Google Hardware Event
Pixel 4a(5G)

Google Pixelのミッドレンジ3機種併存という構成はわかりにくい

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Google Pixelスマートフォンにはいつも長所短所があった。第1世代が発表されたのは4年前の今ごろだった。Google(グーグル)は長年スマートフォンの販売をパートナーに頼っていたが、このデバイスは同社がいよいよ自らスマートフォンビジネスに参入したことを告げるものだった。

2016年には市場はすでに成熟しており、Androidスマートフォンについては特にそれが著しかった。PixelをそれまでのNexusのようなAndroidメーカーに将来のソフトウェア・アップグレードに対して準備させるための標準機種という見方もあったが、同社はこのシリーズをはるかに重要なものと位置づけていた。2年後に当時苦境にあったHTCのスマートフォン開発事業を1.2兆円近くで買収したことによってこれは極めて明確になった。

しかしGoogleのスマートフォン事業の道のりは平坦ではなかった。スマートフォン市場全体が逆風を受ける中、Pixelの売れ行きは伸び悩み同社は難しい立場に追い込まれた。消費者が高価なスマートフォンに嫌気がさし始めたことを受けてAppleとSamsungはフラグシップモデルに低価格版を導入した。同社もこのトレンドにならってPixelに3aを投入した。

主力スマートフォンにプレミアムモデルとそれより低価格なモデルという2機種を用意するのは理解できる戦略だった。ただ同社の場合、その区別がいまいち明確ではなかった。まず第一に、アップル、サムスン、ファーウェイのように手に入る限り最高のプレミアムモデルを追求しているわけではなかった。グーグルはイメージングのような分野においてもソフトウェアに重点を置いていた。これは上級機種と下位機種の価格差をぼやけさせることになった。またソフトウェア重視はAndroid OSを使う他のメーカーに対する優位を減少させた。

今回のLaunch Nightというタイトルのハードウェアイベントで発表された機種構成は従来に増してこの傾向を強めたように感じる。特に分かりにくかったのが、Pixel 55G版Pixel 4aが同時に発表されたことだ。

 

以前から大量に流れていた噂やリーク情報は結局そのほとんどが正しかったことがわかった。確かにGoogleはプロダクト構成において各機種の位置づけを明確化する事に重きを置いていなかった。つまりどの機種も似たものになっていた。例えば、同社のモデル名の付け方の慣例はともかく、5G版Pixel 4aはPixel 4よりむしろPixel 5に近く、Pixel 5aと呼んだほうがしっくりする。

両モデルが5Gをサポートすることは以前からわかっていた。これはQualcomm(クアルコム)が次世代スマートフォンテクノロジーを低価格デバイスにも普及させることを強くプロモーションしていることを受けたものだろう。事実、両モデルは同じプロセッサーのクアルコムのSnapdragon 765Gを利用している。ご承知のとおりこのチップはミッドレンジの製品であり、他メーカーのフラッグシップモデルの多くが採用している865から1ランク下がる。

もちろんこれはコスト削減の観点から選択されたのだろう。しかし多くのライバルが865チップを採用して同等の価格帯を実現している。両モデルともカメラのスペックは同等だ。どちらもリアカメラは2台のアレイでディスプレイの解像度も等しい。サイズは5G版Pixel 4aのほうがわずかに大きい。5が6.0インチであるのに対して4aは6.2インチだ。

もちろん2万円程度の価格差を正当化するような機能の差は用意されている。5の筐体は100%リサイクルのアルミニウムを利用しているが、Pixel 4a 5Gはポリカーボネート製だ。低価格モデルは防水機能と逆ワイヤレス充電機能を欠いている。またバッテリーも5より小さい(ただし4やバッテリーを改善した4aよりさらに強化されている)。バッテリー駆動時間が短いということはPixel 4に寄せられた最大の不満だった。 いずれにせよ5Gをサポートするためには強力なバッテリーがどうしても必要だったはずだ(5では逆ワイヤレス充電に対応する必要もあった)。

しかしこう並べてきてもやはり疑問は完全には晴れない。はっきりいえば、同社のスマートフォンの構成ではミッドレンジモデルが3種類併存している。つまりミッドレンジモデル、低価格のミッドレンジ、さらに低価格のミッドレンジだ。それぞれ2、3万円の価格差があり、すべて短期間に発表された。同社は3aの成功を見て「よし、今後はすべてのスマートフォンをミッドレンジにする」と決めたかのようだ。価格が手ごろであることはもちろん非常に重要な要素だ。しかし3種類のモデルを2カ月も経たない短い期間で次々に発表するというのは理解しにくい。ユーザーとしてはもっと明確な各モデルの位置づけが欲しいはずだ。

こうした問題の一部は今後解消されるはず。3モデルは来年の今頃までに2モデルに統合されるだろう。同社が2021年後半になってもLTEと5G双方をサポートし続けなければならない理由は思いつかない。またスマートフォン事業部のトップの入れ替えを行っており、これはPixelシリーズに今後大きな変革があることを示唆する。4a、4a 5G、5が併存することになったのは幹部人事に手をつけた時点で新モデルの開発がすでに最終段階に進んでいたためだろう。

グーグルがこうした問題点を検討することがPixelシリーズを抜本的にリニューアルして他社が提供できないような特徴あるハードウェアを開発するきっかけとなればよいと思う。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:GooglePixel 5Pixel 4 5G5G

画像クレジット:Google

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(翻訳:滑川海彦)