インドのFacebook幹部がジャーナリストの投稿を批判し刑事告訴

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インドのFacebook(フェイスブック)の経営幹部であるAnkhi Das(アンキ・ダス)氏は、Facebookの公開投稿で彼女の名誉を傷つけようとし、「性的偏見による発言」をしたとして一人のジャーナリストを刑事告訴した。

そのジャーナリスト、Awesh Tiwari(アウェッシュ・ティワリ)氏のFacebook投稿は、ヒンディー語(インドでもっとも広く使われている言語)で書かれているが、見たところ新しいウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事の要約に過ぎない。それは、一部の投稿に対してFacebookのヘイトスピーチに関する規約を適用しないダス氏の施行方針を批判した内容だ。

WSJは先週、インドのFacebookで公益担当の最高幹部を務めるダス氏が、同社のヘイトスピーチに関する規約を、インド首相ナレンドラ・モディ氏が所属するインド人民党の党員による投稿への適用を拒んでいると伝えた。

その記事によれば、インド人民党の少なくとも3人または3組以上の個人とグループが、「暴力を奨励し参加した」ことで内部規約に違反したという。ダス氏はそれらの投稿について、モディ首相の党所属議員に罰則を与えては、この国でのFacebookの事業展望に支障をきたすと話していたと、現在と過去の従業員の証言を元に、同記事は書いている。

この記事は、モディ首相のインド国民党と野党のインド国民会議の両方の政治家も交え、ソーシャルメディア上で議論を巻き起こした。互いに批判し合い、Facebookの政治的な偏りも攻撃された(未訳記事)。一部のユーザーは、Twitter(ツイッター)やFacebookにダス氏の判断を批判する投稿をしている。

米国時間8月17日、ダス氏はデリー警察サイバー部隊と共同で、例の記事を投稿したジャーナリストのティワリ氏を含む数人のユーザーを刑事告訴した。ダス氏によれば、その記事は彼女を中傷し脅迫し、さらに性的な偏見に基づく主張を行ったとのことだ。

ただ、ティワリ氏の件に関しては、彼の投稿は単にWSJの記事の要約であり、そこに、すでに公開情報となっているダス氏の経歴の一部を書き加えてあるに過ぎない。

ティワリ氏は、インドの報道機関Newslaundry(ニューズローンドリー)の記事で、Facebookの当該幹部による告訴は、Facebookでの言論の自由を抑圧するものだと話している。

現地の法律に従えば、ティワリ氏とその他の対象者たちは、起訴されて有罪が確定した場合、性的いやがらせで罰金刑と最高2年の懲役刑、名誉毀損で最高2年、犯罪的脅迫で最高7年の懲役刑に処せられる。

ジャーナリスト保護委員会は米国時間8月19日、ティワリ氏の告訴を取り下げ、彼女の批判する市民の権利を尊重するように呼びかけた(CPJリリース)。同委員会との対話の中で、ティワリ氏は、ダス氏による告訴で彼の名前が知れ渡って以来、告訴、肉体的危害、監禁などで脅迫する電話が、知らない人間から11本もかかってきたと訴えている。

公に言論の自由を約束している企業であるFacebookにコメントを求めたが、すぐには応じてくれていない。

米国時間8月19日のロイターの記事では、アンキ・ダス氏が擁護し、自身もシェアしているインド国民党の所属議員による「イスラム教徒への偏見」を含む投稿を告発するよう求める書簡を、数人の従業員が書いたと伝えてられている。

インドのFacebookのトップAjit Mohan(アジット・モハン)氏は、政治家との癒着がインドでの意思決定に影響を与えているというWSJの記事の主張は「不正確であり何ら有用性がない」と従業員に向の内部投稿で伝えたとロイターの記事は報じている。

Facebookは、WSJの記事でなされた主張に対して、いまだ否定できる証拠を示しておらず、各報道機関への反論も一切行なっていない。公的な声明でFacebookは、「施行は進んでおり、的的な監査も行なっている」と述べている。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook 政治・選挙 インド

画像クレジット:MANJUNATH KIRAN / AFP / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)