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Boston Dynamicsは早ければ来年にも物流ロボットの計画を実現へ

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Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)は、四足歩行ロボット「Spot」で大規模なロボットを構築する能力を証明した後、同社が最初に参入を目指している本格的な物流分野へのアプローチを発表するまであと数カ月となった。同社の新CEOであるRobert Playter(ロバート・プレイター)氏は、数十年におよぶ実験を経て、同社が独自の道を歩むことになると見ている。

Disrupt 2020のバーチャルメインステージでインタビューに応じたプレイター氏は、長年のCEOであり創業者でもあるMarc Raibert(マーク・ライベール)氏が研究開発に専念するために身を引いた後、プレイター氏も長年務めてきたCOOからCEOに昇進したばかりだ。今回の就任後、プレイター氏は初めての公の場でのスピーチに臨んだが、同氏がBoston Dynamicsとともに大きな計画を持っていることは明らかだろう。

有名なBigDog(ビッグ・ドッグ)の遠縁にあたる四足歩行ロボットであるSpotの最近の商品化は、プレイター氏と会社にとって、その需要がどこにあるのか完全にはわからないにしても、彼らが提供するものには大きな需要があることを示している。

「ターゲットとなる市場がどのようなものになるのか正確にはわからなかった」と同氏は認めたが、どうやら顧客たちは、どちらとも言えなかったようだ。この7万5000ドル(約784万円)のロボットは複数の顧客によって約260台が購入され、現在はSpotプラットフォーム向けに独自のアドオンや業界固有のツールを積極的に開発している。ちなみに「その価格は抑止力にはなっていない」と同氏。「産業ツールとしてこれは実際にかなり手ごろです。私たちはこれらを手ごろな価格で生産する方法を構築するために、非常に積極的に大量の資金を投下してきました。そして、すでにコストを削減する方法に取り組んでいます」と付け加えた。

TC Sessions: Robotics + AI at UC Berkeley on April 18, 2019(画像クレジット:TechCrunch)

世界的な新型コロナウイルスの大流行は、手作業に代わるものとしてのロボットへの必要性を生み出すのにも役立っている。

プレイター氏は「人々は自分自身の物理的な代理者を持つこと、遠隔地にいることが以前に想像していた以上に重要であることに気付いています。私たちはロボットが危険な場所に行けると考えてきましたが、新型コロナウイルスの影響で危険性が少し再定義されました」と説明する。新型コロナウイルスの感染蔓延は緊急性を加速させており、おそらくこの技術を使って探索するアプリケーションの種類が増えることになるでしょう」と続けた。

新型コロナウイルスに特化したアプリケーションとしては同社は、入院患者の遠隔監視や、Spotを使用して施設内にエアゾールスプレーを運ぶ自動消毒などの共同作業の依頼を受けている。「これが今後大きな市場になるかどうかはわかりませんが、依頼を受けたときに対応できることが重要だと考えまそた」と同氏は語る。「ここで正しいことをしなければならないという地域社会への義務感もありました」と。

MITの遠隔バイタル測定プログラム「Dr Spot」(画像クレジット:MIT)

最も早くから成功した応用例の1つはもちろん物流で、Amazon(アマゾン)のような企業が生産性を高め、人件費を削減する方法としてロボット工学を採用している。Boston Dynamicsは、現在実用的な「自律パレット」方式とはまったく異なる方法で、箱や箱のようなものを移動させるのを助けるロボットで市場に参入しようとしている。

「私たちは物流の分野で大きな計画を持っています。今後2年間で、いくつかのエキサイティングな新しい物流製品が出てくるでしょう」とプレイター氏は明かしてくれた。「現在、顧客が概念実証試験を進めていて、2021年に何かを発表し、2022年には製品を提供できるようになるでしょう」と続けた。

同社はすでに、より伝統的な固定式のアイテムピッキングシステムであるPickを提供しているが、次のバージョンのHandleも開発中だ。この機動性によって輸送用コンテナやトラックなどの限られたスペースや予測不可能な場所でも、荷物を降ろすことができるようになる。

インタビュー中に公開されたビデオでは、既製のパレットロボットとHandleが協働している様子が映し出されている。プレイター氏は、このような協力関係の必要性を強調する。「我々はロボットが一緒に作業できるようなソフトウェアを提供します。今は、すべてのロボットを作る必要はありません。しかし最終的には、これらの作業のいくつかを行うにはロボットのチームが必要になりますが、私たちは異種のロボットを使って作業できるようになることを期待しています」と語る。

このように優しく、穏やかで、業界に優しいBoston Dynamicsは、2018年に同社を買収したソフトバンクからの意思決定の産物であることはほぼ間違いないが、世界をリードするロボット研究開発会社を何もせずに運営することはできないという単純な現実もある。しかし、プレイター氏は、日本の大手テック企業が「過去20年間に行ってきた高度な能力の開発という過去の仕事があったからこそ、今の位置にいるのであってそれを続けていかなければならない」と理解していることに注目していた。

すぐに実際の仕事をすることはなさそうなのが、同社の驚くほど機敏なヒューマノイドロボットAtlasだ。今のところ実用的ではないが、一種のプレステージプロジェクトのような役割を果たしており、常に視野を上方に向けて調整する必要がある。

実際に仕事をしている姿を目にすることはないが、Atlasは驚くほど俊敏な人型ロボットだ。まだ実用的ではないが、同社では一種の威信をかけたプロジェクトのような役割を果たしており、常に上を目指して調整を続けている。

ヒューマノイドロボットAtlas(画像クレジット:Boston Dynamics)

「このように複雑なロボットで、多くのことができ、そうでなければできないようなツールを作らざるを得ません。そして、人々はそれを愛しています。

「これは非常に複雑なロボットであり、非常に多くのことができるため、ほかでは不可能なツールを作らざるを得ない。人々はそれを愛しています。それは野心的で、才能を引きつけます。」とプレイター氏は語る。

彼自身も例外ではない。かつて体操選手だったプレイター氏はAtlasの跳躍を見て「懐かしい瞬間」を思い出したそうだ。「マークをはじめとする当社の社員の多くは、人や動物の運動能力からインスピレーションを得ています。そのDNAは当社に深く根付いています」と締めくくった。

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カテゴリー:ロボテックス

タグ:Boston Dynamics Spot Disrupt 2020 Atlas

画像クレジット:Boston Dynamics

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(翻訳:TechCrunch Japan)