われているかを正確に開示し、また、軌道調整やその他の操作のようなものを、衛星追跡当局と共有するかどうか、またそれをどのように計画しているかを開示することも求められる。

また、大小の物体との衝突の可能性や、衛星が故障する可能性、地上にいる人にどのようなリスクがあるのかを推定しなければならない。

規則の最大の変更点は、おそらく、国際宇宙ステーションより高い高度に達する宇宙船は皆、衝突を回避するために何らかの操作を行えることが求められるという要件だ。

そうした軌道で何が行われているのかを考えるならば ―― 主に画像処理と通信だが ―― そうした操作はほとんどの衛星が既に行っているべきものだ。だが衛星とその打ち上げ価格が下がり続けている中で、もしこうした要件がなければ、他のものには絶対衝突しないという空虚な保証をつけて、数千の低性能の衛星を軌道にばらまいてしまう決定が下されるのは時間の問題だ。

そして問題は、FCCが規則を作らなければ、誰も規則を作らないということだ。同じ政府機関が、ブロードバンドの速度、TV番組の猥褻基準、そして軌道デブリに責任を負っているのは奇妙な話だが、それが事実なのだ。

新しい規則に付随する声明の中で、Jessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォーセル)委員は「FCCにはユニークな権限があることを認識する必要があります。商業宇宙活動を管轄しているのは私たちだけです。これにより、FCCの2004年軌道デブリポリシーを更新する作業が非常に重要になりました」と語っている。

彼らは、NASA、NOAA、および国際的なベストプラクティスを開発しようとする国際機関と協力して作業しているが、今日の衛星の大多数に関して、規則を制定しているのはFCCなのだ。

今回は採用されなかったが、FCCが議論のために公表している提案の1つは、衛星が計画通りに回収されたときに償還できる債券の購入を、企業に対して要求する可能性だ。

その場合、衛星を打ち上げようとする企業は、軌道にのせる前に、たとえば国債を1万ドル(約108万円)購入することを求められる。数年後、衛星がその仕事を終えて解体する準備ができたとき、すべてが計画通りに進んでいた場合には、その1万ドルが償還される。しかし、衛星が失敗したり、制御不能になったり、その他計画から逸脱したりした場合には、1万ドルは没収される。

このアイデアは直感的には理にかなっている。いわば宇宙船に対する一種の保証金だ。しかし具体的な内容を詰めて行くのはとても難しい。そこでFCCは、この要件にどのようにアプローチするのがベストなのか、あるいはまったくアプローチしない方が良いのかに関して、コメントを募集している。

FCCのWebサイトで、新しい規則とその解説の完全版を読むことができる。

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(翻訳:sako)