Acura NSXを72時間試乗、加速は猛烈だがエンジンは少し残念、スマホホルダーは素晴らしい

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本田技研工業が米国やカナダで展開している高級車ブランド「Acura」(アキュラ)のNSXは、ものすごい馬力を発生するハイブリッドパワートレーンを搭載した爽快なスポーツーだ。しかし、これは車の性能を語る記事ではない。この車の最大の機能のひとつである、スマホホルダーの紹介だ。いまや、ほとんどの人にとってスマートフォンは体の一部として必要不可欠なものとなり、車ももっと統合を進めなければならないという現実に自動車メーカーが気づくべきときにある。

専用のスマホホルダーの採用は、自動車メーカーがようやくカップホルダーを採用したのによく似ている。こんなジョークがあった。熱いマクドナルドのコーヒーを置ける場所をユーザーに提供できるようになるまで、自動車メーカーは何十年も要した。

NSXには、ドライバーの視線を直接遮ることなく、それでいて操作が可能なスマホホルダーが備わっている。ホルダーはセンターコンソールに設けられ、スマートフォンは縦に置く。これならスマホをすぐに手に取り、またすぐに元に戻せる。

長い間、自動車メーカーは一部のドライバーだけが使う物としてスマートフォンを見てきた。これは現実離れしたスタンスだ。運転中にスマホをいじれば交通違反になる地域は多いが、それでもスマホをナビゲーションやメディアに使う人は大勢いる。自動車メーカーの対応は、せいぜいラジオの下かセンターコンソールのシフトレーバーの後ろに汎用のポケットを設けるぐらいだった。

スマホホルダーの対応に遅れた理由はいくつかあるが、そのひとつに車両の開発は何年間にも及ぶが、スマホはもっとずっと短いサイクルで新機能が追加されたり形状が変わるという問題がある。自動車メーカーは、スマホのような家電製品がどう変化するかを予測し、現在のものだけでなく5年先のものにも対応できるよう車をデザインしなければならないという難題を抱えているのだ。

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  7. Acura-NSX-6

  8. Acura-NSX-7

NSXの性能に関しては、簡単な概要しかお伝えできない。この車を72時間使わせてもらったが、そんな短い時間運転しただけで、この車の結論を出すのは気が引ける。加速は猛烈だが、ボディ剛性は平均的だ。ステアリングにはムラがあり、あるときは重かったり、あるときは敏捷だったりと安定しない。日常のドライブなら我慢できるが、コース上では問題が多いだろう(実際にコースでは走っていないが)。

エンジン音には失望した。標準の走行モードである「Sport」では、エギゾーストが錆び付いたサターンのような音がする。「Sport+」モードと「Track」モードでは少し音は改善されるが、それでもまだむきだしの感情が伝わってこない。

全体として、NSXのドライビングダイナミクスについてはよくわからない。NSXと過ごした短い時間に、私は曲がりくねった田舎道とハイウェイの長い直線を走った。それでもまだ結論が出せない。ある意味、それが私の結論なのかもしれない。NSXは17万9000ドル(約1930万円)という価格に相応した素晴らしい車だが(日本では2420万円より)、ドライビングダイナミクスの点でポルシェ911ターボやアウディR8やAMG GT Rを上回る何かを提供してくれているだろうか?私にはわからない。しかし、素晴らしいスマホホルダーが搭載されていることだけは確かだ

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(翻訳:金井哲夫)