イーロン・マスク氏が脳インターフェイスNeuralinkの技術をライブ披露、脳モニタリング装置を移植した豚を使って

次の記事

ボーイングとNASAは無人軌道飛行の再挑戦を2020年9月に設定

Tesla(テスラ)やSpaceXの創業者としても知られるElon Musk(イーロン・マスク)氏が設立したNeuralink(ニューラルリンク)は、人間の脳とコンピューティングデバイス間のインターフェイスの新しい種類を開発するため、過去数年間開発を研究を進めてきた。米国時間8月28日、同社は技術のデモを提供した。マスクは氏全体のプレゼンテーションの目的はリクルートであることを表明してデモをキックオフした。資金調達や他の類いのプロモーションではない。

「我々はお金を集めたり、他の何かをしようとしているわけではありませんが、主な目的は、Neuralinkで働くために来て、私たちが製品を結実させるのを助けるために偉大な人々を説得することです。それを手ごろな価格で信頼性の高いものにして、我々が開発しているデバイスを待ち望んでいる人は誰でもその1つを持つことができるようしたい」とマスク氏。

マスク氏はNeuralinkの技術を一般的に利用できるようにしたいと考えている理由として「記憶喪失、不安、脳の損傷、うつ病、その他の病気の長いリストを含む、時間の経過とともに誰もが何らかの神経学的な問題を抱えることになるからだ」と説明した。もちろん、このようなさまざまな問題の1つの解決策として迅速かつ容易に「解決」できるという明確な証拠はないので、これを同社の合理的な最終目標として見るのは少し難しい。

この目標は野心的なものであり、倫理的、医学的な議論の対象になることは間違いないが、今回マスク氏が実際に示した技術はそうでもなかった。同氏は最初に、Neuralinkが2019年の発表以来のデザインを変更を施したことを明らかにした。物理的なデバイスのプロファイルを小さくして頭蓋骨に取り付けても完全に髪の毛の下に隠すことが可能になったのだ。彼はその大きさを示すために物理的なデバイスを手に持っていた。

続いてマスク氏は、随伴していた飼育員と一緒に近くの檻の中にいた3頭の豚に注目。3頭の豚は、1頭目は未処理で、Gertrude(ガートルード)と名付けられた2頭目には「Link」と呼ばれるNeuralinkデバイスがインストールされていた。3匹目は以前にNeuralinkデバイスがインストールされていたが、その後それが取り除かれた個体だ。

マスク氏は最初、Gertrudeに出てきてもらい、(コメディークラブにいるかのようにバーの高さのテーブルに座っていた)社会的に距離を置いた少人数の観客のためにパフォーマンスをするように説得したが苦労していた。そこでマスク氏は、Gertrudeを紹介する前にLinkを取り除いた3頭目の豚が非常に健康で普通に見えることを示した。

そしてGertrudeに戻ると、LinkがGertrudeが食べ物を探して歩き回っているときに鼻で何かに接触したことを検出したことを、マスク氏は音で再生して視覚的な動きを表示するディスプレイを見せた。

「初期のデバイスでは、約1024チャンネルの各チャンネルで読み取り、書き込みが可能で、バッテリーの持続時間は1日中。ひと晩で充電でき、かなり長い連続使用時間を実現しているので、スマートフォンに近い感覚で利用できる」とマスク氏。「これは重要なことだ。なぜならLinkはスマートフォンに接続し、その専用アプリケーションはそのスマートフォンにインストールされており、Linkは基本的にBluetooth Low Energy(低電力無線通信)であなたの頭の中のデバイスと通信するからです」と続けた。

マスク氏は、同社が7月に米国食品医薬品局(FDA)からこのBreakthrough Devices Programという自主的なプログラムへの参加を認められたこと「必要な承認とさらなる安全性試験を待って、まもなく最初のヒトへの移植に向けて準備を進めている」ことに言及し、プレゼンテーションの準備部分を締めくくった。

今回のデモで披露されたのは、豚の脳内の信号からデータを受信する読み取りデバイスに過ぎなかったが、今後は読み取りと書き込みの両方の機能を提供し、前述のような神経学的な問題に対応できるようにすることを目標としている。またマスク氏は、Linkを無事に取り除いた豚を見せたのは、よりよいバージョンが利用可能になれば、時間をかけてハードウェアをアップデートしていく計画であることを強調した。イベント最後の質疑応答で同氏は、Neuralinkはハードウェア自体のコストを最小限に抑え、現在のウェアラブルデバイスのように価格を1000ドル(約10万6000円)程度にしたいと語った。

マスク氏はプレゼンテーションの中で、NeuralinkデバイスのLinkを「小さなワイヤーで頭の中のFitbit」と呼んでいた。同氏がLinkを使って実現したいと考えているのは、Tesla(テスラ)車を呼び出す機能や、ビデオゲームのコントロールインターフェース(Starcraftの完全なコントロールを含む)が含まれる。また同氏は「将来Linkのユーザーは『記憶を保存し再生する』ことができるようになると期待している。『これはますますブラック・ミラー(Netflixなど放映中のサスペンス・ミステリー)のエピソードのように聞こえるかもしれない』」と述べた。私が思うに彼らはかなり予測が得意だと思う。同氏は「ロボットの体にメモリをダウンロードできる可能性がある」とまで言った。

最初の臨床試験では、頸髄損傷による麻痺や四肢麻痺の人を対象する計画だ。この技術の有効性と安全性をテストするために、対象となる人々の「少数」を登録する。

  1. neuralink-1

  2. neuralink-2-1

  3. neuralink-3

  4. neuralink-4 (1)

  5. neuralink-5

  6. neuralink-6

  7. neuralink-7 (1)

  8. neuralink-9

  9. neuralink-8

  10. neuralink-10

  11. neuralink-11

  12. neuralink-12

  13. Screen-Shot-2020-08-28-at-6.53.30-PM (1)

  14. neuralink-12-1 (1)

  15. neuralink-13

  16. neuralink-14

  17. neuralink-15

  18. neuralink-16

  19. neuralink-17

カテゴリー:人工知能・AI

タグ:Neuralink イーロン・マスク / Elon Musk

画像クレジット:Neuralink

【2020.08.29 17:35修正】Neuralinkの想定価格の為替換算に間違いがありました。お詫びして訂正いたします。

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)