Wildtypeが寿司で食べられる細胞培養サーモンの限定予約受付を開始

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培養サーモンのスタートアップであるWildtype(ワイルドタイプ)は、選ばれたシェフに対して予約注文の受付を始めた。

同社創設者の話では、商品化されるのはまだ5年も先の話だが、生食可能な寿司グレードのサーモンをメニューに加えたいと考える世界の選りすぐりのシェフをパートナーにしたいと考えている。

「今すぐ発売するわけではありません。次なる試行段階に入ったというニュースを発信しているのです」と、共同創設者のJustin Kolbeck(ジャスティン・コルベック)氏はいう。彼は米国の元外交官で、アフガニスタン駐在中にまず目にした食料安全保障の問題に対処したい(未訳記事)と、この会社を立ち上げた。

「寿司屋でみなさんが注文するのは巻物、握り、刺身です」と彼は話す。そのため、Wildtypeの製品は、寿司用に寿司職人が準備する柵の形でサーモンを提供することになる。「寿司職人は280グラムから400グラムほどのサクを魚から切り出します」とコルベック氏。「そこから少しずつ握り用に切り出し、残りは巻物に使います。私たちは最初の製品を、この3つすべてのフォームファクターに対応できる形にデザインしました」。

その工程は、単に細胞を培養するよりも難しい。コルベック氏ともう1人の共同創設者Arye Elfenbein(アリー・エルフェンベイン)氏によれば、同社は、天然サーモンの味と食感を再現するための、筋肉組織と脂肪の両方が成長できる足場材料構築技術を独自に開発したという。

「私たちは、細胞株を自社で開発しようとしています。足場材料を開発し、培養に必要な栄養素を開発し、細胞を成長させるための培養装置も開発しています」とコルベック氏は話す。

Wildtypeの寿司グレードの培養サーモン

培養肉産業が、その可能性を最大限に引き出せるようになるには、各企業はサプライチェーンの中の1つの要素に特化したビジネスを進める必要があると、彼らは話す。

すでに、Future Fields(フューチャー・フィールズ)などは、培養食品サプライチェーンの特定の用例に集中するための資金を調達している。Wildtypeもその路線でいくと、エルフェンベイン氏はいう。

「私たちが作り上げたものには、組織化と成熟のための適正な信号を細胞に与える能力に特殊性があります」とエルフェンベイン氏。「これは、今私たちが取り組んでいるサーモンだけでなく、他の種にも適用できます。基本的に私たちは、場所ごとに細胞が脂肪を蓄えられるよう、つまり、線状になるように、場所ごとに適正な誘導が行える足場材料を作っているのです」。

すでにWildtypeは、栄養素の面で、そして利用者がより健康であるとの理由でサーモンを選ぶ根拠となるオメガ3脂肪酸の面で引けを取らない寿司グレードのサーモンの培養に成功している。

現在Wildtypeはサンフランシスコ、ポートランド、シアトルのレストランと協力関係にあるが、米国の他の地域でもシェフを探している。

コルベック氏は、今が同社の培養肉には最良の時期だと考えている。現在の消費者は、海産物のサプライチェーンが崩壊し、店ではより多くの人たちが食肉コーナーから海産物コーナーへ引き寄せられるようになっている現状に気づき始めているからだ。

魚の不正表示から陸上養魚、海洋養殖、環境劣化に関連する問題、さらには魚に含まれる化学物質の危険性などが影響し、魚を買い求める客たちは、自分が口にする魚の出所の情報に気を遣うようになってきた。

「このニュースは、私たちは産業としての寿司に賭けている、そしてそこで大きな波紋を起こす(洒落ですが)ということを伝えるものです」とコルベック氏は話していた。

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カテゴリー:フードテック

タグ:Wildtype 細胞培養 食品

画像クレジット:Arye Elfenbein / Wildtype

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(翻訳:金井哲夫)