Audiがレベル2の自動運転システムを米市場に展開、研究・販売のためのオフィスをシリコンバレーに開設

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Audi(アウディ)は高度な運転者補助システムを米国市場に適合させ、開発していくために、シリコンバレーにオフィスを開設した。

Audi Automated Driving Development(A2D2)と名付けられたR&Dオフィス はサンノゼにあり、まず約60名の社員が勤務する。同社によると、A2D2には「新しいソフトウェアを迅速に開発し、近隣のスタートアップと協力して生産性の高いアプリケーションを開発する柔軟性がある」という。

この新しいR&Dオフィスは、Society of Automobile Engineers(米国自動車技術者協会、SAE)が定義する自動運転車のレベル2システムの開発にフォーカスする。レベル2システムは、2つの主要機能(ステアリングと加減速)が自動化されるが、常に人間のドライバーが必要というものだ。SAEの定義には5つのレベルがあり、レベル4は一定の条件下で運転のすべての要素を自動車自体が扱い、人間は介入しない。Argo AIやAurora、Cruise、Waymoなどはこのレベルに取り組んでいる。一般的にはるかに遠い目標だと考えられているレベル5では、あらゆる環境と条件下で運転のすべてを自動車自体が行う。

レベル2へのフォーカスは重要な決定だ。アウディはレベル3の自動化システムであるTraffic Jam Pilotを開発し、2017年にデビューする新世代車のA8に搭載するはずだった。しかし何度も延期を繰り返し、2020年5月にアウディはレベル3の自動化運転システムの実用化を諦めた。Traffic Jam Pilotは理論的には人間ドライバーが注視していなくても車両自体が自ら運転できるレベルだが、結局それが商用化されることはなかった。

同社は5月にTechCrunchに対して「法的フレームワークがないので明確なメーカー責任の定義ができない」と語っている。さらに厄介なことに、A8の世代は終わろうとしていた。アウディは、フレームワークの進捗の約束もないままで、A8のための自動運転車機能に資金を注ぎ込み続けるという事態に直面してしまった。

そこで同社は方針を変更し、実際に乗用車に実装できる高度な運転補助システムに資本と関心を向けることにした。同社によるとA2D2は、北米の道路と運転行動に向けたADASハードウェアおよびソフトウェアの開発に特化する最初のR&Dオフィスになる。

米国アウディ(Audi of America)のADAS担当ディレクターであるFrank Grosshauser(フランク・グロシャウザー)氏は「北米地区の運転者補助技術は急速に進歩しているため、自ら最新のブレイクスルーの一部になり、最先端のスタートアップたちと協働して、優秀な人材を引きつけることが重要だ」と述べている。

アウディのスポークスパーソンはメールに「A2D2のオフィスは、当面の間、ここ米国における今後の前進のために極めて重要な存在であり、しかも運転補助だけでなく、ありとあらゆるセンサーシステムとそれらの組み合わせ、それによる運転体験と安全性の向上および近未来における顧客の利用のためにも重要なのだ」と記している。

A2D2のオフィスは、複数のAudi Q7開発車にデータ収集用のルーフ搭載型センサーキットを提供している。それらのデータにより、2023年に導入予定のクラウドベースの自動化運転手補助ファンクションが開発される。A2D2の開発車はQRコードでウェブページにリンクし、そこでは人々がアウディの進歩とアップデートを手に入れることができる。

同社は現在、Volkswagen Groupが新たに作った部門であるCar.Softwareとともに、自動化運転技術の研究開発を行なっている。今やVolkswagen Groupのすべてのブランドが、自動化運転技術の開発をこの新部門に集中させている。

画像クレジット:Audi

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa