グーグルが中国などを対象としたクラウドのプロジェクトを中止

次の記事

各国政府からTikTokへのユーザーデータ要求は今年上半期だけで500件

グーグルは1年半にわたって中国やその他の国に向けたクラウドサービスに取り組んできたようだが、5月に同社は「Isolated Region」というプロジェクトを中止した。Bloomberg(ブルームバーグ)の記事によれば、5月に中止されたIsolated Regionによって、国内にデータをとどめて管理したい国でクラウドサービスを提供するはずだったという。

2人のグーグル従業員がブルームバーグに語ったところによると、このプロジェクトはグーグルの他のネットワークから完全に切り離されたデータと処理のインフラストラクチャを構成する「Sharded Google」という大きな取り組みの一部だった。Isolated Regionは2018年前半に始まった。中国に進出したい海外のテック企業は、ユーザーのデータを管理できるよう現地企業とジョイントベンチャーを形成しなくてはならないという中国の規制に対応するためだ。Isolated Regionは、中国やその他の国におけるこのような要件を満たすためのものではあったが、同時に米国の安全保障上の懸念を解消するためでもあった。

ブルームバーグの情報源によると、このプロジェクトは中国に関しては2019年1月に停止し、対象をヨーロッパ、中東、アフリカに切り替えた。その後、2020年5月にIsolated Regionは完全に中止されたが、同社は中国でGoogle Cloud Platformの小規模版を提供することを検討していた。

ブルームバーグの記事で中止の理由は地政学的およびパンデミックに関する懸念だと報じられた後、グーグルの担当者はブルームバーグに対し、Isolated Regionはそうした理由で終了したのではなく、また同社は「中国国内でクラウドプラットフォームのサービスを現在提供していないし提供したことはない」と伝えた。

グーグルの担当者はIsolated Regionを中止した理由を「我々が積極的に進めていた他のアプローチで、これよりも良い結果を得られた。データのガバナンス、運用、ソフトウェアのサバイバビリティに関する要件を満たすために、我々は包括的にアプローチしている。Isolated Regionは我々がこうした要件を満たすために探ってきた道筋のひとつにすぎなかった」と述べた。

グーグルの親会社であるAlphabet(アルファベット)は、2月に公開した第4四半期および通年の収益報告書で、Google Cloudを品目として初めて計上した。それによると、Google Cloudの2019年のランレートは53.6%で100億ドル(約1兆730億円)を超えると公表され、競合のAmazon(アマゾン)やMicrosoft(マイクロソフト)にとってさらに手強いライバルになっている。

グーグルがメディアに対して出した声明は以下のとおり。

「世界各地のお客様や規制機関から、クラウドテクノロジーの採用に関して新たな要件が出てきています。データのガバナンス、運用、ソフトウェアのサバイバビリティに関する要件を満たすために、我々は包括的なアプローチを進めています。Isolated Regionは我々がこうした要件を満たすために探ってきた道筋のひとつにすぎませんでした。お客様との話し合いやヨーロッパなどの政府関係者から得た情報により、我々が積極的に進めていた他のアプローチの方が良い結果を得られることがわかりました。Isolated Regionは地政学やパンデミックの懸念を理由に終了したのではありません。グーグルは中国国内でクラウドプラットフォームのサービスを現在提供していないし提供したことはありません。Google Cloudは中国でGoogle Cloud Platformを提供する選択肢を検討していません」。

関連記事:Alphabetの2019年純利益は広告が好調で1.2兆円

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Google Cloud 中国 Google

画像:Bloomberg / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)