定型作業を自動化するクラウド型RPA「Robotic Crowd」が約5.5億円を調達

次の記事

SpaceXがCrew Dragonの宇宙ステーションとのドッキングを体験できるシミュレーターを公開

SaaS型のクラウドRPA「Robotic Crowd」を展開するチュートリアルは5月13日、シリーズAラウンドでDNX Ventures、Salesforce Ventures、Archetype Venturesより総額5億5200万円を調達したことを明らかにした。

クラウド型のRPA自体は国内でも複数の選択肢が存在するが、Robotic Crowdの特徴は高い汎用性だ。たとえばAPIを活用することで複数のサービスをまたいだ作業を自動化するIPaaSの仕組みを搭載しているほか、データの加工整形、文字認識(OCR)、ヒューマンインプット(自動化処理に人的操作を含めるもの)など幅広い機能を全て1つのサービス上で提供する。

チュートリアル代表取締役の福田志郎氏によると機能の数は100個以上。これらの機能はワークフローを自動化する際の「部品」の役割を担い、ユーザーはこの部品を活用することでさまざまな業務をロボットに任せらるようになる。汎用性の高さは顧客からの評価にも繋がっていて、他社製品では自動化できない業務に対応できることからRobotic Crowdを選ぶ企業も少なくないそうだ。

同サービスはクラウド型のためソフトウェアのインストールなども不要。ブラウザ上からドラッグ&ドロップやテキスト入力によってロボットを設定できる。ロボットは端末上で動作しないのでPCを占有することもないし、テレワーク環境でもロボットの設定やチューニングが可能だ。

利用料金は月額10万円から(初期設定費用などは別)。現在主流となっているデスクトップ型のRPAプロダクトと比べて価格や運用の面においても負荷が少なく、中小規模の企業でも取り入れやすい。

「従来のクラウド型RPAはWebスクレイピングをベースにしている製品が多かったが、自分たちの場合はAPIやデータの整形処理など、人手ではまかなえなかった処理も対応できる。またどれだけ高機能でも、そもそも何に使っていいのか想像できなければ利用されないのがRPA。CSチーム側でユースケースをたくさん用意することで、すぐに自動化を実現できるような環境を整えている」(福田氏)

現在はトライアルも含めると数百社が導入中で(有料顧客は60社ほど)、約1200ユーザーに活用されているとのこと。デジタル広告やポータルサイト運営企業が中心となっていて、従業員規模では100人〜500人の企業がボリュームゾーンだ。

今回調達した資金は主に人材採用やマーケティングの強化に投資をする計画。今後は顧客の特定課題にフォーカスした機能開発にを進めていく方針で、広告や人材など各領域においてRobotic Crowdをベースにした派生プロダクトを展開することを考えているそう。すでにダイレクトリクルーティングにおけるスカウト業務を自動化するプロダクトをテストしているという。

チュートリアルは2014年11月の設立。もともとは福田氏1人のコンサルティング会社としてスタートし、RPAの領域には2017年に参入した。「最初は大手企業向けにUiPathのインテグレーション事業をやっていたが、中小企業の中にもRPAに興味を示すところが増えてくる中で、クラウド型のプロダクトの方がより使いやすいのではないかと考えた」(福田氏)ことをきっかけに、自社でクラウド型のRPAを開発することを決めた。

同社では2018年9月にもディップから5000万円の資金調達を実施している。