コーポレートカードを通じたB2B SaaSビジネスのAirbaseが急成長中

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TechCrunchは数週間前、コスト管理機能が特徴のコーポレートクレジットカードのスタートアップであるRamp(ランプ)が、「プラスチック」ビジネスに加え経費管理ソフトウェアに進出した(未訳記事)と書いた。筆者は記事の最後に、企業や消費者のプラスチックカードを引き受けたり供給したりすることに意欲的な企業が非常に多いことを考えると、「実際のところカードは現時点でコモディティにはなっていない」のではないかと書いた。

ある会社がその考えを体現した。TechCrunchが最後にAirbase(エアベース)を取り上げたのは今年3月だ。同社はシリーズAラウンドで2350万ドル(約25億円)を追加調達した(未訳記事)。それ以前のシリーズAのトランシェの約3倍の評価だった。

CEOのThejo Kote(テジョ・コテ)氏は、カードはそれ自体が「メインイベント」ではなく、ソフトウェアのイネーブラー(助ける存在)であるとTechCrunchに語った。同氏は、コーポレートカードビジネスではなく、企業向けの支出管理ソフトウェアを開発したいと考えている。

AirbaseはコーポレートカードとSaaSの金融ツール一式により企業の会計部門と従業員をサポートする。同社は取引手数料から収益を稼ぐ。つまり、配布するカードを使って行われる取引の一部を手にする。一方で、同社の収益の大部分は定期的なソフトウェア収入からのものだと同社はTechCrunchに述べた。

同氏の見方は筋が通っている。バーチャルカードの人気の高まりと同様、「クレジットカード」は物理的な商品を買ってすぐに身につける、というよりはデジタルによる支出の手段となる可能性が高い。そこでデジタルプラスチックとそうでないものを区別するものは何か。おそらくその周りにあるソフトウェアだ。

ソフトウェアへのゲートウェイとしてのカードは、実際にはきちんとしたビジネスモデルだ。Airbaseが両方の製品から収益を得られるからだ。一部のSaaS企業が自ら支払い支援に参入して別の収益源として立ち上げるやり方(未訳記事)に少し似ている。コテ氏によるとAirbaseにとってはB2B SaaSビジネスがメインであり、取引手数料は二次収入だという。

これは、Airbaseのユーザー支出関連の収益が伸びていないことを意味しているわけではない。コテ氏によれば、Airbaseのユーザー支出は、例えば2020年の第2四半期には2019年第2四半期の5倍になった。同時に、2020年7月31日までの4四半期でAirbaseの年間経常収益(ARR)は280%に増加した。ただしその数字には取引手数料が入っており、それを含めることには議論の余地がありそうだ。また同社は「2020年の最初の2四半期」における既存顧客維持率(リテンションレート)が126%だったと主張した。参考までに、Finixと同様(未訳記事)、Rampのユーザー支出も上昇している(未訳記事)。

従って、Airbaseは少なくとも成長に関しては順調だ。

Airbaseは自社のソフトウェアスタックを構築し続け、さらに同社のプロダクトへの投資を続ける計画だ。支出を集中管理するツールにより、企業は時間を節約でき、会計処理をよりスムーズかつ迅速に行うことができる。もちろんそれによりAirbaseと顧客の結びつきが強くなり、SaaSや手数料取引の解約が発生する可能性は低くなる。

フィンテックと言えば一時期は銀行口座情報にオンラインでアクセスすることを意味した。それから、対面よりもオンラインでより多くの銀行業務を行うことを意味するようになった。その後、支出管理サービスとオンライン投資ツールの波が押し寄せた。最近では、少なくとも理論的には、銀行業務と投資がデジタル面から再構築され、手数料が下がり、アクセスしやすくなってきた。

したがって、次にコーポレートカードが見直され、Ramp、Brex、Airbaseなどのプレーヤーが、企業の支出の将来や市場シェアをどう獲得していけばよいのか理解しようとするのは当然のことだ。勝者は誰になるのか。

画像クレジット:Damien Meyer / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi