アップルがApp Storeのルールを改定、ゲームストリーミングアプリを条件付き許可、アプリ内課金を明確化

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アップルは米国時間9月11日、「App Store Guidelines」のアップデート版をリリースした。ゲームストリーミングサービス、App Clips、ウィジェットなどの新しい機能やテクノロジーにどうアプローチするかを明確にするとともに、特定のカテゴリーのアプリからアプリ内購入をいつ、どのように集めるかについてのスタンスをより詳細に示すことを目的とするものだ。

今回の変更は、アップルがアプリ内購入の使用に関する要件をめぐってEpic Gamesと法廷で争っている最中に実施された。また現在同社は、App Store事業が米国、EU、オーストラリアなどにおける独占的慣行について規制当局による調査を受けている。

アップデートの一部は、アップルが今秋リリース予定のiOS 14で導入するテクノロジーにアップルのルールをどのように適用するかを説明するためのものでもある。

改訂されたガイドライン(2.5.16)では、iOSの新機能、特にApp Clips、ウィジェット、エクステンション、通知を対象としている。App Clipsとは。機能が限定されたアプリのスリム化バージョンのようなものだ。ガイドラインでは、これらすべてのフォーマットのコンテンツがメインアプリのコンテンツの機能に関連していることを要求している。また、メインバイナリ(メインの実行可能ファイル)に含まれなければならず、広告を含めることはできない。

新しいガイドラインの重要な変更点の1つ(3.1.2a)については、アップルがMicrosoft xCloudやGoogle Stadiaのようなゲームストリーミングアプリにどうアプローチするかを説明している。ルールによると、アップルはこれらのサービスをApp Storeで配布できるようにするが、サービスが提供する個々のゲームタイトルをアップルに個別に提出して審査を通過し、App Storeに登録させる必要がある。

これとは別に、ゲームストリーミングサービスはユーザーがサービス自体に加入できる「カタログアプリケーション」を提供できるようになる。このカタログアプリは、サブスクリプションで提供されている個々のゲームタイトルにリンクし、複数のパブリッシャーのゲームを含めることができる。これは、アップルがサードパーティーのアプリカタログであるGameClubに対してすでに承認しているモデルに似ている。ストリーミングゲームサービスではないが、GameClubはそれぞれのゲームが個別のリストを持つクラシックゲーム向けのサブスクリプションベースのサービスだ。

アップルが、ゲームを個別にリストアップしたいと考えている理由としては、コンテンツのガイドラインや規約を満たしているかどうかを確認したり、レーティングを行うためだと説明している。さらに、このモデルでは、ユーザーも個々のタイトルを評価し、レビューすることができる。

実際にはこの変更により、ユーザーはストリーミングゲームサービスの「カタログアプリ」でアプリ内購入機能を通じてサービスに加入し、そのうえでサービス内のゲームタイトルをプレイする必要がある。ただし、ユーザーがすでに別のプラットフォームでサービスに加入していた場合は、アップルはユーザーが二度の支払いをすることなくログインできるようにする。

またアップルのルールでは、ゲームサービスが非加入者に不利益を与えてはならないと規定されている。具体的には、ユーザーはゲームストリーミングサービスに含まれる個々のゲームのいずれかを自分のデバイスにダウンロードでき、購読していなくても即座にプレイを開始できるようにしなければならない。もちろんゲームの完全版である必要はなく、ゲーム内のステージやレベルを2つほどを無料でプレイできるお試し版のようなものを提供し、その後に完全なサブスクリプションを購入するためのパスを用意することになる。

ゲームストリーミング以外にもいくつかのルールがアップデートされている。

1つの変更は、KindleやNetflixのようなアプリに適用される。これらのアプリは、限定的な「リーダー」体験を提供することで、App Storeの手数料を回避してきた。具体的には、ユーザーはウェブサイトなどほかの場所でアカウントを作成して決済したあと、iOSアプリにログインして電子書籍を読んだり、購読に含まれる映画を見ることができた。

新しいガイドラインの下では、これらのリーダーアプリはiOS内でのアカウント作成機能も提供しなければならなくなる。これは、製品の無料トライアル期間に対応するためだ。もちろん、これらのアプリは「アカウント管理機能」を搭載することもできる。

アップルはまた、開発者が従業員や学生向けに組織やグループに販売する「エンタープライズアプリケーション」に関するルールも明確にしている。これらのアプリはSlackなどを含む可能性があり、アプリ内購入に加えて別の購入方法を使って支払いは可能になる。

さらにアップルは、Heyメールアプリの開発元であるBasecampとの最近の論争に関連すると思われるルールも導入した。デベロッパーは無料のスタンドアロンアプリ(リーダーアプリとは別のカテゴリー)を提供して、VoIP通話、ストレージ、メールなどのサービスを提供できる。これにより、Heyのようなアプリは、アプリ内でアクションを起こさない限り、他の場所でユーザーに課金することができる。

また先日、アップルとWordPressで起きた問題にも対応している。アップルは、同アプリ内の決済ページに誘導するウェブ画面を問題として、WordPressのアップデートを一時的にブロックしていた。同社はこの問題について謝罪したが、アプリのユーザーがWordPressの価格ページにアクセスできないようにすることもWordPressに求めている。

個人対個人の体験を提供するアプリ、例えば家庭教師や遠隔医療は、アプリ内購入以外の支払い方法も利用できるようになる。改訂で明らかになったのは、これらは1対1のサービスでの許可される支払い方法で、1対多のサービスの場合はアプリ内購入を使う必要がある。

もう1つの変更は、個人向けローンアプリに影響を与える。これらのアプリは、ローン条件を明確に開示するよう求められる。これには、年間の最高利率と支払期日が含まれる。費用や手数料を含む最大APRが36%超で請求したり、60日以内に全額の支払いを要求したりすることはできなくなる。アップルによると、これは消費者を保護するためのものだという。

今回のアップデートでは、アップルの承認を得て、音楽とビデオのサブスクリプションをキャリアのデータプランにバンドルし、携帯キャリアのアプリで提供できるようになった。ガイドラインではまた、アプリがルール違反で却下された場合でも、アップルはバグ修正を遅らせることはないという、以前に発表された新しいポリシーを紹介している。

アプリ開発者には、機能を隠す、アプリの機能を明確にしないといった何をしてはいけないのかについて、さらにいくつかの明確は説明が必要とされる。アップルによると、「App Store Connect」の「Notes for Review」セクションでは一般的な説明が拒否されるため、開発者はアプリのアップデートに含まれる内容を実際に記載しなければならないという。各種アプリのアップデート時によく見られる「バグ修正とパフォーマンスの改善」という文言は消えるわけだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)