編集ワークフローに触覚的操作を持ち込めるハードウェアコントローラー「TourBox」

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「後で」やろうと思っていた写真アーカイブの編集など、先のばしにして来たクリエイティブプロジェクトを再開するのには、いまはいいタイミングかもしれない。そうした作業をより簡単にできるようにデザインされたさまざまなガジェットが存在しているが、手を出しやすいもののひとつがTourBox(ツアーボックス)だ。これはハードウェアボタンやダイヤル、そしてスイッチを備えた169ドル(約1万8000円)のハードウェアコントローラー。利用者はソフトウェアを使ってカスタマイズを行い、各種クリエイティブアプリケーションで使うことができる。

基本情報

TourBoxは、机の上ではアップル純正のトラックパッド「Magic Trackpad」とほぼ同じ専有面積を占めるデバイスで、USB-Cを介してコンピューターに接続する。そこには十字方向キー、2つのダイヤル、1つのスクロールホイール、7つのボタンが備わっている。専用のTourBoxソフトウェアでそれぞれのキーに機能を割り当てられる。

あらかじめ、Photoshop、Lightroom、Capture Oneなどの一般的な写真編集アプリや、Final Cut Pro、Premiere、DaVinci Resolveなどのビデオ編集アプリ、そしてClip Studio Paintなどの描画アプリを使うための設定が組み込まれている。これらのアプリケーションに対するデフォルト設定は、ユーザーの好みやニーズに応じてカスタマイズすることも可能だ。

TourBoxは、このカテゴリに属する他のより高価なデバイスとはいくつもの点で異なっている。例えば、この製品はキーボードショートカットに大きく依存していて、ソフトウェアの動作を確実に簡略化してはくれるものの、Loupedeck+Loupedeck CKなどのより高級な製品が提供するものと同レベルの統合は提供してくれない。とはいえ、そうした製品はかなり高価なものだ。TourBoxが提供するのは、既存のキーボードによる生産性を置き換えることではなく、補完して向上させたいと思っているプロの作業にフィットすることだろう。

デザイン

TourBoxはコンパクトだが、がっちりしたものに感じられる。想像していたより重かったので、使用中にあちこち動かすというよりも、机の上の定位置に置いて使うものになりそうだ。外装はつや消しのゴム加工されたプラスチックでホコリは集めやすいものの、見た目はよく、触感もいい。

TourBoxのボタンとコントロールは、隆起したスポークや車輪のような突起といった、独自の形状で操作面全体を感覚的に扱うことができる。非対称のレイアウトと外面のため、コントローラーの外見はとても興味深いものとなっている、しかしそうした特徴が、少しの練習で感覚的な操作を習得することをとても容易にしているのだ。長期的な使用のカギとなるのは、TourBoxの操作方法を体で覚えることだろう。これにより、作業時間の節約できるようになる、

ボタンやそのほかのコントロールのデザインは非常に理にかなっているものの、それらの実際の感触はそれほど素晴らしいものではない。細かいコントロールに役立つクリック感のある回転動作など、いくつか素晴らしい点もあるものの、ボタンは全体的に少しぼやけた感じだし、上記で参照したLoupedeckのハードウェアのようなほかのデバイスの上でのコントロールの感触にはおよばない。価格の違いを考えると、物理的コントロールの感触の質の低さは許容範囲かもしれない。実際のパフォーマンスには影響しないものの、心に留めておく必要はあるだろう。

パフォーマンス

ほかの新しいハードウェアコントローラーと同様に、TourBoxに慣れるにはある程度時間がかかる。同社が提供するソフトウェアには基本的なチュートリアルは含まれているものの、異なるアプリケーションで利用する際に手動でプロファイルを切り替えるなどの、直感的ではないユーザーの操作も必要とされている。なお、この先リリースが予定されているメジャーアップデート2.1では、多くの改善点とともに自動プロファイル切り替え機能も提供される予定だ。

TourBoxソフトウェアの使い方を学び、使用するアプリケーションのプロファイルに慣れるのに少しばかり時間を費やせば、TourBoxは確かにユーザーフレンドリーなものとなり、ユーザーはほとんどの共通機能(たとえばズーム、パン、ブラシサイズ変更、取り消しとやり直しなどなど)に対する、多くの時間とキーストロークを節約することができる。

上で述べたように、独特な物理的レイアウトとボタンの形状は最初は奇妙に思えるが、それは最終的には、TourBoxを使用する非常に覚えやすいワークフローを開発できることを意味している。デフォルトでは、ソフトウェアプロファイルに事前に登録されている修飾キーの組み合わせの一部は、私にとっては少々変わった手の動きが必要だったが、全てがカスタマイズ可能なので、より人間工学的に無理のない組合わせへ変更することは簡単だった。

まとめ

自宅の編集環境を支援するハードウェアコントローラーの選択肢は増えているが、169ドル(約1万8000円)のTourBoxは最も手ごろな価格のもののひとつだ。ケーブル1本だけの非常にポータブルなデバイスであるため、どんなバッグにも簡単に収納することができる。

より要求の厳しいプロユーザーなら、Loupedeckの製品検討した方がいいだろうし、Monogram Creative Consoleは、ニーズに合わせて拡張できるシステム用に多くのモジュール式のカスタマイズ機能を提供している。だが、外出好きで出先での編集に熱心で、あまり面倒なことはなしに編集作業を簡単に手早く行いたい人なら、TourBoxは間違いのないオプションだ。

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カテゴリー:ハードウェア

タグ:ガジェット レビュー

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(翻訳:sako)