黒人女性起業家のための資金調達への道を拓く「When Founder Met Funder」イベント

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救急救命士の黒人女性・Breonna Taylor(ブレオナ・テイラー)氏を就寝中に射殺した警察の残虐行為など数々の事件を受けて人種的正義が叫ばれる中、テック業界の企業や投資家は「Black Lives Matter」を叫ぶだけでく、黒人の命が重要であることを示すべきときが来ている。クラウドファンディングやコミュニティ構築などの事業を手掛けるHuman Utility(ヒューマン・ユーティリティ)のCEOを務めるTiffani Ashley Bell(ティファニ・アシュレイ・ベル)氏の言葉を借りれば、「雇用して、送金せよ」ということになる。

黒人女性は資金不足でテクノロジー業界での評価が低い。digitalundividedの2018年の報告書によると、2009年以来黒人女性が受けてきたのは全ベンチャー資金の6%だ。アメリカン・エキスプレスによると、2014年から2019年にかけて黒人女性が所有する新しいビジネスが50%増加したにもかかわらず、依然低い数値になっている。

All Raise(女性起業家や資金提供者の成功を支援する非営利団体)が主催する黒人女性起業家(BFFs)のためのイベント「When Founder Met Funder」は、コミュニティを育成し、BFFsへの投資をさらに促進することを目的としている。2年目を迎えた同イベントは、Incredible Healthの共同創業者兼CEOであるIman Abuzeid(イマン・アブゼイド)氏、Slutty Veganの創業者兼CEOであるPinky Cole(ピンキー・コール)氏、Y CombinatorのCEOであるMichael Seibel(マイケル・セイベル)氏、Cake Venturesの創業パートナーであるMonique Woodard(モニーク・ウッダード)氏などが参加した。

このイベントの共同企画者であるDomonique Fines氏(ドミニク・ファインス)はTechCrunchに対し「さまざまな内容の講演ができることはとても重要でした。私は、黒人女性の起業家がいることを知ってもらいたかったのです。彼女たちがみんな同じ道を歩んでいるわけではないかもしれませんが、同じ道を歩んでいないからといって同じ成功を収められないわけではありません」 と語った。

All RaiseのEngagementディレクターで、When Founder Met Funderの共同クリエイターを務めるDomonique Fines(ドミニク・ファインス)氏(画像提供:All Raise)

ファインズ氏は、このAll Raise主催イベントに参画する前、シリコンバレーのアクセラレーターであるY Combinatorでイベントのディレクターを数年間務めていた。「バッチが大きくなるにつれ、黒人女性の数が少なくなってきた」と同氏は振り返る。

Y Combinatorの最新のスタートアップのバッチでは、起業家の9%が女性で16%の企業に女性の起業家がいたが、黒人の起業家はの4%、企業に黒人の起業家がいたのは6%だった。しかし、Y Combinatorは黒人女性起業家の統計を出さなかった。

「私にとって重要だったのは、人々と話しているのを心地よく感じるという経験を彼女たちに与えることでした。私はこれまでそのような光景を見たことがありませんでした」とファインズ氏。

同氏によると、YCのイベント後にオークランドに戻ったとき、周りには多くの黒人女性が集まったそうだ。その中の黒人女性の起業家たちは「自分が劣っていると感じることなく、自分たちが答えを必要としている質問をしてもその回答がなかっただけです」と振り返ったそうだ。

「それが彼女の情熱だった」とファインズ氏。なお、名門VCであるAndreessen HorowitzのCultural Leadership FundのMegan Holston-Alexander(ミーガン・ホルストン-アレクサンダー)氏とPlanet FWDの創業者であるJulia Collins(ジュリア・コリンズ)氏は、すでにAll Raiseにボランティアとして参加していた。

「私たちの頭の中にある考えを1つにまとめてみました。戦術的で役に立つようなことができるようにしたいと思っていましたが、When Founder Met Funderはただのイベントではありませんでした。これは経験であり、私たちは黒人女性が1年中必要な助けを受けられるようにしたいと思っています」とファインズ氏。

イベントに加えて、今年はコミュニティの次のステップを決めるためにSlackグループが結成された。現在、いくつかのアイデアも出始めている。具体的には、起業家のブートキャンプ、イベントへのスピーカーの追加、より良いネットワーキングやワークショップの促進などだ。もちろん、最終的にはグループ全体の方針次第だ。

「いま何が必要なのかを正確に知るために彼女たちを調査する予定です。調査内容は、世界で何が起こっているかによって毎日変化します。私たちが彼女たちのためにやっていることが、非常に役に立つものであることを確認したいと思っています」と同氏。さらに資金調達やデッキ構築についての小規模なクラスを開催することも想定している。

「これらは人々が多くの援助を必要としています。しかし、彼女たちはまたそれについて本当に正直に話してくれる人を必要としています」と続ける。セイベル氏はイベント中のコリンズ氏との会話の中で、この正直さの要素に触れ、彼はスタートアップの資金調達をしていたときの話をしてくれた。

「私がスタートアップを始めたのは2006年で、私たちのようにスタートアップをやっている人はほとんどいませんでした」と彼は聴衆に語った。「あなたが予想していたのは明らかな差別だったと思いますが、実際にはフィードバックのない別のものを得ました」と続けた。

彼は続けて「人々は批判的になることを恐れている」と語り、それは、ある方法で見られることを恐れているからだと説明した。つまり「人々は私に批判的になることを恐れている」ということだ。こういった経験を経てセイベル氏は「自分が創業者に誰もが考えていることを伝えるタイプになった」と語った。「賛成であろうと反対であろうと、人々が何を考えて何を言わないのかについて、いい行動のイメージを持ってほしい」とセイベル氏。

When Founder Met Funderイベントには、1日を通して120人の起業家と40人のVCが参加した。ファインズ氏の次のステップは、彼らの連絡先をベンチャーキャピタリストに提供することに同意を得ることだ。「多くのVCが会話を続けたいと思っていることに気付きましたが、起業家の皆さんにもそれを快く感じてもらえるようにしたい」と同氏は語った。

来週には、起業家のニーズをよりよく理解し、どこでイニシアチブを取るべきかを理解するために起業家に追加調査を実施する予定だ。「私は、コミュニティの結びつきを維持していきたいと思っています。これは簡単なことではないので、彼女たちには継続的にプッシュしてもらいたいと思っています」と同氏は締めくくった。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:差別

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画像クレジット:All Raise

(翻訳:TechCrunch Japan)