英裁判所がUberのロンドンでの事業継続を許可、ただし18カ月のみ

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Uber(ウーバー)はロンドンでの事業免許更新を求めた裁判で勝訴した

英国時間9月28日の判決で、裁判所は配車サービスUberの市交通当局とのやり取りなどを含めプロセスの改善は評価できると認めた。

業界筋によると、新しい事業免許はUberとTfL(ロンドン市交通当局)が共同で裁判官に提案した21の条件付きとなる。

本日の判決では、Uberがどれくらいの期間の事業を許可されるのかはすぐさま明らかにはならなかった。裁判官は判決を出す前にさらなる証拠を求めている。その後、事業免許を18カ月認めたことが明らかになった。18カ月というのは、2017年に許可された5年の事業許可(未訳記事)よりもずいぶん短い。

「Uberは完全ではない。しかし改善が認められる」と裁判官は述べ、次のように付け加えた。「この部門における合理的な事業はこうあるべきということをUberが行っていること、おそらく今後一層そうするだろうということに納得している」。

ロンドンの交通当局であるTfLが、安全上の懸念とハイヤー事業免許を持つにふさわしくないとの理由で、2017年にUberの事業免許を更新しないというショッキングな決定を下したのち、同社は複数年にわたって闘争を繰り広げてきた。

2018年、英国の裁判所はTfLの要件を満たす時間をUberに与えよう(未訳記事)と、暫定的に15カ月の事業許可を認めた。しかし2019年11月、当局は新たな安全問題を指摘し、免許の更新を再び却下した。

こうした措置、そして許可の見通しが立たないにもかかわらず、Uberは上訴することでロンドンでの事業を継続することができた。そして同社はいま、こうした不確実性が過去のものになることを願っている。

上訴でのUberの主な訴えは、事業許可を持つに「ふさわしい」というものだ。同社は、当局の懸念に耳を傾け、過ちから学び、乗客の安全に関連する問題を解決するために大きな変更を加えたと主張した。

たとえば同社は、ガバナンスと資料レビューシステムを改善したと指摘した。ここには長時間業務を行っていないドライバーの凍結、リアルタイムのドライバーID認証、新たなセキュリティチームとプロセス、そしてライセンス状態の漏洩を防ぐことを目的とする「プログラムゼロ」の立ち上げが含まれる。

同社はまた、システムの欠陥が広範なものではなかったとも主張した。システムを悪用したのは、同社のアプリを使用するドライバー4万5000人のうち24人だけだったとした。

そしてUberは現在、効果的かつ積極的にTfLや警察当局と協力していると主張し、過失の隠蔽を否定した。さらには、免許の取り消しは、女性や少数民族、障がい者などストリートハラスメントのリスクを負うグループに「甚大な影響」を及ぼすとも指摘した。

2020年のUberは、当局の監視を妨害するための専用ソフトウェアを開発し、最終的に幹部の刷新につながった有害な社内文化を持った企業からいくらか改善したといってもいいだろう。

しかし、裁判所がUberに与える事業許可の長さを検討するための手順を踏んだというのは興味深い。裁判そのものはUberの勝訴だが、用心深い警告が含まれている。

本日の判決についてのコメントで、法律事務所Taylor Wessingの首席弁護士であるAnna McCaffrey(アンナ・マキャフリー)氏は判決のこの要素を強調した。「治安裁判所はUberが安全性に関するTfLの懸念を解決したことに同意した。しかし事業許可の延長期間についてはUberが求める5年を認めず、議論の余地があるとした事実は、Uberが今後もTfLや裁判所に同社が本当に変わったことを証明すべく真摯に取り組まなければならないことを示している。そうしなければ、Uberは来年また同様の裁判に直面することが予想される」と声明で述べている。

マキャフリー氏はまた、Uberのドライバーは従業員なのか、それとも自営業者なのかという論争で最高裁判所の判決がまだ出ていないことも指摘した。こちらもUberが英国で長く続いている裁判だ。

同社はまた、ドライバーのアルゴリズム的管理に関連する新たな訴訟にも直面している。つまり、弁護士が取り組む仕事はまだ山ほどある。

一方、The App Drivers and Couriers Union(ADCU)はUberの事業免許更新を認める裁判所の決定を警戒しつつ歓迎した。

ただ、ADCUはUberプラットフォーム上で登録できるドライバーの数に制限をかけることでUberの「寡占」を阻止するようロンドン市長に求めた。声明の中で、ADCUのトップであるYaseen Asla(ヤセン・アスラ)氏は「事業規模を抑制することでUberとTfLの双方に、労働者の権利などあらゆる遵守義務が将来守られるようにするための息つく間ができる」と述べた。

アップデート1:Uberは、北欧・東欧担当リージョナルゼネラルマネジャーであるJamie Heywood(ジェイミー・ヘイウッド)氏の声明を明らかにした。「今回の判決はUberの安全へのコミットメントを認めるものであり、当社は引き続きTfLと建設的に取り組む。Uberアプリを使用する人の安全が最も重要であり、ロンドンを前に進めるためにともに取り組む」。

アップデート2:TfLもまたコメントを出し、広報担当は次のように述べた。「裁判所は、Uberが現在、ロンドンでのハイヤー事業免許を有するにふさわしいと判断した。2019年11月の我々の決定の結果、Uberは乗客の安全を向上させるために、そして我々が指摘した問題を解決するために多くの変更を加えた。数多くの条件が付いた今回の18カ月という事業免許でTfLはUberの規則遵守を監視でき、もし基準に満たない場合は迅速に行動を取ることができる」。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー

タグ:Uber TfL 英国

画像クレジット:Carl Court

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(翻訳:Mizoguchi