クリエイティブなスキルに焦点を移したオンライン学習Skillshareが70億円調達

次の記事

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

Skillshare(スキルシェア)のCEOであるMatt Cooper(マット・クーパー)氏は、新型コロナウイルスの感染拡大により大勢の人たちが家に留まり、娯楽や勉強のためにオンライン学習を始めるようになる以前から、2020年は急成長の年だったと語る。

2017年にCEOに就任したクーパー氏が私に話したところによると、昨年、同社は「持ち前の強みに焦点を当てた」ことが2020円1月の「ブランド再構築」につながり、創造性を主題としたコンテンツを充実させることができたという。同時に、同社は創造性の定義を大きく拡張し、クラスを、アニメーション、デザイン、イラスト、写真、映画制作、執筆といったカテゴリーに分割したと、クーパー氏は教えてくれた。

これはボブ・ロス(Wikipedia)とは違います」と彼は言う。「私もボブ・ロスは大好きですが、あれは創造性のごく一部の話です。創造性とは、アート、デザイン、ジャーナリズム、文芸など、もっといろいろな形で発揮できるものです。料理であっても、クラフトであってもいいのです」。

またクーパー氏は、新型コロナウイルスの感染拡大でアメリカ全土に社会的距離の確保が要請されるようになった3月中旬には、すでに毎日の利用回数が大幅に増加していたとも話している。これはとくに、ユーザーが講師となるクラスと並行して同社が提供している、Skillshare Originals(スキルシェア・オリジナルズ)と呼ばれるより専門的なクラスに、大きな刺激をもたらした。ちなみにオリジナルズでは、イラストレーターのVicto Ngai(倪傳婧、ビクト・ンガイ)による色彩上級クラス、ビジュアルアーティストShantell Martin(シャンテル・マーティン)による「自分の創造的な声を発見する」コース、ジャーナリストSusan Orlean(スーザン・オーリアン)による創造的なノンフィクションのクラスなどがある。

もちろん、クーパー氏が言うように、「多くの人が家で時間を持てあまし、建設的に時間を使う方法を探すようになった」パンデミックの影響もある。実際、ブランド再構築以来、新規登録者数は3倍に跳ね上がり、既存の会員が1日に見るレッスンの数も3倍になったと同社は話している。

Skillshareではまた、「機材を詰めた大きな箱」を講師に送り、遠隔で撮影の監督を行っている。これが、オリジナルズ制作チームの「まったく新しい世界を開いた」とクーパー氏は言う。「カメラマンを派遣して撮影しようとまでは思わなかった、世界のいろいろな部分が見えるようになったから」だ。

Skillshareには、現在、登録会員が1200人、講師が8000人、クラスは3万本ある。すべてのクラスは年会費99ドル(約1万円)または月会費19ドル(約2000円)で受講できる。同社はまた、OMERS Growth Equity主導の新規ラウンド6600万ドル(約70億円)を調達したことを発表した。これに伴い、OMERS Growth Equityの業務執行取締役Saar Pikar(サー・パイカー)氏が取締役会に加わった。これまでの投資会社であるUnion Square Ventures、Amasia、Burda Principal Investments、Spero Venturesもラウンドに参加している。

「Skillshareは、創造的業界のプロにも、日常の創造的なホビイストにも、同等にその需要に応えています。それが、オンライン学習市場に、極めて革新的な価値命題を与えました」とパイカー氏は声明の中で話している。「私たちは、マット・クーパー氏と彼のチームが国際的なリーチを拡大できるよう、さらにSkillshareがオンライ学習への独自のアプローチの潜在力を存分に引き出す助けとなれるよう、Skillshareと、そして仲間の投資家たちとの関係をさらに深めるたいと楽しみにしています」。

同社は前回、4200万ドル(約44億6000万円)を調達しているが、2020年前半のキャッシュフローは黒字であり、成長のための新たなラウンドで資金調達ができたのはそのためだと、クーパー氏は言い足している。この投資は、とくにSkillshareの企業向け製品であるTeamsに向けられる。GM Financial、Vice(バイス)、AWS、Lululemon、American Crafts and Benefitといった顧客企業は、従業員特典としてSkillshareを提供している。

クーパー氏は、世界展開も考えている。新規登録会員の3分の2はアメリカ国外から参加しているように思われるのだが、Skillshareが急成長している市場にインドがある。「地元語のコンテンツも、地元語を話す講師も」ないにも関わらずだ。当面は英語コンテンツ制作に集中するとクーパー氏は決めているが、世界の人たちにも見てもらえるうようにするには、Skillshareはいくつかの課題を解決する必要があるという。異なる通貨での支払いや、異なる言語への対応などだ。

「もう少しだけ簡単に、世界のユーザーが私たちのプラットフォームの価値を引き出せるようになれば、国際市場での劇的な成長が期待できます」と彼は話していた。
画像クレジット:Westend61 / Getty Images
[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)