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カーネギーメロン大学が文章を自動で丁寧な表現に直すテキスト解析エンジンを開発

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普段はぶっきらぼうなメッセージを送っているが、もっと丁寧な文章が書ければ日常のコミュニケーションが改善されるだろうにと考えているなら、カーネギーメロン大学(CMU)の新しい研究が救いになるかもしれない。CMUの研究チームは、お願いや連絡のための文章を自動的に丁寧な表現に直してくれる技術を開発した。この技術は応用の幅がとても広い。要は文法チェックソフトのGrammarly(グラマリー)のように文章の基本を教えてくれるわけだが、単に文法的に正しい文章にするというより、文章の調子を整えるようにデザインされている。

Language Technology(言語技術)研究室の博士課程に在籍するShrimai Prabhumoye(シュリマイ・プラブモエ)氏をはじめ、修士課程のAman Madaan(アマン・マダーン)氏、Amrith Setlur(アムリス・セトラー)氏、Tanmay Parekh(タンメイ・パレク)氏らを含むこのCMU研究チームが開発したこのエンジンは、スタイル変換メカニズムをベースにしている。AIを使って写真を別の画像の雰囲気に合わせて変換するソフトウェアと同類のものといえばおわかりいただけるだろうか。このプロジェクトでは、Enron(エンロン)の従業員が交わしたおよそ50万通の電子メールからなるデータセットを利用している。このメールは、同社の不正取引に関連する訴訟手続きの際に公開されたものだ。

不正を働いた企業ではあるが、その従業員たちが互いに交わした電子メールの文面は、大きな企業に勤めたことのある人ならおわかりのとおり、要望や返答は共通の儀礼に則った丁寧な形式に当てはめられていた。これが、コンピューターに言語学アルゴリズムを学習させるためのよい基準となった。そして必要最低限の、あるいは礼節を欠く要求文を、より人間らしい思いやりや品位のある文章へ変換できるようになる。例えば「Show me last month’s reports(先月の報告書を見せてくれ)」という文章は「Could you please send me the reports from last month?(先月分の報告書を送付願えますか?)」となる。

比較的単純な処理のように見える。どんな文章でも「お願いします」や「ありがとうございます」を付ければ済みそうなものだと考えているかもしれないが、しかし研究チームによれば、実際にはもっと微妙な調整が必要だという。なぜなら、私たちが丁寧な文章を書こうとするとき、上の例のように、命令をお願いに変えるなど、より多くの要素が絡んでくるからだ。

CMUの研究チームが開発したこの自動化方式では、今のところは、改まった環境(職場など)で使われる北米英語にしか対応できない。その他の地方に合わせるためは、地域によって丁寧とされる言葉遣いが大きく異なるため、膨大な作業が必要になるという。しかし現在のレベルでも、例えば自動カスタマーサービスのチャットボットや電子メールクライアントによるテキスト入力候補の提案などには大いに活用できそうだ。

事実、テキスト入力候補の提案を多用する企業は、すでにこの技術に興味を示している。Apple(アップル)も米空軍研究所、米海軍研究事務所、全米科学財団、Nvidia(エヌビディア)とともにこの研究を支援している。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)