Tencentと中国の科学者がディープラーニングを使用して新型コロナの重症化確率を予測

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世界中のハイテク企業が、新型コロナウイルスのパンデミックとの闘いを支援するために、フル回転している。研究によれば、新型コロナウィルス患者の6.5%が突然重症化する可能性があり(ネイチャー記事)、その重症例の中での死亡率は高ければ49%にも達する(JAMA記事)ことがある。従って、保健当局の重要な任務の1つは、重度または致命的な症候群に陥る可能性のある患者を早期に特定して治療することだ。

これが、Tencent AI Lab(テンセントAIラボ)と、中国の公衆衛生科学者のグループによって結成されたチームで行われている研究だ。公衆衛生科学者のグループを率いているのは2月の発足以来(Tencent記事)、新型コロナウイルスに関わる中国の上級医療顧問を務めるZhong Nanshan(鍾南山、チョン・ナンシャン)氏である。

今週このチームが、新型コロナウイルス患者が重症化するリスクを予測できる、深層学習ベースのモデルを発表した。詳細はネイチャーコミュニケーションズで発表された。そこでは同ラボが、中国の575カ所の医療センターの1590人の患者群に基づいてモデルをどのように考案したのか、そしてさらに1393人の患者を使ってどのように検証を行ったのかが詳述されている。

共同ラボはこの予測機能をオンラインで利用できるようにして(Tencentサイト)、世界中の臨床スタッフが10種の臨床パラメーターを使って、5、10、30日以内に重症になる確率を計算できるようにした。これが直接焦点を当てているのは新型コロナウイルスだが、研究室の長期的な使命は、自身の言葉で表現するなら「ビッグデータとAIを使用して、大規模感染、呼吸器疾患、および胸部疾患に向けての、スクリーニング、予防、制御、および警告を行うこと」である。

中国の他のハイテク大手も、この致命的なウイルスを封じ込めるために同様のプロジェクトを進めている。Alibaba(アリババ)は、機械学習とディープラーニングを使用して、90%の精度で新型コロナウイルスの拡散を予測できるとする公共機関向けのツール(Alibabaサイト)を開発した。Baidu(バイドゥ)はウイルス構造解析のアルゴリズムをオープンソース化(Baiduサイト)したが、同社はこの手法が従来の方法より120倍速いと主張している。

Tencent AI Labは、ビデオゲームやソーシャルネットワークなどの収益ビジネスと並んで、最先端のテクノロジー開発競争に身を投じようとする、Tencentの取り組みである。2016年に発足した研究部門は、70人の研究者と300人のエンジニアのチーム(Tencent AI Labサイト)を抱え、コンピュータービジョン、音声認識、自然言語処理、機械学習に取り組んでいる。

同ラボは、アリババのDamo Academy(ダモアカデミー)やBaidu Research(バイドゥリサーチ)などの国内ライバルと競争しながら、世界最高のAI人材を追い求めている。多くの場合、それは著名な科学者を雇って若い才能を引き付けることを意味している。近年、BaiduはAndrew Ng(吳恩達、アンドリュー・ン)氏とLu Qi (陸奇、リー・キー)氏の辞任に苦しみ、Tencent AI Labもまた、昨年その代表的な人物である Zhang Tong (張潼、チャン・トン)氏を失っている(未訳記事)。

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(翻訳:sako)