マイクロソフトが生物学的脅威検出のための「Premonition」プラットフォームを発表

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マイクロソフトは米国時間9月22日に開催されたIgniteカンファレンスで、蚊のような病気の媒介者を監視してサンプリングするためのロボットとセンサーのプラットフォーム、サンプルを分析するためのクラウドベースのソフトウェアスタックである「Premonition」が、間もなくプライベートプレビューに入ることを発表した。

Premonitionは基本的に、疫病の発生を防いで気象監視システムとして機能するシステムを構築することだ。同社が最初にこのプロジェクトを披露したのは2015年だが、それ以来かなり長い道のりを歩んできた。

かなり荒唐無稽なプロジェクトのように聞こえるが、同社によるとこの分野での5年間の研究開発に基づいているという。全米科学財団のConvergence Accelerator Programや、ジョンズ・ホプキンス大学、ヴァンダービルト大学、ピッツバーグ大学、ワシントン大学の保健指標評価研究所(Institute for Health Metrics and Evaluation)などの学術パートナーと提携してテストを進めている。また、製薬大手のバイエル社とも、昆虫などが媒介する病気の理解を深め、生物脅威検出のための自律センサーネットワークについて研究している。

現在は蚊が媒介する病気に焦点が当てられているようで、同社はレドモンド本社キャンパスに「予測実験場」(Premonition Proving Ground)を開設し、研究者によるロボットのテスト、機械学習モデルのトレーニング、収集したデータの分析を支援している。この節足動物の封じ込めレベル2の施設では、会社は蚊を育てて分析することができる。このアイデアは将来的には蚊だけでなく生物群系全体を監視することを目的とする。

マイクロソフトによると、これまでのところこの予測システムは80兆個以上のゲノム物質の塩基対をスキャンして生物学的脅威を調べているという。

PremonitionのシニアディレクターであるEthan Jackson(イーサン・ジャクソン)氏は、「約5年前、ロボット工学、AI、クラウドコンピューティングが、まったく新しい方法で、まったく新しいスケールで、バイオームを監視できる転換点に達していることに気付きました」と本日公開されたビデオの中で語っている。「地球上で最も希少なウイルスの1つが、動物から人へと飛び移ってこの大流行を引き起こしたのはなぜか?それを予測できたかもしれないシグナルは何なのか?」。

2016年にジカ熱が流行したとき、Premonitionチームはすでに、自律的に蚊を識別して捕獲できるスマートなロボット型トラップ群を構築していた。このシステムは蚊を識別し、捕獲するか逃がすかを一瞬で判断することができる。ジャクソン氏によると、このトラップはひと晩で最大1万匹の蚊を識別できたという。マイクロソフトは、これらのシステムを、テキサス州ハリス郡に米国で最初に導入した。

このプロジェクトに参加したジョンズ・ホプキンス大学の分子微生物学・免疫学教授で昆虫学者でもあるDouglas E. Norris(ダグラス・E・ノリス)氏は「蚊の治療に関していま私たちがしていることは、すべて反応性があります。私たちはたくさんの蚊を見て、たくさんの蚊を散布しています」と語る。「このデータとモデルに基づいて、数日のうちに大量の蚊が発生することを予測するシステムがあれば、蚊に刺される前に早めに治療し、スプレーをかけて早めに手当てできます。そうすれば、疫病の感染を引き起こす可能性のある大量の蚊の発生を防ぐことにつながります」。

これは非常に野心的なプロジェクトだ。なぜマイクロソフトはこのタイミングで、Igniteカンファレンスで発表したのだろうか?当然のことながら、システム全体がMicrosoft Azureクラウドを利用してストレージと計算能力を提供しているからだ。Microsoft Ignite

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)