AI医療機器スタートアップのアイリスが資金調達を実施、累計調達額が約29億円に

次の記事

東京大学とソフトバンクなどが「Beyond AI 研究推進機構」設立、10年間で最大200億円を拠出

AI医療機器スタートアップのアイリスは8月6日、資金調達を実施し、2017年11月創業からの累計資金調達額が約29億円となったと発表した。引受先は、トヨタ自動車を主な出資者として、スパークス・グループ運営の「未来創生2号ファンド」、CYBERDYNEと同社子会社運営のCEJファンド(サイバニクス・エクセレンス・ジャパン 1号投資事業有限責任組合)。

調達した資金は、AI医療機器のさらなる研究開発の加速とグローバル展開に向けた準備、優秀な人材の獲得に利用する。

アイリスは、AI技術を用いた高精度・早期診断対応のインフルエンザ検査法の開発を進行。2019年4月には第一種医療機器製造販売業を取得、2019年5月には塩野義製薬とBeyond Next Venturesを引受先とする12.5億円の資金調達を実施。冬季には大規模な臨床試験を実現し1万人以上のデータを収集するなど成長を続けてきた。

2020年6月にはPreferred Networksとの取り組みを開始し、同社が開発するAI医療機器の上市に向けた支援を実施している。

アイリスは、技術開発と事業のさらなるスピードアップを目指しており、また、開発する機器や技術は広く世界に向けて提供できると考えているという。こうした背景から今回、知能化技術への投資に注力する「未来創生2号ファンド」および医療機器の豊富な海外展開実績を有するCYBERDYNEからの資金調達を実施した。

今後もインフルエンザAI診断支援機器だけでなく、他疾患への展開など、アイリスがミッションとして描く「すべての医師が匠の医療技術を共有し育てることのできる社会の実現」を目指すとしている。

なおアイリスは8月4日、AIエンジニアの吉原浩之氏が所属するチームが、世界的AIコンペティションプラットフォームKaggleの「Prostate cANcer graDe Assessment (PANDA) Challenge」(PANDA Challenge)においてGoldメダルを受賞したことを発表している。また吉原氏は、これまでに獲得していた3つのSilverメダルとこの受賞で、Kaggle Masterの称号を獲得した。同社は、吉原氏が参加したPANDA Challengeは前立腺癌の生体組織診断という医療分野コンペティションにあたり、参加によって得られた技術はアイリスのAI医療機器開発にも大いに活かされるとしている。