NASAが火星探査車搭載ロケットの打ち上げに成功、古代微生物の痕跡を探す旅へ

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NASA(米航空宇宙局)は史上最も重要な科学ミッションの一つとされるMars 2020ミッションのスタートを切り、火星探査車(ローバー)であるPerserverance(パーセヴェランス)を載せたロケットを打ち上げた。この探査車はロボッティック探査車 Curiosity(キュリオシティー)の後継であり、火星で古代微生物の痕跡を発見するために作られたセンサーを装備している。

Mars 2020は米国東部夏時間7月29日午前7時50分(日本時間7月30日午後8時50分)に、フロリダ州ケープ・カナベラルを出発した。PerseveranceはUnited Launch Alliance(ULA)のAtlas Vロケットに搭載され、ロケットは順調に離昇したあと第2ステージを切り離し、火星への旅に向けて待機するためのパーキング軌道に宇宙船を送り込む。火星には2021年2月に到着する予定だ。

火星に着いたら、2021年2月18日に着陸船がPerseveranceを火星表面に運び、Jezero Crater(ジェゼロ・クレーター)と呼ばれる着陸地点に向かう。そこは、かつて火星が現在のような乾燥してほこりまみれで低温な環境と異なるはるか昔には湖だった場所だ。ここが選ばれた理由は、存在するかもしれない微生物の何らかの痕跡を見つける最良の場所であり、火星で最も保存状態のいい三角州沈殿物が見られるからだ。

NASAの科学者らはPerseveranceに搭載した機器を使って火星の生命の存在を確認できるとは期待していない。しかし、かつて生命が存在するために必要だった環境や物質を示す強い可能性を発見できると考えている。究極の証拠は、2026年に予定されている待望の火星サンプル回収ミッションで見つかるかもしれない。このためにNASAは、Perseveranceが収集したサンプルを載せて火星表面から離陸することが可能な帰還用ロケットを火星に送り込む。ロケットはその後、欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げ予定の探査車とも出会ったあと、科学者たちの待つ地球への帰路につく。

Perseveranceには、動力源である原子力電池、環境センサー、カメラ、その他何らかの古代生命の保存された証拠を収集するための機器群に加え、マイクロホンを搭載している。別の世界の表面にマイクロホンが持ち込まれるのはこれが初めてであり、つまり、別の世界の表面でどんな音がするのかを聞けることを意味しており、これはこれまでになかったことだ。

Perseveranceには、Ingenuity(インジェヌイティー)と呼ばれるヘリコプターも載せられている。史上初めて自力で飛行する小型ドローンで、冷たい火星の夜を生き延びるために自身を温めるように作られている。30日間に5回の飛行を予定しており、カラー写真も撮影する。見晴らしのよい空中から撮る初めての写真だ。

歴史的Mars 2020ミッションは大きな第一歩を踏み出した。注目すべき次の大きな節目は約2週間後に宇宙船がエンジンに点火して地球軌道を離れ、火星への長い旅を始める時だ。

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カテゴリー:宇宙

タグ:NASA 火星

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook