2020年上半期の世界のアプリ売上高は5.4兆円に急増、新型コロナ需要で

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【特集】勃興するEdTech

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響を受けて、2020年上半期に消費者がモバイルアプリやアプリインストールに費やした額は著しく増加した。Sensor Towerの新たなデータで明らかになった。今年上半期に、消費者はApple(アップル)のApp StoreとGoogle Playで501億ドル(約5兆4000億円)使った。昨年同期に比べ23.4%増だ。参考までに、2019年上半期の成長率は2018年上半期比20%増だった。加えて、初回アプリインストールが2020年上半期は前年同期に比べて26.1%増え、ダウンロードは715億回に達した。

そうしたダウンロードのうちAppleのApp Storeは183億回を占め、前同期比22.8%増だった。一方、Google Playでの新アプリインストールは532億回で前年同期比27.3%増だった。

インストール回数はGoogle Playのほうがかなり多いが、消費者支出においてはApp Storeのほうが引き続きGoogle Playをしのいでいる。

2020年上半期にApp Storeはアプリ内購入、サブスク、プレミアムアプリ、ゲームで328億ドル(約3兆5000億円)を売り上げたとSensor Towerは推定している。2019年上半期の263億ドル(約2兆8000億円)から24.7%のアップだ。Google Playの数字はApp Storeの約半分の173億ドル(約1兆9000億円)で、前年同期比21%増だった。

パンデミックの影響は2020年上半期に売上が大きかった(ゲーム以外の)アプリに集中している。例えば、最も売上高が大きかったのはMatchのオンラインデートアプリTinderだった。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)の影響でトップ5から外れるだろうと思っていた人もいたかもしれない。

今年上半期の期間中、Tinderの売上高はApp Store、Google Play合計で4億3300万ドル(約465億円)だったと推定されている。ただ、この数字は2019年上半期の5億3200万ドル(約570億円)から約19%減となった。その減少がどれくらいパンデミック中の消費者の行動や消費習慣の変化と関係しているのかははっきりとしない。外出禁止令や隔離で人々は家に閉じこもって他人との距離を保ったものの、ソーシャルネットワーキングアプリ、特にオンラインコミュニケーションにフォーカスしているアプリはロックダウン中も盛況だった。

Tinderは、「Passport」機能を無料にすることでオンラインネットワーキングにおける増大する関心を取り込んできた。この無料化された機能ではユーザーは世界中のシングルの人を探すことができ、現実世界でのデートにフォーカスしているアプリよりも、Tinderはよりソーシャルアプリになっている。しかしPassport機能の無料化は今年上半期のTinderの売上高の減少につながったかもしれない。

2020年上半期中に2番目に売上高の大きかったアプリはYouTubeで、グローバルで推定4億3100万ドル(約460億円)だった。そしてByteDanceのTikTokが4億2100万ドル(約450億円)で続く。Sensor Towerが先に報じたところによると、中国で展開するDouyinを含め、ソーシャルビデオアプリのTikTokは上半期にこれまでで最多のダウンロード数となり、グローバルで20億回を超えた。

Tencent Videoが第4位、Netflixが第5位だった。

一方、パンデミックで在宅を余儀なくされた消費者はかなりの数のアプリとゲームをダウンロードした。今年上半期に消費者は初めてのアプリを715億回ダウンロードした。この数字は前年同期比26.1%増だ。

今年上半期に最もダウンロードされたアプリはTikTokで、6億2600万回だった。しかしTikTokを含む59の中国企業のアプリをインド政府が禁止するという動きを受け、TikTokの地位は下半期には全く違ったものになるかもしれない。

ダウンロード数第2位はWhatsApp、第3位はZoomだった。Zoomのダウンロード数は急速に在宅勤務が進み、消費者がオンラインビデオ会議をするようになったことを反映している。FacebookはWhatsAppに加えてFacebookが第4位、Instagramが第5位、Messengerが第6位だった。

Snapchatのソーシャルアプリは第7位で、第8位はビデオアプリのLikeeだった。LikeeはTikTokと似ているが、さまざまなフェースエフェクトやフィルターを提供している。NetflixとYouTubeもトップ10入りした。

モバイルゲーミングの支出もパンデミックの間急増し、今年上半期は昨年同期比21.2%増の366億ドル(約4兆円)に達した。App Storeでの売上高は前年同期比22.7%増の222億ドル(約2兆4000億円)で、一方Google Playでは19%増の144億ドル(約1兆5500億円)だった。

TencentのPUBG Mobileは、Honor of Kingsが上半期最も売上高の多いものとなった。中国バージョン(Peace and Peacekeeper Elite向けのゲーム)を含め、Tencentのゲームは2つのアプリストアで計13億ドル(約1400億円)を売り上げた。ここには中国のサードパーティのAndroidアプリストアは含まれていない。このうちのおおよそ10億ドル(約1075億円)がHonor of Kingsの売り上げだ。

トップ10の残りは、順番にMonster Strike (6億3200万ドル=約680億円)、Roblox、Coin Master、Candy Crush Saga、AFK Arena、Gardenscapes、Fate/Grand Order、そしてPokémon GOだった。Pokémon GOは政府が命じたロックダウン中にインドアゲーミングに対応した。

得にRobloxは、パンデミックで家の中に閉じこもることになった子供たちがバーチャルの世界で友達と遊んだり交流したりするようになったために、利用が急増した。たとえばSensor Towerは6月に、Robloxがプレイヤーの支出額15億ドル(約1600億円)というマイルストーンを達成した、とレポートした。一方のCoin Masterは10億ドル(約1075億円)に近づいている。

ゲームインストールに関しては、PUBG Mobileがここでもトップに立った。その次にくるのがもう1つのバトルロワイヤル、Garena Free Fireだ。そしてRuby Game StudioのHunter Assassin、Eyewind LimitedのBrain Out、 PlayrixのGardenscapes がトップ5に入った。多くの人がストレスの多い期間にこれらのゲームをリラックスできるものとしてとらえた。

モバイルゲームマーケット全体で2020年上半期のダウンロード数は対前年同期比42.5%増で、初回インストール数は285億回に達した。うちGoogle Playでのダウンロード数は46.2%増の228億回で、App Storeのダウンロード数は29.5%増の57億回だった。

新型コロナの影響はQ2でより顕著に

アプリマーケットへの新型コロナの影響は上半期の数字に表れている。たとえば、Zoomや、Robloxのようなソーシャルゲーミングプラットフォームの成長だ。しかし2020年第2四半期にクローズアップすると、新型コロナの影響はより顕著だ。

Sensor Towerの推定では、アプリとゲームの世界の消費者支出は第2四半期に第1四半期比11%増となり、対前年同期比では28.8%増で、264億ドル(約2兆8000億円)に達した。この数字は、2019年第1四半期から第2四半期にかけての成長率1.4%に比べるとかなりのものだ。今年第2四半期のダウンロード回数は378億回で、前四半期比12%増、対前年同期比で31.7%増だった。2019年第1四半期から第2四半期にかけての増加率2.5%と比較すると急激な成長だ。

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カテゴリー:ソフトウェア

タグ:新型コロナウイルス

画像クレジット: Sensor Tower

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(翻訳:Mizoguchi